中学・高校受験 Mille Plateaux

YSよつば学院の今。

入試問題演習② H14香蘭

2010-08-23 13:17:10 | ■中学受験の国語

【H14 香蘭】

実施日 2010年8月11日

最近は偏差値が上がってしまっている香蘭。この年は難化する前の時期の問題。問題数あ多くなく、○×問題もあり、国語好き女子にはそこそこの得点は見込める。

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大問1 

問七  状況説明で終わらないこと!   
      ①「後悔」(=「心のこり」)

      ②「ためらう心をひきたてて」

       が、最大のヒント!使わない手はありません!(この場合は「後悔」の一語でまとまる。)

     ③「往復切符をにぎりしめていた」  (→不安+励まし)も注目! 必ず感情用語を入れてまとめないといけません。

     状況説明+感情用語

問十一  ア…雪の描写は「美しさ」でなはく、厳しさや自然の圧倒的な力をさしているので×。あまりこういうのは好きじゃないですけど…。

     香蘭の○×はほぼ同数

若干、○が多い。迷ったら ○にするしかないかも…。逆に全部○にしておけば   半分ぐらいは当たるかも。(時間があるときにこの方法はやめましょう!)

大問2

問四  ア…感心する
     ウ…おどろく
     この二つで迷うところ。ただ自然の出す色に対しておそれをなしている内容ではないのでアはちょっといきすぎ。

問六 直後にはことばがどう残っていくか、つながっていくかの話題になっています。つまりそこに筆者のいいたいことは出てこない。なぜ勝手にふるまっていけないかは、最後の方です。この文章のもっともいいたい内容が答えになります。「ことばがあなどられるところに、人の、人としてのゆたかさはない」が最大のヒント。

問七 漢字については育ってきたもの、カタカナについては育ちにくいもの、つまり「連想させる力」です。解答欄のスペースを考えた答えの長さに。

問八  単純に「自分が知っていて使える」(ことば)のことです。「自分なりに身につけている…」「自分なりの表現ができる…」なんていうのもありです。

問九  「自分の字引き」をどうしろというのか…?? 

 

 

 

 


入試問題演習① 成立学園中

2010-06-23 17:54:00 | ■中学受験の国語

【H22① 成立学園中】

実施日 2010年6月3日

今年度2010年4月開校の中学校。

説明会にて入試問題が手に入ったので

早速やってみました。

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大問1 まさかやっぱりの重松清。「卒業ホームラン」は『6年生予習シリーズ㊦』第14回最後の問題に出てきます。シリーズにも情けがあったのか「卒業」にかけているのでしょう。本を読み慣れている子にとってはベタで、読み慣れていない子にとっては読みやすく、中学受験においては、野球テーマのあさのあつこ、思春期ネタの辻仁成と並んで非常にもてはやされていますね。

問題自体ののバランスは独自性、独創性も経験値もはかれる問題で良問でした。

問)「二つのタコは同じ高さで風に揺れながら、ビミョーにくっついたり離れたりをいつまでも繰り返していた」とあるが、この文で、作者はどのような様子を伝えようとしていますか。

答)同じ年の主人公と裕太がケンカをしながらも仲をを少しずつ深めていっている様子。

比喩を具体化する問題は出したくなるところ。上記のとおり、色分けしたとおりに順序立てて具体化していけば問題はない。しかし、この手の問題は小学生には手強い問題となってしまう…国語の先生に任せましょう。

大問2 辻信一『ゆっくりでいいんだよ』より

     「いそがなくてもいいんだよ

     種をまく人のあるく速度で

     あるいてゆけばいい」

             (岸田衿子「南の絵本より」)   

何年か前の浅野の問題(初めて100字の記述が出題された年だったか)に、『モモ』の引用でありましたね、「時間」「スピード」がテーマになったものが。世代や時代の持つ「スピード」について考えさせる問題です。こちらの学校の、新設中学校の教育に対する思いでしょうか???

大問3 言葉の意味を書く問題。ちょっと厳しめに採点しました。

大問4 カタカナ語の使い方の正誤問題。「エチケット」「ユーモア」「マナー」「トレーニング」「グローバリゼーション」でした。「ユーモア」は「滑稽・おかしみ」。よくある問題で混同する「ユニーク」は「独特・独自性」と覚えましょう。

大問5 漢字の書き取り。よつば生にはかなりしつこく毎週のようにやってきた同音・同訓の       漢字でしたので楽勝!今更「おさめる」など間違えるな!! 

