8年前の九州遠征では前の日に出水市の鶴の里に泊り、翌日川内市のカラフトワシを撮影してから八代市の球磨川河口のオオズグロカモメを撮影する予定でした。ところが川内市のカラフトワシのポイントに到着すると濃霧の為1メートル先も見えずにそのまま待機して霧の晴れるのを待つことになりました。カラフトワシの撮影で2時間ほどの時間のロスをしてしまい八代のオオズグロカモメのポイントに着いた頃には潮がだいぶ満ちてきていて、既に干潟が狭まりその狭い干潟に他のカモメたちがところ狭しと居ました。中には頸に頭を突っ込んで寝ているものもいて、その中から1羽だけのオオズグロカモメを探すのは至難の業でした。偶然に居会わせた先着の2名の女性バーダーさんに探してもらいプロミナで確認することが出来、同時にカメラで撮影すべくファンダーで追いかえるも既にその姿は視界から消えていました。プロミナで見た時には既に干潟が潮に埋もれかかっていて他のカモメ達が沖に向かって飛び出し始めていてオオズグロも飛び去ってしまったのでしょう。最後の1羽をむなしく見送りその日のズグロカモメの撮影は終了です。なんとも後味の悪い後悔の残る撮影でしたが唯一プロミナで確認できたことが慰めでした。そんな8年前の苦い記憶がありましたが、今回のオズグロカモメは朝一で訪ねたポイントでいとも間単に見つける事が出来、前回同様上げ潮で干潟が狭まってゆく中での撮影でしたが、まだまだかなりの干潟を残した状態でしたので、ゆっくりと撮影することが出来ました。最後に潮が満ちてきて沖合いに飛び去るのを期に撮影を終えました。川内市に毎年飛来していたカラフトワシは今年で途絶えてしまったそうだし、近いうちにこのオオズグロカモメも同じような運命をたどりそうなので、その前になんとか撮影出来たことは嬉しい限りでした。