月初めはこの「YSPS研究所」ブログのまとめの日とします。
以下2008年9月~12月のまとめ17件
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20080906>>>YSPS研究所としてのエコ活動と経費削減
この「YSPS研究所」ブログの姉妹ブログである「なんアラ」ブログの9/2号、「文化財的Archival教育」ブログ8/31号に記載した3つのブログの関係表をここで改めて示してみると
<YSが展開している3つのブログの関連表>
なんでもアラカルト・YSPS研究所・文化財的Archival教育
ブログ記載インターバル 毎日 毎週 毎月
活動インターバル 数年 十数年 数十年
活動頻度 多い(ほぼ毎日) 中程度(月単位) 少ない(年単位)
活動資金 持ち出し(出版業) バランス調整役 収入源(コンサルタント業)
そして3つの根底を流れているのが”Passion on Steadiness”と言うロゴでこれは私が50年近く前の高校時代に作ったオリジナルである。
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これでお分かりと思うがYSPS研究所は他の2つのブログの中核的役割をしている。
そして昨日YSPS研究所としてのエコ活動にも繋がる経費削減策を昨日の「なんアラ」ブログ9/4号に投稿した。
つまりガス関連機器をオール電化にすることで夜間電気を使い長期(15年)的視野で経費削減・エコ活動に貢献するという案である。
本日の2回目の打合せを経て最終決定の方向で進めるつもりだ。
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20080913>>>YSPS研究所としての東京出張
これからYSPS研究所として東京出張する予定である。
行き先は霞ヶ関にあるブレスセンター!
今年2月16日に同じ場所で実施された奈良新聞社主催の講演会に参加するためである。
今回のタイトルは「文化遺産:大和の古代地名」と言うちょっと変わったフォーラムなのだ。
何が飛び出すか興味津々である。
内容は来週のこのブログで紹介します。
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20080920>>>9/13東京出張の成果
先週の「YSPS研究所」ブログで約束した様に、本日のブログは9/13に東京に出張した時の成果を述べてみる。
今年2/16に開催された奈良新聞社主催の「高松塚シンポジウム」に続いて、今回の「奈良の地名フォーラム」の会場はその時と同じ場所の霞ヶ関にあるプレスセンターで実施された。
参加者は約250名と多かったが、私の知り合いは一人も眼にしなかった。
出席者も東京周辺在住がほとんどで、この中にどれだけ奈良県は勿論関西出身者が含まれているかは知るよしもなかった。
今後も継続して年に2回程度のフォーラムが開催される予定なので、関東在住の知り合いに連絡してみようと思っている。
さて肝心の講演・パネルディスカッションの内容であるが、YSPS研究所としてはとても大事なテーマを扱っていた。
つまり主としたテーマは「大和の古来地名」を日本地名学研究所所長池田末則さんが話されたが、パネルでは江戸東京博物館館長の竹内誠さん、鎌倉国宝館館長の三浦勝男さんが東京と鎌倉の地名にまつわる話をされた。
今回のディスカッションでは古来の地名がどんどん改訂されて無くなっていくことを憂いながらその古来地名の重要性をいくつもの例を上げて取り上げられたことはとても有意義なことであった。
この地名改訂の件は、市町村合併に伴う町村名の消失と共に古来使用されてきた”字”をしっかりと残すことの必要性を語られた。
特に私の出身地である奈良県五条市や、先日の平成合併で消えてしまった新庄町(現葛城市)を始めとして飛鳥、斑鳩、畝傍、橿原、御所、磯城、當麻、榛原、浮気、平城、平群、耳成、三輪、掖上(五十音順)などとても懐かしい名前の由来が講演の中や購入した本「奈良の地名由来辞典」から分かったことは大きな収穫であった。
ゆっくりと時間をかけてこの本の中身を知ると共に、既刊の東京・京都・鎌倉の地名由来辞典にも手を広げてみたいと思っている。
YSPS研究所の保存科学の観点からも重要なポイントであると自覚している。
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20080927>>>今週のYSPS研究所活動