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よつば最高点   77点

よつば平均点 64.7点

夏前にこの結果はまずまずでしょうか。

 


入試問題からみる国語①

2008-12-10 15:01:47 | ■中学受験の国語

【H18年度① 頌栄女子学院】

……心理療法第一人者河合隼雄さんはたとえ話の名人です。「子どもの不登校などに直面した親や教師は目先の解決をあせってはいけない」という心理臨床の鉄則を伝えるのに、子供の頃に読んだ話を引用しています。それは遭難した船の漁師たちの話です。

 月も無い真っ暗闇の海。潮が変わり帰る方角が分からなくなった漁師たちは必死になってたいまつをたき方角を知ろうとするが、いっこうに見当がつかない。すべてのたいまつを消すことによって陸地の明かりをみつけ、帰るべき方向を知ることができた。

 「灯を消す方がよく見えることがある」というタイトルのこのエッセイの中で河合さんは、「過保護がいけない」「いや甘えさせろ」と、目先の解決をあせって、灯をあちらこちらと掲げてみるのでなく、一度それを消して闇の中で目を凝らしてみよう。そこからはじめて解決の方向が見えてくる、と言うのです(新潮文庫『こころの処方箋』より)。

    (梶原しげる著『そんな言い方ないだろう』より)

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●実際の入試問題は下線部は空欄になっており、受験生自身が文脈から無事に帰るまでを考えて45字以内で答える問題が入っている箇所です。「たとえ」の巧さをとらえさせるための引用で『こころの処方箋』が出てきていますが、こちらの本自体、すでに頻出本です。子供たちに買って読みなさいというにはおもしろみや実感は伴わないので、あくまで文章題として扱えばいいのですが、保護者の方で、特に高学年以上の子どもとの関わりがある場合にはそっと手にとって読んでいただくことをオススメします。

 関連書:

 「美しい人に -愛はほほえみから-」(渡辺和子著)

●入試問題解説としては、「たいまつを消す」ことが書けない場合は60点(100点満点)を切る読解力です。ちなみにこの年の国語の合格者平均点は68.3点と出ています。(Y)


「物語文」の攻略①

2008-05-19 00:41:59 | ■中学受験の国語

(1)登場人物の把握

どの学年でも、どのテキストでも、
必ず確認させる単元ですが、
小3~小4ぐらいだと

「大造じいさん」「残雪」「はやぶさ」

とか

「兵十」「ごん」

とか

人数も少なくわかりやすい。

さらに
場所変化が明確、
時間変化も少なく、
二者間でのやりとり
だったりして、分かりやすいものです。

しかし、
これが6年生になって困り出すのは

①登場人数が多い
②場所変化が極端にない

(主人公の心の変化のみ、場所が具体的でない、とか)
③「現在」・「過去」が混在している
④主題を象徴するものが「暗示」されている

これで文章文字数3000字以上、

記述字数100字程度となると
お手上げということになります。

今回は
(1)登場人物の把握
について実践してほしいことをあげておきます。

現在授業では、全学年につき
ほとんど私の

朗読+プチ解説

で始まります。
そのとき子どもたちには
鉛筆を手
目で文字を追わせ
メモを取らせます

分からないことば
分かりづらい表現

に注目させながら進めます。

世間では「3色ボールペン」など
の利用法がありますが、
私の授業では
子どもが自身で読む際の
色ペン(蛍光ペン等)使用は禁止です

もちろんこれは小学生が
中学受験する場合を
考慮しての指導法ですので
将来的に大学受験、資格試験等、
受験していく場合にはこれが限りでは
ありませんが…。

とにかく

線を引くことから間違えますので。

実際の試験会場では
机の上には
鉛筆と消しゴムのみ
しか出せない場合が多いので、
現場で、受験生に
無用な心配事を作らせないよう
にするためでもあります。

また、手際のおそい子、
判断のおそい子にそのような作業を
強いるというのは効率的ではありません。

というわけで
鉛筆でのマーク法を指示しています。

とかく登場人物には
○囲みです。

こういうことをしていってあげないと

必ずすごいことが
起こります。以下の点です。

(1)登場人物が足りない。
まあ、よくあることですが、

見逃していることは多いです。

(2)登場人物がふえている!
これはすごいです。
父、母、兄弟姉妹などの表現が
名前で表現されている場合が
特に要注意です。

「正和」と表現されながら、

「お父さん」と同一人物だったり。

「チビ松くん」が「松村くん」だったり。

なのに、「2人」とカウントしてしまう…。

ニックネームの付け方にも注意が必要です。

(3)登場人物の性別が不明!

