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雲随の歴史話

歴史人物の生き方、考え方、行動など一緒に学びましょう。
現在は諸葛亮孔明について記載しています。

「博望坡の戦い」諸葛亮の奇才にかけた劉備

2008年11月05日 | 初陣「博望坡の戦い」
草盧を出た諸葛亮は劉備と共に新野に入った。
軍事能力は、正直言ってひどいありさまだった。
まず兵力が足りないのである。
諸葛亮はまず戸籍調査を徹底し、兵力を5000人まで上げた。
しかし全員の鎧、全員の武器も準備は、できなかった。

兵一人一人の能力をあげるため、
指揮に敏速に動けるように訓練した。

劉備は自分の入る余地がないことと
諸葛亮が毎日、訓練する日々を見て、
わらの笠を編んで渡した。

諸葛亮「危機が迫っているのに、こんな編む時間があるのですか?」
張飛 「兄じゃがお前のために作ったものを。どういうつもりだ。」
諸葛亮「劉備将軍は私の主君であるのだから、
    領民のことを考えて頂きたいのです。
    将軍の夢を成就さすため、私は草盧を出たのです。
    劉備将軍の考えていることが理解しづらいです。」

劉備が張飛と諸葛亮の間に入って止める。

諸葛亮「劉備将軍の気持ちはわかるし、嬉しいです。
    しかし、いつ曹操軍が進軍してくるのか。」

劉備 「すまん。諸葛軍師が現状について、
    よくよく考えていることを
    劉備はわかった。
  
    それより曹操は既に曹仁、夏候惇が10万で進軍した。
    何か手はあるのか?」

諸葛亮「心配に及びません。博望坡にて向かい討ちますので。
    ご案内します。」
劉備と諸葛亮は博望坡まで馬は走らせた。

博望坡とは
博望山を縦断し、馬車が一台なら通れる程の道である。
片側は土手が壁を作り、もう片測は林の壁で挟まれた道である。

劉備は博望坡の地形が
どの程度、曹操軍を撃破するのか考えられなかった。



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208年6月******************************************************************
曹操軍は新野から北の博望山近くに迫って来た。

劉備「曹操軍10万が博望坡から40里のところまで来たのだが、どうする?」
諸葛亮「主公はどうなさりたいですか?」

悩む劉備は何も答えられない。

諸葛亮「はっはっは。
    情勢は緊迫しておりますな。
    主公が心配しているのは曹操軍でなく、
    私の策がどこまで上手くいくのか?
    ですな。」

劉備「私はすべて軍師にまかせてあるから。。。
   でっ、どうすれば良いのだ?」

諸葛亮「主公の度胸が据わっておられるなら、何とでもなります。
    私はいろいろ考えていますから。」

劉備「う~~ん。よし。
   剣と印鑑を渡そう。
   軍の指揮すべてを軍師にお任せする。
   我々の命は軍師に預けよう。」

諸葛亮「主公の誠意は、よく理解できました。」
と剣・印綬を預かった。

新野城軍議**********************************************************

諸葛亮「皆、よく聞け。
    曹操軍10万で博望坡の北30里まで来ている。
    皆、命令どおり動け。
    各兵馬は、手早く配置につけ。
    もし、軍規に背く者あらば」

一同「軍師に背く者ありません。すべて軍師の指示どおり動きます。」

諸葛亮「今回の戦いは博望坡にて迎え撃つ。
    曹操軍は博望坡を迂回して新野に進軍するであろう。
    ここへ進入させることが重要である。」

前哨官、兵糧官、新野守城官へと指示を出してゆく。

諸葛亮「関羽っ。博望坡は右が豫山、左に安林に挟まれている。
    兵1000人を引き連れ、豫山に理伏せよ。
    曹操軍が来ても攻撃せず、南より火があがれば、
    同時に曹操軍目がけて、火矢を一気に放て。」

   「張飛っ。兵1000人にて関羽の後方に理伏し、
    関羽の火矢が終わったら、間髪いれずに攻撃せよ。
    
   「関平、劉封はそれぞれ兵500人に火がつきやすい物を持たせ、
    博望坡の南にて待機せよ。
    曹操軍が来たら火を放て。」
   
   「趙雲っ。先鋒に立ち、博望坡数里のところで軍を構え、
    曹操軍を誘い込むように、わざと負けよ。」

   「主公(劉備)は次鋒とし、趙雲の援護をして下さい。
    決して勝ってはならない。負けるのです。敵を誘い込んでください。」

劉備「はいっ。軍師の指示通りします。」

関羽「我ら全員、出陣し敵を向かえ討ちますが、軍師は何をなさるのですか?!」

諸葛亮「私はただ新野城に座って守る。」

張飛「我らは全員出陣するのに、軍師は城にてただ座るだけですか!
   素晴らしいですな!」

諸葛亮「主公の剣と印はここにある。命令に背く者は斬る!!」


劉備「軍師とは千里離れた所まで、勝負できることを知らないのか!!」
   次弟(関羽)、三弟(張飛)、軍師指揮に余計なことを言うな。
   軍師の言うことは主公の言うことと同じである。」

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関羽、張飛は20歳下の軍師・諸葛亮の指示が、耐えられなかった。
諸葛亮には実戦歴がなかったが、
彼らは黄巾族、董卓・呂布、袁紹と戦ってきたのだから、
諸葛亮を信じられないのは当然である。
しかし、
劉備は、今まで数々の失敗を悔やんでいたから、
水鏡先生、徐庶の推薦する諸葛亮を
信じて、すべての命を賭けたのである。
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諸葛亮「孫乾、簡雍。勝利したときの祝杯を用意しておけ。
    それぞれの手柄を記録するのだぞ。」

   「では解散。ただちに配置につけ。」

皆が配置に付く中、劉備に元気がない。
関羽・張飛が、軍師諸葛亮に噛みつく行為が情けなかった。
なぜ私のすることを兄弟は酌んで理解してくれないのか...。

諸葛亮「主公。まだ気がかりなことがありますか?」

劉備「いいや、ない。」
劉備は関羽・張飛の件を謝りたかったが、言葉にできなかった。

諸葛亮は劉備の気持ちを悟って、微笑みながら去って行った。



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