「治療可能ながん16種に拡大、山形大・重粒子センター県外からの受け入れ拡大目指す」2022年10月11日:河北新報オンライン
●陽子線と重粒子線の違いについて
切らずに癌を治療する、また放射線より治療効果が高く、身体への負担や副作用が軽い画期的な治療法として注目を集めている粒子線治療(陽子線と重粒子線)・・・ですがそういえば2つの治療法にはどんな違いがあるのでしょうか?
<陽子線治療とは?>
水素粒子を加速させて使う治療法、放射線治療と比べると腫瘍をピンポイントでくり抜くように集中して照射ができるため正常な臓器への影響が少なくて済む。
<重粒子線治療とは?>
炭素粒子を加速させて使う治療法、陽子線に比べると3~4倍ぐらい大きい。そのためがん細胞に与えるダメージも大きいが正常細胞に与えるダメージも大きくなってしまう。骨部南部腫瘍と骨肉腫などには非常に効果的、陽子線より適用範囲は狭い。
<違いについて>
同じ物理線量で比べた場合、生物実験での治療効果は陽子線の場合、X線と比較してわずかに強い程度(約1.1倍)ですが重粒子線では約3倍強いという報告がされている。重粒子線は特に従来の放射線治療が効きにくい性質の癌に対して強い治療効果を発揮している。
<粒子線治療の注意点>
臓器に穴があくなどの命にかかわる重篤な副作用が起きる可能性があるため。胃癌や大腸癌など消化器の治療には不向きである。令和元年に先進医療として認可されたものの、指定された疾患を除き保険適用外となるため費用が高額となる。目安の費用は1回の治療に約300万円、別途、診察・検査・投薬・入院費用などがかかる。
【重粒子線治療と陽子線治療】国立がん研究センター東病院粒子線医学開発分野長秋本哲夫さんのインタビュー記事/ドクターサロン58巻6月号より※詳細は下記リンクのPDFファイルよりご確認下さい。
https://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/useful/doctorsalon/upload_docs/140658-1-23.pdf
<横山専務のコメント>
改めて違いを調べてみるとわかったのは
陽子線治療とは放射線とほぼ同等の治療効果があるが、精密照射ができるので副作用が少なくて済む。
重粒子線治療とは陽子線よりも高い治療効果が見込めるがその分の副作用が大きくなる。
という解釈で概ね間違っていないと思います。
「チコちゃんに叱られる」・・・ではないですけど、知ってるようで理解はしていない・・・てこと結構ありますよね。
新しい治療が出てくる情報は嬉しい限りですが、費用を計算すると保険の重要性を改めて感じます。
興味のある方の参考になれば幸いです。