そもそもプロデューサーと演出ってどう違うかご存知でしょうか。
あと、YOU企画主宰の「主宰」とYOU-PROJECT「代表」の違いも。
まあ、主宰と代表と言う言葉は、使う人によって幾分文脈は異なると思います。
あくまで僕の感覚です。
主宰はその人が全責任を負う感覚です。
代表はその組織の中で代表と言う役割を任じられているイメージです。
ちょこっとWEBで検索してみると、主宰が「中心となって全体をとりまとめること。また、その人。」
「機関やグループに代わって、その意思を外部に表すこと。また、その人。」が代表のようですね。
プロデューサーと演出家は全然違う職能です。
端的に言えば、演出家が創るものは作品であり、プロデューサーが創るものは公演やワークショップなど企画そのものです。
演出家もプロデューサーも芸術家ですが、お金がなくても作品は成立しますが、お金がないと基本的に成立しないのがプロデューサーです。
社会とどちらも関わって生きますが、演劇が社会の中でどのように機能していくかを考える必要がよりおおきいのはプロデューサーです。
それゆえにこの企画はプロデューサーズヴォイスで行いました。
ここからは若干、自分語りになります。
僕は演劇を始めた当初、両方をやりたいと思っていました。
そして、偶然プロデューサー的な仕事に近いことをやってギャラをもらえることになって、しかも当時尊敬していた芸術家達と一緒に仕事が出来るということも演出としてプラスになると思い、その仕事に就きました。
実際、プロデューサーという仕事は楽しいです。
プレッシャーや仕事の中身はものすごくハードですがやりがいもあります。
そんなんじゃ全然少ないかもしれませんが、予算1000万ぐらいの仕事もやれました。
でもその一方で、演出家としての創作が最もやりたい事だということも分かっていきました。
先日読み返した「マスターキートン」の3巻だったと思いますが、キートンが娘の百合子にこう言います。
「お父さん、百合子のそばにずっと居たいし、オプ(保険会社ロイズの探偵)の仕事も好きだ。でも一生やりたいのは考古学なんだ。」
僕にとっては、「(娘はいないんで)結婚もしたいし、劇場で働いたり、勉強を教えたりする(今塾で教えています)仕事も好きだけど、一生やりたいのは演劇なんだ。」となります。
つまり、今すぐに演出家として大成したり、稼げるようになりたい、と言うわけではなく、一生涯作品を創っていたい、ということです。
しかし、いかんせん経済の問題は出てきます。
劇場で働くのは、僕の持っているスキルの中ではこれまでは一番稼げました。
でも、時間を買い取るために塾の仕事を今は選んでいます。
そしてYOU企画としても、どうにかこうにか維持していくためには経済的にも成り立たせなければならず、こういった企画をプロデューサーとして提案しました。
もちろん社会の中で、一劇団として、一芸術家(演劇人という言い方は好きじゃないです)としてやれることとして公演活動もワークショップもしていきたいです。
でもその反面、この資本主義社会の中で、貨幣経済の中で、ある種の利潤(いや対価か)を求める必要もあるわけです。
ひょっとしたら読んでいただいていた方の中に少し面食らわれた方がいらっしゃったかもしれません。
演出家の日々のたわごとや演出論からいきなり、商業的なにおいのするアンケートやまるで公演の営業資料のような回がありましたから。
でもそれは、ビジネス(ではあるんだけども)のためだけでなく、純粋に演劇をつづけていくための方便でもあるのです。
さて、僕はYOU企画の主宰でありプロデューサーです。
まあ、直接的な動機としては、これまでの活動を整理したかったんですね。
そして、今後どうして行くかを少し考えてみたかったのです。
それも外部の人と意見を取り交わしながら。
これもまたワークショップなのかもしれません。
結論としては、やはりこれからもワークショップは活動の根幹として、
創作に深く関わるものとして行っていきたいですし、公演活動の場も京都に限らず広げていきたいと思います。
とりあえず今回のアンケート企画はこれにて終了しますが、これから先もコメントやメールにてご意見をいただければと思います。
お仕事の依頼も歓迎いたします。
今後ともYOU企画を宜しくお願いいたします。
来週木曜日からは「演出家の眼」を再開するつもりです。
確か“V”からだったはず。
ご期待ください。
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