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エコプロダクツ 2015

2015-12-15 23:35:16 | 科学技術・科コミ
 毎年の定点観測として、近年はこのイベントが最後になることが多い。
 ただ、去年やりたくて出来なかった定点観測以上のことを、今年初めてどうにか達成した。
 何が?という話は後述することにして、振り返っておこう。

 この 10 年以上にわたり、年に何度か来る機会のあるお台場地区。その一角にある東京ビッグサイトで、毎年 12 月中旬に開催される、環境に関する総合見本市、エコプロダクツ。今年も 12/10(木)~12/12(土)の3日間にわたり、東京ビッグサイトの東会場全域を用いて開催された。
 もう 2008 年から毎年、この時期にはビッグサイトでこの見本市を見るのが年中行事になっている。それゆえ、イベントの型式にも慣れ、出展者の顔触れや出展内容にも....大小の変遷はあるが...見慣れた感が強い。改めて何か新しいものを学び、仕入れて帰ることは、以前よりは少なくなった。ただ、定点観測を続けていて、見えてくるものもある。

 出展者の顔触れは、多岐に渡る。対自然環境負荷低減や環境保全に関するビジネス、自然エネルギーやバイオマスの研究開発、天然素材使用製品の紹介や販売、自然環境を身近にするライフスタイルや観光の提案、及びそれらに関連する NPO、NGO、市民団体、大学や教育機関の取り組みの紹介など。昨年から出展者区分別のゾーン構成がわかりやすくなり(ゾーン構成それ自体は以前からあったが)、NPO・NGO コーナー(3ヶ所)、大学・教育機関コーナー(2ヶ所)、ビジネスソリューションとエネルギーのゾーン、各企業の体験型ブース群、地方自治体ゾーン、森林エコライフゾーンなど、およそどこに行けば何があるかが、地図無しでも大体分かる(地図があれば更によく分かる)ようになった。
 主催者公式サイトがこちらにある。

 出展者の顔触れの変遷で今回大きいと思えるものが2つ。1つは中高生向け教育産業の実験体験型ブースが消えたこと。もう1つは食文化としての和食の魅力や意義、内容を伝えるブース郡の出現である。
 各企業の出展では、体験型ワークショップやブース内巡回型クイズラリーを実施している場合が多いが、その中に過去何年かは小中学生を対象にした受験教育産業の企業群が含まれており、平日開催にも関わらず小中学生でごった返していたことがあった。今は見られないが、受験産業以外でも、ソニーの公開実験教室が小学生以下の子ども達で行列が出来るほど大人気だったのも、今は昔。今なお、小中高大の学生さんたちは会場に多く見られ、小中学生が団体で来場してブースめぐりをしたり、中学や高校、大学で普段の活動成果や研究成果を発表していたりする事例は普通に多い。何度も述べているが、これは主催者が各地の教育委員会に営業して、都道府県や市区町村の年次計画に入れてもらっていることが大きい。
 テーマとしての食は、各企業群のブースでも多く扱われ、食品衛生管理の手法やシステム、農業技術や食品加工、いわゆる有機農法作物や天然素材を用いた食品や料理など、出展題材として多く扱われてきた。中には、倫理的観点から肉食や畜産などに反対する市民運動の出展もあるが(2011 年には、肉食反対運動のブースのすぐ近くに岩手や宮城、福島などの畜産業を応援するブースがあったりもした)、食の一語でくくれる多様な題材が存在することを毎年見ていて感じる。思えば、食文化としての和食は、手の込んだものであっても、素材の持ち味を充分に活かした調理をすることが多く、食材の由来や素材の持ち味などから環境保全技術や自然環境を考える営みへの親和性が高いように思える。

 過年何度か問題視してきた、一部の企業ブースによる強引な勧誘やホスピタリティ欠如は、去年くらいからあまり見られなくなった。各企業の CSR や広報担当者の方法論の熟練も含めて、一般来場者を迎え入れる体制や姿勢なども、だいぶ自然体になってきたのかも知れない。

 さて、今回初めての試みとして、去年1社だけ個人的に実施した TISF(東京国際科学フェスティバル)の参加勧誘を、実行委員会副委員長の筆者と、実行委員長とで網羅的に実施した(本当は3~4人程度で行きたかったが)。といっても、普通に一般来場者として2人で入場し、普通にブース観覧をして、「このテーマや素材は面白そうだ」「この出展者さんだと話しやすそうだ」と思えた方々に、TISF のおよその理念と来歴、内容を紹介して、書類一式を渡し、担当の方のお話を伺うことの繰り返し。これの実現まで、結局事実上3年越しになってしまったが、興味を持って頂けた出展者さんはそれなりに多く、年始から年度末までのどこかの時期で、出来れば2次的なアプローチを取りたいところ。

 2008~2010 年頃の、見る度に衝撃を受け続けてきたような新しい何かは、最近はすっかり少なくなった。とはいえ、多くの常連出展者による賑やかさの演出や、毎年見ていても飽きさせない展示内容のデザイン変遷などは、改めて見返してみると、粗の目立つ事例もあるとは言え、広告代理店や自社のプロの実力、乃至は長年の経験蓄積がものを云うのだろうが、よく練られたものが多い。運営側も、よくぞこれだけ毎年のように、出展者の多様性を維持し続けていると思う。テーマ設定や場作りの巧さもあるのだろうが、出展者満足度向上の取組も注力していると思われ、そのノウハウの蓄積も年々厚みを増しているのだろう。

 毎年の「定点観測」の中には、ただの様子見+αになっているものも少なからずあるが、エコプロはまだまだ自分にとって、何かの積み増しを作ってくれそうである。きっと、来年も年中行事の〆の2つになると思う。ただ、来年の自分の立ち位置は、どうなっているかなぁ...。

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