エヌのブログ - 永田町激動記 & 東日本大震災記録

2011.8.30新首相誕生に伴い、≪エヌのブログ - 東日本大震災記録≫を、( ↑上記↑ )に改題

野田首相  所信表明演説要旨

2011-09-13 15:20:22 | 野田佳彦
所信表明演説要旨
共同通信 2011/9/13 14:23



野田佳彦首相の所信表明演説要旨は次の通り。

 一、はじめに

東日本大震災、相次いだ集中豪雨や台風で亡くなられた方のご冥福をお祈りし、被災者にお見舞い申し上げる。政治に求められるのは、意を誠にして心を正す「正心誠意」だ。国民の声に耳を傾けながら国難に立ち向かう重責を全力で果たす。

3月11日から半年の歳月を経た。私たちが決して忘れてはならないものがある。絶望の中で示された日本人の気高き精神。原発事故や被災者支援の最前線で格闘する人々の姿。被災者、とりわけ福島の方々の抱くふるさとへの思いだ。

被災者の心情に配慮を欠いた不適切な言動で辞任した閣僚が出たことは誠に残念だ。信頼を取り戻すためにも内閣が一丸となって、事故収束と被災者支援にまい進することをあらためて誓う。

 二、東日本大震災からの復旧・復興

 ▽復旧・復興の加速

内閣の最大、最優先の課題だ。「復興基本方針」に基づき、具体策を着実に実行するため、2011年度第3次補正予算の準備作業を速やかに進める。使い勝手のいい交付金や復興特区制度なども早急に具体化する。

財源は今を生きる世代全体で連帯し、負担を分かち合うことが基本だ。歳出削減、国有財産の売却などで財源捻出に努力した上で、時限的な税制措置について、経済状況を十分に見極めつつ、税目や期間について複数の選択肢を多角的に検討する。自治体の要望にワンストップで対応する「復興庁」設置法案を早急に国会に提出する。

 ▽原発事故の収束

事故の収束は国家の挑戦だ。福島の再生なくして日本の信頼回復はない。収束に向けた工程表の着実な実現を図る。迅速、公平な賠償や仮払いを進める。農作物や牛肉等の検査態勢の充実を図る。自治体の協力も仰ぎつつ、国の責任で大規模な除染に全力で取り組む。

 三、世界的な経済危機への対応

 ▽エネルギー政策

30年までのエネルギー基本計画を白紙から見直し、来年夏をめどに新戦略を打ち出す。

原子力発電については、中長期的には原発への依存度を可能な限り下げていくという方向性を目指すべきだ。安全性を徹底的に確認した原発は、地元との信頼関係構築を大前提に、定期検査後の再稼働を進める。環境省の外局として「原子力安全庁」を創設し、規制体系の一元化を断行する。

 ▽円高・空洞化対策

日銀と連携し、あらゆる政策手段を講じる必要がある。企業誘致のため立地補助金を拡充するなどの緊急経済対策を実施し、円高メリットの活用で日本企業による海外企業の買収や資源権益獲得を支援する。

 ▽経済成長と財政健全化の両立

日本の財政の危機レベルは主要先進国で最悪の水準だ。歳出削減、増収とともに、さらなる国民負担をお願いする歳入改革。財政再建は三つの道を同時に展望しながら歩む、厳しい道のりだ。

新成長戦略の実現を加速し年内に日本再生の戦略をまとめる。国家として重要政策を統括するため、産官学の英知を集め新たな会議体をつくる。

被災地の基幹産業である農業の再生を突破口に農林漁業再生の具体策をまとめる。郵政改革関連法案の早期成立を図る。

 四、希望と誇りある日本に向けて

 ▽社会保障改革

社会保障と税の一体改革の政府与党案を土台に与野党協議を積み重ね、次期通常国会への関連法案提出を目指す。

 ▽政治・行政の信頼回復

「事業仕分け」を深化させ「国民の生活が第一」の原点に立ち返り、あらゆる行政改革に取り組む。国家公務員制度改革関連法案の早期成立を図る。政治改革で最優先すべきは「1票の格差」の是正で、議員定数の問題を含めた選挙制度の在り方について、与野党での真剣な議論を期待する。

 五、新たな時代の呼び掛けに応える外交・安全保障

 ▽世界情勢と安全保障環境の変化

新防衛計画大綱に従い、即応性、機動性などを備えた動的防衛力を構築し、新たな安全保障環境に対応する。

 ▽日米同盟

わが国の外交・安全保障の基軸だ。首脳同士の信頼関係を早期に構築し、21世紀にふさわしい同盟関係に深化・発展させる。米軍普天間飛行場の移設問題は日米合意を踏まえつつ、飛行場の固定化を回避し沖縄の負担軽減を図るべく取り組む。

 ▽近隣諸国との2国間関係の強化

中国が国際社会の一員として透明性を持って適切な役割を果たすよう求めながら、戦略的互恵関係を深める。日韓関係は一層の強化を図る。

北朝鮮による拉致問題は国の責任で、全ての被害者の一刻も早い帰国に向けて全力を尽くす。日ロ関係では北方領土問題を解決すべく精力的に取り組む。

 ▽多極化する世界とのつながり


経済連携協定の締結を戦略的に追求する。日韓・日豪交渉を推進し日EU、日中韓の早期交渉開始を目指す。環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加を議論し、できるだけ早期に結論を出す。

 六、結びに

ねじれ国会の制約は、議論を通じて合意を目指すという、立法府が本来あるべき姿に立ち返る好機だ。歴史的国難から日本を再生していくため、この国の持てる力の全てを結集しようではないか。全国民が心を合わせて、力を合わせて、この危機に立ち向かおうではないか。







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