「カツミ」

「ユウキ」

「ミユキ」

「アキラ」

「カオル」

などは男女の性別が分かりづらいこともあります。しかも学校モノだと、友達の名前がたくさん出てきて、それぞれの特徴・人間関係がつかみづらくなることもあります。

しかも「裕樹」であれば男子と想像もつきますが、

「優希」だと微妙。

また、問題文にはカタカナで書かれていることもあり、

よりいっそう分かりづらいこともあります。

「田舎」や「古い時代」の設定だと、

女子でも「オレ」などと言っていることもあるので

注意が必要。

読みながら設定していくしかありません。

「うっそ~、こいつ女だったの?!」

なんていうこともありますので。

それから、肉親・親類関係であっても

「甥・姪」や「いとこ」「叔父・伯父」「叔母・伯母」が

誰のことか分かっていないのもまずいです。

対策として、

①セリフや動作、服装などで判断

②人間関係(グループや家系図など)は図にしておく 

 

といったところです。

常に言っていくので、

体で覚えるようにしましょう。

  

                 by メエ


「漢字の学習」

2007-07-20 01:14:25 | ■中学受験の国語
「漢字」を制す①


今、よつばでは3、4年生から通塾している子がいますが
そのどの子も「漢字テスト」から克服するよう
徹底しています。
私の要求度は相当厳しいです。
トメ・ハネ・ハライ、
場合によっては
筆順・筆の入りのミスも
テストで見抜きます。
別に漢字の練習量は「何回練習する」などとはいいません。
漢字練習ノートも作らせてはいません。

それはすべて、得点するための勉強法を
自分で身につけてくれれば良いと思っているからです。

自分自身の小学生のころを振り返ると
漢字練習ノートなるものを作り、
様々な方法を小学校の担任が代わる度に
指示され、享受?していたわけですが、
結局のところノートをいかに
美しく!
そして
丁寧に!
作るかに固執していたように思います。
また、丁寧に取り組んだことも
評価の対象ですから
わたしなんぞはけっこう一生懸命だったわけです。

それでいて先生が代わる度に方法が変わるのも、
また大変なことで、いったん身につけたことを
覆すことにもなり面倒を感じたことも…。
幸い、5・6年の先生は男の先生(しかも算数が専門)
だったのでそれ以上の「システム」は要求されませんでした。

そんなことから
私の指導法としては
できない漢字だけを何度も書くことがいちばんだということに気づき、
それからは作った記憶がありません。

であれば自分なりに編み出す時間はあるのだから
まずは要領よく覚える方法が見つかるよう、
また、現在小学校で指示されている方法でいいので
「覚える」ことに重きが置ければいいと思います。

「何回書けばいいの?」
という子も多いです。
それも一つの目標達成ですが、
私はそういう質問には
「覚えるまで!」
と答えています。同時にそれが宿題完了を意味します。

中には、書いただけで
「終わった」、はたまた「できた」という子までいます。
言いたくなるのは分かりますが、
実を取る勉強をさせなくてはいけません。

よつばの漢字テストでは
特別なことをしているわけではありませんが、
「できた」=「満点」ということで
了解してもらっています。

得点別症状は以下の通りです。

100点満点……ぬかりない。体調も万全。
 80点以上……ケアレス程度。ツメが甘い。
 60点以上……一応ひととおりやったが練習不足。
 30点以上……やっていない。ただ埋めただけ。
          答えをみて写しただけかも。
 25点以下……学校での漢字もままならない。
          塾での漢字練習は少しずつ
          やっていかないとキツイ!
          お母さんの助けが必要!! 

得点の具合で学習の姿勢が
だいたい分かります。
一番のバロメーターです。
  
将来的には、
漢字練習ごときに時間と手間をかけている
場合ではなくなります。
自分なりの覚え方を身につけさせ、
何分あれば
何をどのぐらい覚えられるのか、
体で計れるようになれれば
順調な証拠です。

本人に聞いてみてください。
いつもの漢字テストの暗記について
「何分あれば覚えられる?」と。

30分以内が平均値です。