つくづく、雄ちゃんは並大抵な男ではないと思っていましたが、トレッキングを通してその凄まじさを実感することとなりました。
ナムチェは、標高3500mに位置するエベレストの麓にある村でした。
ここを拠点に、人々はエベレストベースキャンプや、いろんなヒマラヤの山の麓まで更なるトレッキングを続けていきます。
当然、私としては9日も山を歩き続けてきたので、ナムチェをゴールとして、エベレストBCに向かう雄ちゃんが戻ってくるのを待ち続けることにしていました。
予定としては、7日か8日。ベースキャンプに行って戻ってくるための標準的な日数です。
本来であれば、ナムチェに到着した時点で高所適応の為、2日ほど休息してから出発しますが、ヤクステーキを食べてエンジン全開な雄ちゃんは、到着した次の日から早々とエベレスト目指して歩き出しました。
その間、ひたすら待ってる私。
これが、なかなか大変で・・・。
というのも、ナムチェはさすがに物資に関しては、飛行機やヘリを利用している分充実した大きな村でしたが、とにかく物価が高い!
カトマンズの3から4倍はくだりません!
しかも、ネットの料金は10倍以上だったので、30分するだけでも、異常な料金を取られてしまうのです。
食べ物も飲み物も高いし、ネットはできない・・・。
山は美しくきれいですが、これが拝めるのも朝の5時から9時過ぎころまでです。
ほんとにやることがなくて退屈で、お金はかかるは・・・。どうなっとんじゃ!!ってなものでした。
だから毎日、ほぼゲストハウスに籠もっては音楽を聴いて、昼過ぎに外出しながら、日本人がいないかどうか探しに行くような生活で、ほとんど眠った状態が続くのです。
ひたすら毎日、地図を目の前にしては、雄ちゃんが今どこにいるか想像しながらグータラしてました。
そんな日が続く4日目。。
いつものように、宿のおばあちゃんの朝ごはんを頂いて、午前中の昼寝?をしていました。。
もうウトウトして来たなぁ・・と思ったら、ドアをたたく音が・・。
??????
物価が高いので、食費も抑えて食べないようにしていたので、おばあちゃんが昼飯のオーダーでも催促してきたのかな?なんて思ったので、
無視しちゃえ!
でも、またしても扉を叩いてくるのです。
めんどくさいなーと思いつつも、返事をして寝ぼけ眼でドアを開けると、
そこに雄ちゃんがいました!!!!!!
一瞬、訳がわからず、理解することさえできない状態でした。
でも、頭を回転させてよぎったのは、高山病です。
まさかの途中下山では・・・!!!
「雄ちゃん!?エベレストBC行かれんかったん!???」
「違うわ、行ってきたわ!」
まさかの4日でBCからの生還!
高所適応もすることなく、3日で登って、たったの1日でナムチェまで下山してきたのです!!!
荷物をもつポーターも雇わず、ガイドもなしに一人で行って、何人もの欧米人を抜きまくっては、挙句にベースキャンプまで半ズボンで登ったというではありませんか!?
もう、話を聞くだけで驚き呆れる展開ですが、当の本人は満面の笑みを浮かべて話を続けていました。
「俺、天才だもん!」
やー、もぅほんとにバカとしか言いようがありません。
でも、そんな雄ちゃんが面白すぎて笑えます。