マーケティングとは?ブランドとは?

とはいえ、まじめな話ばかりだと続かないので、なんでもあり。

なんとなく、休日にCMを見ながら思う

2004-10-24 19:40:28 | マーケティング
今日、なんとなくテレビでいくつかのCMを見ていて、気付いたことをいくつか。
どれも勝手な推測なので、裏取りしたわけでもなんでもありませんので、ご了承ください。


●東京三菱銀行

「バイオメトリクス」という言い方から、「手のひら認証」という言い方に変わった。

恐らく「バイオメトリクス」って何?という問い合わせが多かったのでしょうか。
それとも、広告のトタバタでよくある話ではありますが、例えば社長の奥さんとか、とにかく偉い人から「よくわからないぞ」と指摘されたかのか?

東京三菱銀行の先進的なイメージを、若い世代に訴求するには「バイオメトリクス」という言い方の方がかっこよかったと思うのですが、メインの顧客である富裕層は高年層が中心のはずなので、きっと難しかったのでしょう。


●コーラC2

登場時は、中田英寿がかっこよくコーラC2を飲むというCMでした
それが今日見たら、若いサラリーマンが二人の女性からどっちを選ぶのと迫られて飲む?感じのCMに変わっていました。

中田はサッカーの方が不調気味で、日本代表にも漏れていて、タレントパワー的にかなり落ちている感じがします。しかも、イチローの活躍で、海外で活躍する世界の一流選手ポジションの座も再び野球に戻った感もあります。

あと、勝手な予測ですが、どちらにしても中田がコーラを飲んでいるイメージがないというのもあると思います。しかも、超イタリアンのキザ男ファッションが、はっきり言って普通の学生やヤングサラリーマンに共感されてないんじゃないかと思います。サッカーであれば、中村俊輔とか小野の方が、ひたむきさとか、きさくさなどが、共感できるのではないかと。

この辺もあって、あっさり変わってしまったのでしょうか?
まあ、まだキヤノンの白無垢姿もあるし...とにかくまずはサッカーで復活して欲しいものです。


●ネスカフェの一連の広告

最近、やたらとテレビCMが多いのがネスカフェと思います。
しかも、外人のトークに日本語を当て込んだわざとらしい感じのモノが多い。
明らかにいままでの方針と変わった。相当、攻撃的なマーケティングを展開していると思います。
ただ、商品になんら新しさを感じない。ネスカフェのキャップが変わって、ボクサーがグローブしていても空けられるといわれても、なんかぴんとこない。

あと、やたら「香り」を訴求している広告が多いと思いますが、ネスカフェに香りを期待している人はいないと思います。もちろん作り手はレギュラーコーヒーを目指して技術開発を続けているわけですが、一方でコーヒーの世界ではスタバやタリーズなどより本格派のコーヒーが増えている。どのぐらい効いているのでしょうか?どなたか知っていたら教えてください!


●auのヨン様広告

auは基本的に学生などの若者で強く支持されているブランド。3社の中では最もおしゃれなイメージの携帯キャリアだと思います。

そのauがヨン様を起用したCMをつくったのがびっくり。基本的にヨン様ブームに?と思っている私ですが、この広告は素直に笑えてとてもよかったと思います。一番良かったのが、夢の中でヨン様と韓国でデートしている女の子が、「友達に伝えてたーい」と言うと、ヨン様が「恋人で~す」と日本語で答えながら一緒に写真を撮るところ。(うろ覚えなので間違ってたらすいません)
他のヨン様CMが、いかにも「あのヨン様が!」という感じで、恐る恐るタレントと組ませているのと違って、妙にリアリティがある感じがしてよかった。ただ、普通にかっこいいホストが、店外デートしてる感じに見えたのが特によかったのかも。

それでいて、素直に韓国で携帯から動画が日本に送れるという一番大事な訴求ポイントも逃さず伝えてるところがすばらしいと思いました。




どちらにしても、最近、CM素材の回転率が全般的に上がっている感じがします。
効果の測定ピッチがネットリサーチの普及で早くなり、効果が見えやすくなったことが起因しているのかもしれません。

以前よりもCMがある意味「インタラクティブ」になった感じがするのは、私だけでしょうか?

高度経済成長の残骸

2004-10-14 12:37:17 | Weblog
昨日のニュースを見ながら、ちょっと大げさかかもしれませんが、「高度経済成長期の残骸」がついに終焉を迎えるということではないかと感じました。

1つ目は、西武の堤オーナーが辞任するというニュース。
2つ目は、ダイエーが再生機構の支援を受け入れるというニュースです。

どちらもプロ野球球団を持っている企業集団であり、強烈な個性とリーダーシップを持つオーナーが引っ張っていった会社です。
ダイエーは既に中内さんは引退されていますが、今回のドタバタを見ると中内さん譲りの頑固さは残っていたようで、最後まで抵抗はしていたものの、遂に実質的なダイエーの解体に向かう結末となりました。

極論かもしれませんが、昭和30年~40年の高度経済成長を支えてきたのは、地方から都市への人口移動と、大企業を中心としたサラリーマン社会であると思いますが、そのサラリーマンの目標は「マイホーム」をもつことであり、ビールを片手に野球中継を見ながら晩酌といのが典型的なサラリーマン像であったと思います。そして、その裏で主婦を支え続けてきたのがスーパーマーケットであったと思います。

私鉄が都市開発の役割を担いながら沿線を拡大し、その際に必須となっていたのが「スーパー至近」というセールストークであったと思います。

考えてみれば、80年後半のバブルも、かつて高度経済成長期に感じた高揚感を忘れられない世代がもう一度夢を見ようと無理をした結果であったかもしれません。その中でしぶとく生き延びてた世代が遂に全て力尽きたのがここ数年はではないかと。

そもそも三井と住友が一緒になったり、三菱と三和が一緒になったりということ自体が信じられないことな訳で、財閥系の解体は既に進んでいるわけですが、ここは銀行や製造業などグローバル競争にいち早くさらされたおかげで改革がすすでいたものの、流通や鉄道は完全な地場独占で最後まで生き残っていた。その意味で、新聞社も同じですが。

さらに言えば、最近の韓国ブーム。これも戦後ひきづっていたものを、より身近なレベルで主婦パワーがこじ開けたのも偶然ではなく、本当の意味で区切りを迎えたということを象徴しているのかもしれません。

来年は昭和80年。団塊世代も定年を迎え始める時期。ようやく昭和が終わるという気がします。