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日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

うつ病で休職

2010年11月27日 20時12分49秒 | ブラジル事情

   ブラジル人の友達から電話があった。

  調子が悪いので精神科に診察に行ったら、医師から「うつ病」と診断され、仕事を無期限で休むことになったと言う。

  彼は市役所が管轄している孤児施設の子供達の面倒を見る仕事をしている。1日おき12時間の勤務体制である。

  僕もその孤児施設に何度か足を運んだが、孤児達は家庭問題・心の問題を抱えており、彼らを指導していくのは本当に精神的にも疲弊する責任が重い仕事である。

  でも、彼は責任感・正義感が強く、真面目なので、つい一生懸命やってしまう。彼はキーボードが弾ける事もあり、週日の夜に希望者を集めて楽団を組んで練習し、市のイベントなどでボランティアとして演奏している。また、彼は教会でもご年配方のコーラス部を指揮し、各種イベントで賛美歌などを歌っている。

  ここの所、会うたびに仕事からくる不満・ストレスについて漏らしていたので、ある程度予想はついていたが、それでもこの処置に関して少し驚いた。

  ただ、彼は公務員であるから、休職しても正規の給料はもらえることから、電話口では「なるべく長期間休みたい」と元気そうに話していた。

  最近は日本でも「うつ病」と言いつつ、休職している期間中に海外旅行に出かける「プチうつ病」が多いそうだ。

  まあ、もしかしたら彼もそうなのかもしれない。

  でも、彼は少なくともいろいろなストレスから、心に問題を抱えている事は確かだし、それを治癒する必要はある。そして、恐らく日本でプチうつ病と揶揄されている人も、心に問題を抱えているはずだ。

  これだけうつ病患者が多くなった原因に、現代人が精神的に弱くなったことを挙げる人も多いが、時代的に生きるのが難しい時代になってきていることがその背景にあると思う。

  実は、僕も十中八九「うつ病」ではないかと思う。うつ病の自己診断テストに答えていったら、完全にうつ病にランクされたし、自覚症状もある。

  でも、病院には行っていない。

  それは恐らく他人からお墨付きをもらうことが怖いからだと思う。熱がありそうな時に、体温計で熱を測って、熱がある事を知ると、急に病人気取りでベッドに寝込む事がある。これと同じである。熱があってもないと思って、元気な振りして過ごすと、意外と回復したりする。

 「病は気から」である。

 僕は友達と違い、たとえ「うつ病」と診断されても、休職できない。休職したら最後、お金はまったくもらえない。

 働かなきゃ、何ももらえない。何の身分保証もされない。

 だから、病院に行くのは致命的である。友達のように、「うつ病」を理由に、なるべく長期間休もうという作戦は取れない。そして、友達自身もそれが本意ではないはずだ。心も体も健康体で幸せに働いて社会貢献できるのが一番かと思う。

 僕も気持ちを切り替え、プラス思考に軌道修正し、日々を過ごすしか方法がない。

 「病気だ」と言って、周囲に助けてくれる人や助けてもらえる環境にいる人はいい。

 僕のような環境にいる人は、ひたすら「戦う」しかない。まあ、うつ病如何に関わらず、人生なんて一生「戦い」の連続である。

 エヴァンゲリオンの碇シンジじゃないが「逃げちゃだめだ」なのである。逃げたら最後、あとは堕ちていくのみ。

 人は前を向いて歩いて行く必要がある。そこに人間としての尊さがある。

 ただ、究極の状況を言えば、「逃げることもアリ」である。そこを「逃げてはなし」に固執すると、人生が立ち行かなくなるから。

 とにもかくにも、友人の回復を祈りたい。



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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (トトロ)
2013-05-03 04:37:33
ブラジルでうつ病と検索したら、こちらのブログに辿り着きました。私の夫も公務員でうつ病理由に一昨年の11月がら仕事に行っていません。男は外で働くのが当たり前という考えの私には夫の行動が理解できません。何か言っても(給料もらってるし、家賃だってちゃんと払ってる)などというので、養ってもらってる私は何も言えません。その友達は、その後どうなりましたか?正直この状況が続くのが私には辛いです。
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