9/6の「YSPS研究所」ブログでガス関連機器をオール電化にすることで夜間電気を使い長期(15年)的視野で経費削減・エコ活動に貢献するという案について述べた。
実際何度もメーカー・業者との交渉を繰り返して9/23に正式に契約を交わした。
工事は9/30に決定して、当方も電気釜やクッキングヒーター用の調理器具を買い揃えなければならない。
以上の対応で自宅兼事務所として使用している出費を少しでも削減したいと思っている。
長い目で見た経費削減・エコ活動の一環である。
そして9/25には「なんアラ」通巻9号本体500冊の製作料金を銀行から個人書店に払い込んだ。
今後YSPS研究所としての収支バランスを保つための営業(?)努力をすることになる。
昨日10/10に東京工芸大で講義をする日程調整が合意され、このコンサルタント業務も収入源の一部となる。
京都工繊大の講演の方は12月でお願いしている。
こちらもYSPS研究所としては金銭を度外視した役割として重要な位置を占めているので、内容の方もしっかりとフォローしなければならない。
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20081004>>>YSPS研究所としてのSFさんとTHさん
9/6のYSPS研究所ブログは「YSPS研究所としてのエコ活動と経費削減」のタイトルで記載したが、その時にオール電化の担当者で、現在もアフターフォロー頂いているTHさん、そして時期を同じくしてやはり大きな意味でのエコ活動の一環として開始した週2回夕食担当の食材買い込みを軽減化して貰ったSFさんのお二人とはその後いろんな意味でお付き合いできる雰囲気をこの一週間で掴めた。
THさんには来週10/7、9/30に設置でき、順調に稼動している自宅兼YSPS研究所のオール電化のアフターフォローに来てもらうことになっている。
そしてその話しと共に「なんアラ」出版やそれぞれの人生についても語れるチャンスが来そうである。
又SFさんとは週に2回食材の手渡し時に、「なんアラ」執筆に関しての話しを進展させると共に、やはり人生の歩み方に関しても少ない時間内でトークできることを楽しみにしている。
次回は10/9である。
お互いに無いものを吸収できるまたとないチャンスであると理解している。
お二人との長いお付き合いを期待したい。
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20081011>>>東京工芸大での講義終了
2002年の11月に最初に東京工芸大写真学科の学生を対象として講義を行い、2003年からは同大学の映像学科で年に1回(2003年のみ2回)の講義を10~12月のいずれかで実施してきた。
そして昨日、2008年度として「文化財的Archival教育」と題して約120名の学生を対象に講義を行った。
パソコン持参でまずYSPS研究所のタスクについて述べた後、今回の講義とYSPS研究所との関連を明確にした。
そして前日にまとめた最近のトピックスをプロジェクターで流した。
次いでOHPを使用して約100枚に及ぶ画像を提示し、デジタル時代のアナログ情報保存の重要性を語った。
90分授業を時間通り終了した後、受講した学生に提出物として2点求めた。
1.私が何を言いたかったか?
2.それに対する受講者個人のオリジナル見解を述べよ!
以上の提出物(約1ヶ月後に担当の先生から送付されてくる)は最近の学生の考え方を知る上で貴重な資料となるのでとても楽しみにしている。
最後に一人の男子学生が質問に来て、デジタル媒体(カメラ及び保存メディア共に)により作製した自分のオリジナル映像作品が価値があるでしょうかと尋ねた。
価値の有無に関しては主観・客観、種々の見方・考え方があるので、今は自分のオリジナルを自信を持ってディスプレイできれば良いのではと回答しておいた。
ただし、最後の保存手段はヒューマンリーダブルの形にしないと、講義で述べた文化財レベルの対象にならないことを再度述べておいた。
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20081018>>>YSPS研究所オール電化進行中
YSPS研究所としての今週の活動は、まず10/12(日)東京乃木坂であったFF時代の中央研究所同窓会であった。
詳細は10/13「なんアラ」ブログを参照願いたいが、YSPS研究所としての知名度アップ活動も並行して実施してきた。
そして今週のYSPS研究所としてのトピックスは、やはりオール電化進行中の話題であろうか?
