東日本大震災いらい、高野辰之(詞)・岡野貞一(曲)コンビの『故郷』ほど歌われ、演奏された曲はない。
いつの日にか帰らん 水は清き故郷
そして、いま
新沼謙治さんが作詞・作曲した『ふるさとは今もかわらず』が、TVの歌謡番組で、少女合唱団らとよく歌われている。
あの大震災を忘れてはならないために。
緑ゆたかなふるさと‥君もぼくも ここで生まれた 育った
ああ、ふるさとは 今もかわらず‥
歌いだしのように「爽やかな~」歌。やさしく単純な旋律。だれでもすぐに口ずさめる。
ただ、復興の現状はとても「今もかわらず」とはいえない。
だが、心のふるさとだけは変わらない、と歌っている。
この町であなたに出会えてよかった
力合わせて生きてきた~
さいごに
ふるさと 未来へ続け
と歌いあげている。
この曲を、さわやかに演奏してみたい。葦笛に合うように思う。
ただ葦笛の音域には限界があり、原曲のままでは演奏しづらい。
ハ長調に置き換えて採譜してみた。
採譜作業は難しく半日かかったが、手術前の不安な気分の転換にはなった。
さっそく吹いてみた。
「いいねぇ、葦笛にぴったりよ」
たった一人のお客さんの感想である。
仲間たちと演奏することで、被災地へ心からエールを送りたい。