木島平人

木島平の建築や

「タテ社会の人間関係」中根千枝

2012-03-09 17:42:23 | 本と雑誌

40年以上も前からのロングセラーを続ける社会人類学者・中根千枝「タテ社会の人間関係」を読む。
120309book_2 内容は、少しも色あせていなく、人間の社会集団の構成原理を、<資格>と<場>と 設定し、欧米・中国などは、氏・学歴・職・性別などの<資格(属性)>を優先した社会であり、日本は、一定の地域・所属機関(会社・学校)のように、資格の相違をとわず、<場(一定の枠)>を優先した社会であるとする分析から始まる「日本の社会構造」の考え方は、現代にも通じている。


「住宅政策のどこが問題か」平山洋介

2012-02-08 17:49:06 | 本と雑誌

平山洋介氏の「住宅政策のどこが問題か」を読む。
120208book 「戦後、住宅所有が普及するにつれて、雇用を確保し、結婚をして子どもをもち、より広い住宅に住み替え、世帯の収入が増え、そして持家を手に入れ、資産を蓄え・・・といった経路を『普通の人生』としてイメージする人たちが増大した。住宅取得は結婚・出産・収入増などのライフイベントに関係し、暮らしの『梯子』に節目をもたらした。」とし、戦後日本の社会形成を理解するための鍵は、住宅所有の普及という現象のなかにある。という意見には、改めて住宅の重要性を感じる。


「市民活動論」後藤和子・福原義春

2012-01-23 17:32:11 | 本と雑誌

昨年の「小布施シンポジウム」でパネラー参加していて、おもしろい視点でコメントをしていた空間経済学者・後藤和子氏の「市民活動論」を読む。
120123book 文化資本や社会関係資本をキーコンセプトに据え、持続可能性と創造性に着目し、社会、産業、都市の再生と新たな公共性の可能性を探求していて、文化は単なる資源ではなく、常に創造し蓄積し、拡大再生産することで文化資本として、経済的発展にもつながっていく考えは参考になった。