用と美のブログ

デザインと使い勝手について書いていきます。

リモコンのボタン数について

2019-06-12 11:33:13 | 日記

デザイナーの多くがが勘違いしていることに、リモコンのボタン数と使いやすさの関係があります。
UI向けのユーザビリティの本に下記のように書かれているのも見かけます。

・NET系のリモコンのボタンは数が少なく、見た目もシンプル。アイコン表示は直感的。画面の示す通りに進んだら誰でも操作しやすい。
・テレビ系のリモコンのボタン数は数が多く複雑。一般的に熟練したユーザーにはボタン数が多く階層が少ないために使いやすいとい。

今まで、私が何十回とユーザー評価をしてきた経験から言うと、これは典型的な一部デザイナーの思い込みです。
シンプルなボタンは、初めてのユーザーは手掛かりがないために最初から固まってしまいます。
何とか操作し始めても、階層が3以上増えるとその中で迷子になってしまいます。
特に、複数の目的で選択する矢印系のボタンはその典型です。
逆に、ボタンが多く日本語で名称が説明されているテレビ系リモコンは、ボタンの名前でやりたい操作を探すため、かなりの高齢者でも操作ができます。
つまり、ボタン数の多いリモコンほど、ITリテラシーの高い低いにかかわらず使いやすいといえます。
デザイナーとして、シンプルな美しいリモコンには憧れますが、事実は異なります。
今後超高齢社会に入るとともに、ボタン数の多いNET系リモコンも登場すると思います。
今の形はITリテラシーの高い人に特化したユーザー絞り込み戦略の段階かと。
ある意味で、右端の機能も絞り込んだ高齢者向け簡単リモコンのようなターゲット戦略の一つと言えるかもしれません。

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