よし笛と仲間たち

よし笛音楽に興味のある人たちの情報交換と交流を深めるラウンジ。
よし笛のやさしい音色で、人びとの心に幸せを…

「ふるさと」をうたう

2015年03月18日 11時38分21秒 | よし笛トゥッティ

東日本大震災いらい、高野辰之(詞)・岡野貞一(曲)コンビの『故郷』ほど歌われ、演奏された曲はない。

      いつの日にか帰らん 水は清き故郷

そして、いま

新沼謙治さんが作詞・作曲した『ふるさとは今もかわらず』が、TVの歌謡番組で、少女合唱団らとよく歌われている。

あの大震災を忘れてはならないために。

     緑ゆたかなふるさと‥君もぼくも ここで生まれた 育った

     ああ、ふるさとは 今もかわらず‥

歌いだしのように「爽やかな~」歌。やさしく単純な旋律。だれでもすぐに口ずさめる。

ただ、復興の現状はとても「今もかわらず」とはいえない。

だが、心のふるさとだけは変わらない、と歌っている。

     この町であなたに出会えてよかった 

     力合わせて生きてきた~

さいごに

     ふるさと 未来へ続け 

と歌いあげている。

               

この曲を、さわやかに演奏してみたい。葦笛に合うように思う。

ただ葦笛の音域には限界があり、原曲のままでは演奏しづらい。

ハ長調に置き換えて採譜してみた。

採譜作業は難しく半日かかったが、手術前の不安な気分の転換にはなった。          

さっそく吹いてみた。

「いいねぇ、葦笛にぴったりよ」

たった一人のお客さんの感想である。

仲間たちと演奏することで、被災地へ心からエールを送りたい。


童謡『うれしいひなまつり』に思う

2015年03月01日 16時11分16秒 | よし笛トゥッティ

わが家の”3日間だけのひな祭り”は、きょう始まった。

ガラスケースに入った身長25センチほどの小さな木目込み人形。

        

362日間、納戸でお休みしていたが、今朝、お出ましいただいた。

「えっ? 男びなが話しかけてくれているようだ」 

女びなのように口元をゆるめて歯を見せている。

よくよく見ると、口紅の塗料が少しはげていた。

              

アラフィフの娘が生まれたときのお祝いだから、かなりの”年代物(?)”だ。
紀州・淡嶋神社の流し雛に‥の話もあったが「思い出に」と、とっておいた。

        ~ ★ ~

桜餅と菱餅を供えモモの花を飾って、老爺と老婆はにごり酒をいただいて「ひなまつり」をささやかに。

やっぱり口をついて出てくるのは

   ♪ 灯りをつけましょ ぼんぼりにィ ♪

サトウハチローは歌詞を書いておきながら、この曲はあまり聴きたくなかったそうだ。

妻との離婚で、さみしい思いをさせた2人の娘に買い与えた「ひな飾り」であった。

それでも、うきうきと飾りつけをする1番。

2番では官女に似た色白のお姉さんがお嫁にいっちゃった、と書いている。

実は、ハチローが小さいころかわいがってくれ、ピアノを教えてくれた姉は、結核のためお嫁に行くこともなく18歳で亡くなっている。2番は、そんな姉へのレクイエムとも読める。

3番では、お酒を飲んで赤ら顔は年寄りの左大臣なのに語呂あわせの都合で右大臣にしてしまった事への反省のある歌詞になっているので、好きじゃなかったみたい。

ハチローが歌いあげたかったのは4番。

  「着物を着かえて 帯しめて

   きょうはわたしも晴れ姿

   春の弥生の このよき日

   なによりうれしい ひなまつり」

うれしいはずなのに、ハ短調の旋律がさみしい童謡ではある。

ぼくは、イントロが好きだ。鼓のリズムとお琴の旋律が品よく聞こえるし、心が弾むから。

        ~ ★ ~

葦笛の演奏会などでは歌詞がつかないので、単調なメロディーの繰り返しになり聴く人に飽きられるのではないかとの思いから3番までで、あとはカットすることもしばしば。

『琵琶湖周航の歌』でも、6番まであるのに3番で終える。

作詞した小口太郎は、6番のフレーズ

    「‥‥黄金の波に いざ漕がん

        語れ わが友 熱き心」

を歌ってほしかったはずだ。

葦笛を演奏会するとき「みなさんごいっしょに」と誘っておきながら、3番で吹き終えるのは、失礼な話。 

             

『うれしいひなまつり』を、テテント テン テ テ と前奏を口楽器で演奏し、4番まで歌った。

老爺老婆のうれしい「ひなまつり初日」だった。