イスラエルソング

イスラエルの歌手、作曲家、作詞家の方々の訪問記。

イスラエルの歌 「シェレグ アル イリー」

2011年02月20日 | イスラエルの歌



今年の冬は全国的に寒く、東京でも先日雪が降りました。



ナオミ・シェメルさんも雪にちなんだ歌を作詞・作曲しています。



それは「シェレグ アル イリー(私の町の上の雪は)」という曲ですが、私はこの歌は一時ナオミさんが、フランス・パリに住んでいたときに、異国からイスラエルを思って作った曲と思っていました。



しかし、ナオミさんが亡くなられた後、彼女の親友、女優のリフカ・ミハエリさんにこのことをインタビューしたら、リフカさんにしか伝えていなかったこの曲の背景を教えてくださいました。


(写真はリフカ・ミハエリさんにインタビュー)

この歌は、ナオミ・シェメルが1976年に劇「マサオット ベニヤミン ハシュリシー(三人目のベニヤミンの旅)」のために作曲し「十五種の果実(ぺロット ハミシャー アサル)」の題名でリリースしました。



そのときナオミさんは

「私がこの歌の中で思い描いたのは『イェルシャライム デ リタ(リトアニアのエルサレム)』と呼ばれ、私の両親の出身地であるヴィルナ(リトアニア)のことです」。

「1月から2月にかけて、 まだ冬の最中、 雪のまっただ中にあった離散の地のユダヤ人は、トゥー ビシュヴァット(樹木の新年)に食べる十五種の果実を味わいました」。

「それはまさに郷愁の味であり、祖国イスラエルの味なのよ。その果実の中に全ての思いがつまっています」。

と言われたそうです。



雪の降る中、遠くにいる愛しい若者を慕って娘が歌う、一見実にロマンチックな歌です。しかしナオミさんはもともとの題名「十五種の果実」を通して、この歌を聞く者、もしくは歌詞を読む者に、単なる恋歌以上の意味を見出させようとしています。



トゥー ビシュヴァットに十五種の果実を食べる風習は、離散のユダヤ人の間で祖国への望郷の表現として、民間伝承を育んできました。





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3 コメント

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はじめまして (kiki)
2011-02-24 21:39:11
はじめまして
こんばんは、岡山市在住のキリスト者です。。

唐突ですみません。。
昨日、上映会があり「ヘブライ ソング」
イスラエル(ユダヤの方)の嬉しい時に歌われる歌を賛美として聴き一同で歌ったのです。。
曲が流れた瞬間、言葉ではなく胸が詰まり心が震えました。。ずっと上映会が終わってからもこの歌が離れません。。行くことのできなかった兄弟姉妹にも聴かせたくてYouTubeなどで探すのですが見つけることが出来ません。。(こちらへは、検索最中に”ミルトス”と云うのに目が止まり伺いました)

「ヘベヌ シャーロマ レヘム」と繰り返す短い歌詞なのですが。。どうかご存じでいらっしゃいましたらご教授いただけませんでしょうか。。失礼をお許しください。。
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ありがとうございます。 (ヨシュア1960)
2011-02-24 22:40:56
kikiさんコメントをありがとうございます。


この歌はイスラエルの古くからの歌で「ヘヴェヌ シャローム」という歌です。


「ヘヴェヌ シャローム アレイヘム」の歌詞を何度も繰り返して歌います。


「われらは、あなた方のところへ 平安をもって来た」という意味です。
本当に喜びの歌です。


この「シャローム」という言葉が「平安」という意味になります。イスラエルではこの「シャローム」という言葉を幅広くよく使います。


挨拶のときでも「こんにちは」のような感じで「シャローム」と言います。


またこの歌は、作者も分からず、古くから歌い継がれてきた歌で、このような歌をイスラエルでは「アマミー」と言います。今でも歌われている貴重な歌です。


単純なメロディーを繰り返して歌う歌が、イスラエルにはたくさんあります。単純だからこそ、より心に残ります。


私はkikiさんが「曲が流れた瞬間、言葉ではなく胸が詰まり心が震えました」という文章に、心打たれました。この感じる感性が歌にとって一番大切だと思います。


ありがとうございました。


また何かありましたらよろしくお願いいたします。
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ありがとうございました。 (ヨシュア1960)
2011-02-27 18:40:42
「ヘヴェヌ シャローム」の件で質問を下さいました岡山県のkikiさんから昨日メールが来ました。

こちらが恐縮するくらい、とても感謝していられました。私は、それを読みながらうれしくなりました。

ありがとうございました。
今後もよろしくお願いします。
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