父のコレクション

三連休のなか日、実家へ散髪をしに行った。ギャラリーは特に宣伝もしていないが、母の友人らが時折訪れてくるらしい。
父は、サンルームがお気に入りで、窓から見える景色を黙って眺めている。そんな父だが、昔取った杵柄とでもいうのか、銀行員だった父は、昔は株取引や不動産取引が好きで、私が子供の頃よく新聞の株価情報ページを見ていたのを記憶している。さて、今日ふとしたことから父が昔収集していたコインや古銭や紙幣が出てきた。







それがコインブックにキレイに整理されていた。ずっと黙っていた父が身を乗り出して手に取り、懐かしそうに見ている目は輝いているように感じた。デイサービスでも介護士さんから父は、お金の話になると別人のように生き生きするという話を聞いた。何年か前に脳梗塞で倒れた際も、夜うなされたように部下を怒鳴りつけたり、その取引はダメだと突然声を張り上げたこともあった。父は仕事が生きがいの人であったからなあと、なんとなく納得して帰ってきた。