数十年振りに東大寺へと向かった。
今からおよそ1200年前に多大な国費を投じて創建された国宝である。
来訪したのは小学生以来であるため、遠い記憶の片隅に
僅かに残るのみである。従ってほぼ初見といって差し支えない。
鹿と挨拶を交わし、長い参道を大仏殿に至るには
南大門、中門をくぐりぬけねばならない。
この南大門は貫とよばれる柱を貫通する水平材を装飾とするのが特徴である。
これは大仏様(だいぶつよう)または天竺様(てんじくよう)と呼ばれる。
中門を抜けると大仏殿が現れる。
遠くからでも、その圧倒的なスケールに唖然とする。
高さ46.8m、間口57m、奥行50.5mと高さは12階建のビルに相当する。
これでも創建時よりいくらか小さくなっている。
仕口に目をやると、数十年の月日を要したその当時のことがプレイバックされる。
ここには大仏さまを中心とし、左右に金色に輝く観音像、菩薩像、
背後に多聞天像、広目天像が存在する。
それぞれが目に見えない力を放ち、訪れるものに何かを語りかける。
小生も全てを見透かされているような気がしたわけで・・・。
SINCE1962