本日の「なんアラ」ブログでも同様な話題を取り上げたいと思っているが、日本国内でもまだ10%程度らしいが、一般住居と自営業との並存でYSPS研究所を運営しているだけにこのエコ活動は無視できない。
しかし実際にエコキュート導入(9/30)後半月を過ぎただけなので事態の推移を慎重に見極めたいと思っている。
今週はその関連で、10/13には老朽化で脱水時の異様な騒音をかき立てていた洗濯機に替わって新規設備を導入した。
これも少しはエコ活動に貢献するかも知れない。
そして、エコキュート導入時の電気工事で気になっていた部分のチェックを10/15に終わり、やや不満が残るものの当面の懸念点は解消された。
現在毎日給湯器のお湯の使用料をチェックしているが、冬場に入りこちらも監視が大事になってくる。
以上今週のYSPS研究所情報はオール電化進行中の話題でした。
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20081025>>>遠藤科学フォーラム参加
今週のYSPS研究所としてのトピックスは10/22に「ワークピア横浜」で開催された遠藤科学60周年記念フォーラムに参加したことだ。
保存科学を冠に挙げて個人事業を2006年3月より継続してきて早や2年半が経過した。
主業務としてのコンサルタント&出版事業はいずれも順調に推移しているが、今回のフォーラム参加はYSPS研究所をアピールする絶好の機会であった。
FF時代からのお付き合いの人及び新たにこのフォーラムで知り合った人合計10名の方と名刺交換をした。
分野は文化財を意識した長期保存科学を解析する手段としての画像取得・化学分析・微量ガス分析機器の最近の動向把握が大きな目的であった。
オリンパス・スガ試験機の講演会もとてもためになった。
今後のYSPS研究所としてお付き合いを継続するために10名の方々にはお礼のメールと共に新規情報送付のお願いをしておいた。
添付画像は当日戴いた記念品の洒落たパネル型の温度計付アラームクロックであり、早速起床用に使わせてもらっている。
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20081102>>>画像保存セミナーとYSPS研究所
昨日は本来「YSPS研究所」ブログの更新日であったが、同時に月初めのまとめの日と重なり、そちらを優先したので定期更新は本日に順延した。
先週のYSPS研究所トピックスは何と言っても10/30&10/31、東京都写真美術館で開催された日本写真学会主催の画像保存セミナーである。
この画像保存研究会は丁度25年前にスタートして、私も当初から参画していた伝統の研究会である。
「保存科学」を冠に挙げているYSPS研究所としても最も重要視すべき会合である考えている。
今回は25周年記念特別企画セミナーとして従来1日のものを2日に拡大して米国よりIPIのライリーさんを招聘して貴重な一日半を過ごした。
主題の「画像保存の過去・現在・未来」に関しての議論は懇親会を含めていろいろ盛り上がったが、講演に対する質問や懇親会場での会談でYSPS研究所としての存在を充分アピール出来たと思っている。
今後名刺交換した相手とのメール交換を含めて人としての付き合いを深めて行きたいと思っている。
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20081108>>>YSPS研究所としての今週の動き
先週の「YSPS研究所ブログ」で10/30~31で実施された画像保存セミナーにおいて当研究所としてのアピールをしたことを述べたが、その後FF時代に面識があったKOさんから昨日正式なメールが届いた。
つまりYSPS研究所に対して、「保存科学」に関連するコンサルタントの要請である。
ただFF側の提示された2つの日程がいずれも塾講師の日とバッティングしていて、日程変更の要望メールをこのホテルから送信しておいた。
これで正式にFFとのコンサルタントの実施に向けて進行しそうだ。
もう一つのYSPS研究所としての今週の動きは、何と言っても現在来ている奈良での行動である。
昨日は午前中に生駒にある元興寺保存修復センターを訪問した。
当初お会い出来るはずであったFMさんはエジプト出張となり、代わりに以前(約10年前)マテリアルライフ学会で知り合ったNUさん副所長によって1時間強の親切な案内を願った。
文化財の保存・修復と言う観点では日本でのトップを行く自信と貫禄が肌で感じられた瞬間であった。
先日の画像保存セミナーで私を見かけたカメラマンの方も居られ、アナログ人脈ネットワークが着実に出来て上がっていることを実感した。
更に午後からは奈良県中央部香具山の麓にある奈良文化財研究所藤原発掘部のNIさんにも約1時間半詳細な案内を戴いた。
取り分け出土品の科学カメラマンとしての撮影を30年以上続けておられる日本での権威者NIさんは次々と御自慢の施設や撮影機材を御紹介戴きとても感激した。
今後のお仕事の成果が更に期待できる。
引き続き本日から11/10までYSPS研究所としての行動は来週記載したいと思う。
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20081115>>>「なんアラ」奈良講演会から体調不良の一週間
YSPS研究所として企画・立案・実施した「なんアラ」奈良講演会及びその前後での保存科学に関する施設・寺社仏閣の訪問・見学は予定通り無事終了して、11/10夕刻帰宅した。
YSPS研究所としてのいろんな方々との繋がりは更に深められたと信じている。
