またも、遅れてすいません。
まったく余裕なく、なんで毎回こうなるのだろう、と途方に暮れています。
劇中人物のセリフで「どこか地球の果てへでも飛んでいきたいような気分」とおあるんですが、そんな感じです。
さて、だんだん深層に迫っていきます。
劇作をどんなふうにしていくのか。
これまでもたびたびブログでは「ぐるぐる~」の創作経緯については話してきましたが、どんな風なことに気を付けて書くのか。
ここをお伝えしていこうかと思います。
今回の特徴は、ずばり作品のBGM たる※エピグラフ (epigraph)の役割についてです。
※文書の巻頭に置かれる 句 、 引用 、 詩 などの短文のこと。
エピグラフは序文、要約、 反例 になることもあり、作品をより広く知られている文学作品と関連づけたり、比較をもたらしたり、あるいは様式化されたコンテクストに参加するためにも使われるらしいです。
しかし今回は書いたようにBGM です。
それぞれのエピグラフを書くと
5場 真の友はどんな時にも愛を示す。 苦難の時に頼れる兄弟である。
格言の書17章17節(聖書、新世界訳)
6場 秋田刈る 仮庵(かりほ)を作り 我が居れば 衣手寒く 露ぞおきにける
詠み人知らず 万葉集 巻10ー727
7場 それで,次の日のことを決して心配してはなりません。次の日は次の日で心配する事があります。その日の問題は,その日だけで十分です。
マタイによる福音書6章34節(聖書、新世界訳)
解説を普通はしませんが、あえてすると・・・
5場の真の友とは、今回の戯曲においては、演じてきたキャラクター達です。
その中でも特に、痛い痛いといつも言って療養生活をしているセレブリャコフは、俳優自身と一番かぶるのでしょう。一番引用されています。
でも彼らに結局は助けられて、つまり演劇という友・兄弟に助けられて回復していくのかなあ、と。
6場の万葉集は、百人一首に収められている天智天皇の歌の原歌です。
素朴で、なんだか寒く寂しくなるそういう感じをほんとうにBGM として流していますが、実はこの収穫の時って演劇の本番に似ていますし、
この仮庵、つまり仮小屋ってすごく本番の時の舞台装置、いやむしろそこで演じられる芝居自体がかりそめのもので・・・。
ちょっと語りすぎていますね。
次回は、ハリウッドも注目の劇構成法に迫ります。
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