不熟につき

豊かな東北の四季などをつたない写真等で、ご紹介したいと思います。

ぼくの好きな詩人 ~ 吉野 弘

2020-07-07 05:48:29 | 日記

「争う」    吉野 弘

 

   静

青空を仰いでご覧。

青が争っている。

あのひしめきが

静かさというもの。

 

   浄

流れる水は

いつも自分と争っている。

それが浄化のダイナミックス。

 

溜り水の透明は

沈殿物の上澄み、紛(まが)いの清浄。

河をせき止めたダム

そも水は澄んで死ぬ。

ダムの安逸から放たれてくる水は

土地を肥やす力がないと

農に携わる人々が嘆くそうな。

 

 

   「記憶」 朴念尽   

昨日は友人3人の手助けで、28℃の蒸し暑さの中を

ブルーベリー畑のブルーベリーを、鳥たちや虫たちから守るために

ネットで囲んだ。記憶というものが年々失われていく昨今。

昨年の今頃確かに「コガネムシ」が集まってきたことだけは覚えている。

そして二人のヘルパーに力を借りて、ネットを張ったことも覚えている。

しかしどのネットでどの場所を張ったのかを忘れているのだ。

結局、ブルーベリーにとって、どの網が一番ありがたいのかで、

次に張る側の手やすさを考えて、張りにくいアミ、ブルーベリーに引っかかって落とす網を

捨てることにした。

これからの自分の生き方は、かくあるように今までの生き方ではなく、今の自分にふさわしいやり方で

物を考えることにしたのだ。過去の曖昧さの中での記憶は、いい格好の希望や汗の匂いのない霧のようなものだ。

そう考えたら吹っ切れた自分と、財布の中身がなくなっていた。

 

 

 

 

 

 


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