今後の「保存科学」を極めていくための行動に役立つ5日間だったと確信している。
この一週間では奈良からの帰宅前日に入江泰吉奈良市写真美術館を訪問し、KSさんに入江泰吉が撮影した仏像特集に関していろいろ解説を受けた。
「保存科学」の観点からは通常の見学からはおよそ見ることが出来ないアングルやライティングに注目して再認識するチャンスはとても貴重なものであった。
もう一つの今週の成果はFFからのコンサルタントに関して進展が有り、11/25に会談が決定した。
しかし実際この一週間は体調不良で意気が上がらないものとなった。
来週こそ力が入るブログとしたいものだ。
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20081122>>>体調回復の一週間
先週の「YSPS研究所」ブログは体調不良で、最悪状態であったことを述べたが、今週は何とか回復して健康維持のためのスポーツ(インディアカ)にも参加し、明日の松田町大会に参加できるまでに回復した。
さて今週のYSPS研究所としての成果は11/25にコンサルタントとしての業務が確定し、その詳細なスケジュールに関してメールでやり取りしたことである。
来週が楽しみとなった。
さて今週の体調回復に伴い、一気にインフルエンザ予防接種にまで手を伸ばした。
昨日FF健セで特例退職者健康保険として無料で接種を受けたのである。
左手の接種跡の痛みは少々残っているが、これが今冬シーズンの健康維持のために役立つと思えば何とも無くなる。
後はそろそろ近づいてきた花粉症の心配である。
YSPS研究所としての年度末決算の時期も近づき、いろいろ悩みは尽きない。
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20081129>>>コンサルタント業務復活
昨年度はYSPS研究所として、年に4~5回程度のコンサルタント業務を継続していたが、今年はそれも不況の煽りを食って中止となっていた。
そして今週11/25に別な形でコンサルタント業務が復活した。
守秘義務により詳細は記載できないが、YSPS研究所としては是非今後も継続して実施されることを期待したい。
昨日正式な契約書にサインして書類を返送しておいた。
いずれにしてもYSPS研究所が目指している「保存科学」に関連して人間の寿命を越えた数百年、数千年、更に数万年スケールで考えられるライフ予測方法に関していろいろ議論していきたいと思っている。
体調も回復して、平常状態に生活が戻りつつあり、年末を控えてYSPS研究所としての年賀状作成や青色申告決算・確定申告のための書類まとめでこれから忙しくなりそうだ。
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20081206>>>お袋退院・逝去・告別式までの1週間
この「YSPS研究所」ブログでもこの1週間の記載内容はお袋のことに終始することになる。
先週の土曜日お袋は3週間入院していた病院を仮退院する形で家に戻ってきて、3日間自分の力で3食の重湯・栄養剤を呑んでいたが、3日目の12/2朝急逝した。
まったくあっけなく88歳の天寿を全うした。
通夜・告別式も昨夜無事終了して現在床の間に設置した祭壇に戻ってきた。
来年1/18に予定の49日まで自宅で供養することになる。
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20081213>>>平常生活に戻りYSPS研究所活動2件
先週の「YSPS研究所」ブログで12/2にお袋が亡くなったことを述べた。
今週の初めで初七日法要も終わり、今週は徐々にYSPS研究所活動としても平常状態に戻りつつある。
まず12/10に小田原で開催された青色決算説明会に出席した。
今回のYSPS研究所としての青色申告で3回目となる。
大分慣れてきて、説明会でも内容に関して落ち着いて聞いていられた。
そして説明会終了後に個人面談を希望して、3つばかり質問をした。
その中で、小規模企業共済制度に加入することがかなりの税金対策になることが分かった。
早速銀行に行って聞いてみたがあまり利用している人が居なくて、結局小田原青色申告会に電話して連絡先(最近の官庁再編成でちょっと前の電話やURLが使えなくなっている。)を聞き出し、これから対応する予定である。
もう一つは12/11に、YSPS研究所として神奈川大・FO研究室での院生特別講義(参加者10名)を行ったことである。
「保存科学」を冠として掲げているYSPS研究所のコンサルタント業務の一環として、又「文化財的Archival教育」活動として、90分の講義はそれなりに楽しい時間となった。
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20081220>>>青色決算説明会からの勧めで小規模企業共済制度に加入
前回の「YSPS研究所」ブログで記載したが、12/10に小田原で実施された青色決算説明会で小規模企業共済制度に加入することを勧められた。
そして昨日少々面倒な書類を完成させて行きつけの銀行に小規模企業共済契約申込を提出してきた。
これで来年度からの確定申告(実際には再来年の3月申告)で、一年分の合計掛け金が全額所得控除されることになる。
と思っていたら、昨日銀行から返却されて貰ってきた書類を今朝見直してみると、何と事業団に提出されていると思っていた原本そのものが返却されていた。
銀行側の説明もなかったので、その場では気がつかなかったが、何ともお粗末な対応だ。
来週再度確認しておこう!!!
