日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

鉱業会社を見学して

2012年01月08日 09時36分37秒 | 旅行

 今回のゴイアス州旅行では、生徒のBさんが住むミナスという町を訪ねた。

 人口3万人あまりの小さな町で、ゴイアス州最北部に位置し、この町を過ぎるとトカンチンス州である。

 僕らはBさんの母親が住むゴイアス州第2の都市アナポリスから自動車で行ったのだが、約500キロメートルの行程に合計で8時間ほどかかった。

 最後の2時間ほどは、道路は舗装されているものの、穴ぼこだらけで、右に左に車を蛇行させながら目的地へと向かった。

 ゴイアス州北部は鉱業が盛んな地域で、Bさんが住むミナスもアスベストの採掘が唯一の産業という町であった。

 そう、日本では公立学校の天井などに使用されていて、健康に害が出ると問題になったあのアスベストである。

 そして、もちろんBさんが働いているのもアスベストを採掘しているSAMAという会社で、アスベスト生産では世界3本の指に入るそうである。

 彼の説明によれば、アスベストにもいくつか種類があり、健康に害がないアスベストもあって、大丈夫であると力説していたが、本当の所は分からない。

 ミナスに到着すると、Bさんは僕を会社に連れて行き、彼の上司やら同僚やらに紹介してくれ、会社の中を見学させてくれた。

 かなりオープンな雰囲気である。日本だったら、こういう社内見学は許可されないんじゃないだろうかと内心思った。だって、僕が産業スパイの可能性もあるし。。。

 ともかく、アスベストを採掘し、それを処理工場に搬送し、工場で粉砕し、アスベストのみを抽出し、さらに粉状にしたアスベストを袋詰めする全工程を見せてくれた。

 また、毎日2回ダイナマイトでアスベストを掘り起こす採掘場や、そこから鉱石を搬送する超巨大トラックなども見せてくれた。

 こういった鉱業関係については僕は何も知らなかったので、一般教養を深める意味でも大変勉強になった。

 Bさんの仕事内容は、アスベスト処理の工程がうまく行っているかを管理・監視し、問題が起きれば、それに対処するといったものであるが、入社して9ヶ月あまりの彼の会社での待遇はすこぶるいい。

 給料が高いほか、朝・昼・夜ご飯はすべて社内食堂で無料、アパートも社宅で無料、携帯電話も支給、さらに会社の営業成績次第でかなりのボーナスも出ると言う。

 まあ、州都から自動車で10時間近く離れ、何の娯楽もないところで生活しなければならないという犠牲を払うものの、その分待遇はいいのである。

 ただ、Bさんは大学で勉強した知識をほとんど使わなくても仕事ができてしまうために、その仕事内容に不満を抱えているそうで、日系の自動車の会社でブラジル製の日本車の開発の仕事をしたいと言う。

 だからこそ、日本語を勉強しているのだが。。。。

 失業している身としては、Bさんの状況は羨ましい限りだが、僕自身もあまりやりたくない仕事をあまり住みたくない田舎町でずっとできるかと問われれば、ちょっと返答に窮してしまう。

 人生っていろいろある。

 

 ランキングに参加しています。

 応援のクリックお願いします。

  にほんブログ村 海外生活ブログ ブラジル情報へ

 



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
初めまして!! (印)
2012-01-09 23:00:28
日系ブラジル人の友達に移住を勧められているのですが日本に居る期間が長いため、ブラジルの内情が分からなかったので凄く参考になります。

お返事 (たけちん)
2012-01-10 00:52:23
コメントありがとうございます。
参考になれば、幸いです。

コメントを投稿