レゾンデートル(raison d'etre)という言葉があります。フランス語で「存在理由」という意味で、「生きがい」という意味もあるそうです。
経営者が考えるべき「ブランド」とは、その会社の「存在理由」と言い換えることができるのではないかというのが、今日の仮説です。
ブランドに絡めてよく議論される言葉として、「ビジョン」「ミッション」そして「戦略」という言葉があります。
「ミッション」とは、
アルクの英辞郎によると、
【名-1】 使節団、代表団、ミッション、使節、派遣団、委員団
【名-2】 (派遣された人の)任務、特別任務、特命、使命
【名-3】 宗教の布教、伝道(団体)
【形】 伝道団体が運営する
【他動】 ~を派遣する
となっています。
続いて「ビジョン」を、同じく英辞郎によると、
【名-1】 視力、視覚、見ること
【名-2】 先見、先見の明、洞察力、想像力、考え方
【名-3】 見通し、構想
【名-4】 空想、幻
【名-5】 素晴らしい光景[情景]、絶世の美女[美人]
【名-6】 画像、映像
【他動】 ~を思い浮かべる、幻に見る、幻に示す
・ミッションは、何かの命令によって動くもの。自分の意志は必ずしも関係ない。
・ビジョンは、自分が進みたい夢や方向を示すが、周りは必ずしも関係ない。
ブランドは、絶対的な自分自身そのものであり、かつ、相対的な社会の中での意味を表すものだと個人的に思います。その意味で、ミッションでは自分の意志がなく、周り(顧客や株主といえるか)のことだけを考える。ビジョンでは、自分の夢(社長は社員の思い)だけで、周りは関係ない。
レゾンデートルというのは、相対的な社会という器の中で、絶対的な自分がなすべきことを表すという意味で、企業におけるブランドの意味と近いのではないかと思います。
コンピテンシーという言葉もあります。これは、他にはない自社の強みという意味ですが、これは対顧客、対市場に対する競争優位性をは表しますが、社員の働きがいや、社会における意味を表しているわけではないと思います。
ブランド戦略というのは、レゾンデートルをまっとうするための様々な障害を払いのけ、合理的に到達するための手順を示すものといえるのではないでしょうか?