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20081227>>>YSPS研究所のタスクとデジタルアーカイヴ情報
YSPS研究所のタスクは何と言ってもPSが示す保存科学を極めていくことである。
その保存科学の一翼を担っているのが本日のタイトルのデジタルアーカイヴ情報である。
本日の日経朝刊の文化欄に「学術資料や映像記録:デジタル情報の長期保存に暗雲」というタイトルでアナログ情報がどんどんデジタル化されてきているが、その保存媒体の寿命が問題となっていて、更新コストも莫大で行き詰っているとの内容である。
YSPS研究所としてはこの種の問題は既に2000年度から取り上げていて、デジタル情報はあくまでも活用するためのツールであって長期保存のためにはアナログ媒体によってのみ実現できることを述べ続けてきた。
まず最初に提起したのは
「写真はどうして残すのか?」YS,日本写真学会誌,63(6),317(2000)で、
その一部を引用すると
・前略・
2.写真保存はデジタルかアナログか?
緒言でも述べたように、デジタル時代に突入した事で長年撮り続けてきた写真の保存が危ぶまれる状態にあることは確かである。ここでは「デジタル時代のアナログ保存」の観点から話を進めたい。但しデジタルとアナログの区別は厳密な捉え方でなく、ここではデジタルは人間の目には見えない0/1の情報と定義し、アナログは連続階調を持ち人間が目で見て判断できる画像情報と定義する。
3.デジタル・ツールのメリット・デメリット
3-1.アクセス・ツール(量・速度・レイアウト)として不可欠だが保存の不安
写真を含む種々の情報の扱いは現在・今後とも益々増え続け、その大容量とスピード化の要求に応えるためにはアクセス・ツールとしてデジタル手法を用いることは不可欠である。 一方上記デジタルのアクセス・ツールとしてのメリットをじっくり眺めると、そのメリットが保存という立場から見るとそっくりデメリットつまり不安材料と成ることが分かる。まず保存メディア関しては磁気メディア(フロッピーディスク他)、光磁気メディア(MO他)、光読み書きメディア(CD-R,CD-RW,DVD他)、各種フラッシュメモリが乱立して今後どのメディアがいつまで残るか保証が無い。ビデオテープからベータが無くなり、一般市場からオープンリールテープが消滅した様に・・。それに伴ってそれらのメディアを使用(アクセスして情報を取り出す)するハードドライブもいつまで残るか全く保証されてはいない。(一般電化製品と一緒で5年は保証されているが・・。)つまりメディア・ドライブともに5年以上の存続保証はされていないということである。
・中略1・
3-3.原理的に画像劣化は起こりにくいと言われている(神話的)が初歩的ミス及びシステムトラブルによるデータ消失不安は残る
さてこれは非常に大切なポイントであるが「アナログは劣化するがデジタルは原理的に劣化しない」というフレーズが一般に知られている。このフレーズはある意味では正しく、有機素材を中心としたアナログメディアは経時劣化を起こし、長期(もちろん10年100年を超えるオーダー)的には目で見て元とは異なる画像になることは明確である。これに対しデジタルメディアは確かに原理的には0/1の世界であるが故にアナログ的な劣化は起こらない。初歩的ミスで良く経験するのが保存するつもりがデータ消去してしまうケースやバックアップを取るつもりが元データを消去してしまうケースである。更に重要なのはドライブを含むハード側システムトラブルにより保存メディアがアクセス不可になるケースである。いずれもトラブルが起こった場合どうするかを常に考えながら操作をすることが肝要である。
・中略2・
4-1.ヒューマン・リーダブルの安心
まず古い考え方かも知れないが自分が取り出したい情報がそのメディアに間違いなく有るかどうかはあくまでも人間が見て判断することになる。従ってデジタルメディアでは必ずアクセス・ツールを使って人間が見えるつまりヒューマン・リーダブルな形で判断することになる。よって最初からアナログメディアだと安心していられる利点がある。ただそれを引き出してくるのに大変さは残るが・・。
・後略・
以上が8年前に報告した内容の一部であるが、その当時から訴えている「デジタル活用アナログ保存」は永久に生きていると考えている。