大和魂

漫画家市東亮子のさまざまな垂れ流し

久しぶりの・・・

2007-09-22 04:31:54 | その他
お能を観に行きました。
本当に久しぶりです。
念願の「阿漕」でした。
でも、あれほどに念願だったのに、途中少々睡魔に襲われました。
敗因はふたつ。

その一・
開場は一時間前で、開場時間よりやや早めに着いたのですが、気がつけば腹ぺこ。
会場内に設置されている食堂でいきなり松花堂弁当を食ってしまいました。
だってさー、カレーとかはちょっと・・・。
これからお能(しかも「阿漕」よ)観ようって時にカレーはちょっと・・・。
おそばとかも・・・。基本それほどお蕎麦に萌えないし。
サンドイッチ・・・。う~~ん、もうちょっと水分欲しい感じ。云々。
などと考えていたらお弁当になってしまった。
お腹をふくらませると危険ですよね。ああいうのって。
ソレはわかっていたんですが、一時間もあるから大丈夫かな、そもそも狂言の方が先にやるだろうし、と思って。

その二・
私の席は上手寄りだったんですが、ちょうど演者が正面に来てしゃがんだりしてとどまる部分が斜め前のおにいさんというかおじさんというか(多分年齢的にはおじさんであろうけどおそらくアタシよりは年下)のデカアタマがかぶっていて全く見えなくなってしまって居たこと。
ただでさえ動かないのがお能。
「まだ動かない、まだ動かない」とジリジリしていると気配もなくいつの間にか立っていたり向きが変わっていたりするのがお能。
その緊張感が全く味わえなくなってしまうとこうも集中できなくなるモノかと思ったダスよ。

まあ、そんなわけで。
でも、本当はそれだけではなく。
私は観能は好きだけど、所詮素人で演者の力とかは全くわからないけど。
だから単に好みの問題に過ぎないのですが。
そういう意味で、私にとって今日の阿漕はちょっと淡泊だったナー。
私の期待していた、観たかった阿漕はもっと重暗くて苦悩して居る感じ、業に苦しむ人間の悲しい浅ましさが迫ってくる感じを受け取りたかったんですよ。
そういう感じではなかった。
すごい淡泊だったわー。
勿論、同じ曲でも演者によって色合いとか景色とかの表現テーマが全然違うので、今日のは多分私の求めていたモノとは違う表現だったというだけなのでしょうけども。

そもそも何故に私がこれほど「阿漕」を観たがっているかというと、それはずいぶん前に、まだそんなに沢山能自体を観た事がなかった頃、番組中盤の仕舞で観たの。
そのときの仕舞にガツンとやられたのね。
仕舞は面も装束も着けずただの紋付き袴で扇のみ、しかも囃子もないのに。スゴイ説得力だった。
そのときの演者がすごかったのか、真っ暗な夜の海の水底で揺れる亡者の魂魄やら、重い水底のうねりみたいなモノが伝わってきたような気がして、そのときにいつかこの曲を全部観たい!と思ったのよね。
最初にその仕舞で観たときにはどういうお話かもよく知らなかったんだけど、後で調べてみたら「阿漕」は実にテーマ自体も好きだった。
「コレは悪である、イケナイ想いなのだ」とわかっていても、その衝動や情念が起こる事を自分自身の力では止められない・・・止められない自分を責めるけれど、どうしてもわき上がるモノ・・・そういう「業」を人間は持っていて、それに苦しむものなんだと、そういう原罪観のあるお話で。

で、「阿漕」をフルコーラス観るのはコレで二度目。
以前に観たのは喜多流だったんだけど、どうもそのときも私の理想とは違っていて。
一番最初に観ちゃった仕舞が与えてくれた衝撃と同等のモノを求めてしまうからなんだと思うけど。
でも、これからも機会があったら理想の「阿漕」を求めて足を運んでみようと思いました。

久しぶりにお能観たら、ブリが付いてもっと観たくなっちゃった。
また少し余裕と機会が出来たら行くようにしたいな~と思います。
私の中の究極のお能は「弱法師」なんで、「弱法師」はもう何度も観ているのですが、演者が違うと本当に見える景色が違うの。
一番最初に観たときには本当に満開の梅が、匂い立つあたり一面の花曇りの夜陰と、舞い散る花びらが見えたような感じで、梅の匂いさえもしているような気がして「うわぁーーー」と思ったのよね。
別の人のを観たときには花よりも月光が印象的でしたなー。
シンとした厳しい静けさの中の動きも音も無い張り詰めた景色の中で我が身の哀しさにうちふるえてもの狂う儚げな俊徳丸を照らす月光のヒンヤリ感が伝わって来て、そして俊徳はそのとき梅の匂いと月光の冷たさは肌に感じているけど、梅の花の姿や月光そのものは見えていないんだなというのが胸に迫る感じでした。
同じ「弱法師」という曲でも演者によって全然ちがうんだーっと感動したものでした。

あ、そうそう、夕べの阿漕は体の小さい少しやせ気味の人だったので、それはグーでした。
痩せ男の面からふくよかな顔の輪郭が思いっきりはみ出しているような、そんな阿漕はイヤ。

さて、本日は来客。

心機一転

2007-09-11 16:23:09 | 仕事
アニキ!長男誕生おめでとうーッ!
やっぱりアニキのようにデカイ赤ちゃんだったのでしょうか?
意外に普通サイズなのでしょうか?この狭い国では普通サイズに超したことはありませんが(笑)
何にせよ、小さな分身を得たことで、アナタの歌声に今まで以上の暖かみと包容力が増すであろう事は想像に難くありません。
そうなったあとの二人の音楽が本当に楽しみです!!!
ありがとう、アニキの奥さん。お幸せに~~~♪
しかし、第一子誕生のニュースがi.chで流れるくらいにビッグになったんですなー。
う~~ん、なんだか何とも言えない気持ちですわ。

一昨日、父の3回忌が終わりました。
集まってくれるメンバーもなにげに減りました。
みんな年寄りだから、この時期がくがくッと夏の疲れが出てきちゃって。次々と倒れていく有様ですよ。
一番おとうさんと仲の良かったテッチャンももう立ち座りが危なっかしいのよ。
今回も雲行きは怪しかったのに、やはり父の法事の間はお天気が保って、流石だなーと言っていました。
未だに晴れ男の神通力健在です。
法事の宴会が終わったあとあたりから微妙に小雨がぱらついたりしてきましたけど。
それでも出席者がお家に帰り着くくらいまでは何ということもなく。
ちょうどその日ウチのイナカでは『伊勢エビ祭り』というイベントがあって沢山の人出がありました。
ウチの父の神通力のおかげであの人達もなんとか雨に見舞われずに済んでヨカッタね。

で、昨日は千葉のイナカから時空のゆがみを超えて東京は飯田橋の出版社に出向きました。
特急を使ってチョットした旅行気分でした。
しかし!昔は御宿に停まらない特急なんて無かったのに、今はなんと言うこと!
11:00~13:00までという一番肝心な時間帯に大原停まりしかないなんて!
てなわけで、大原からの特急に乗ったんですね。
千葉には時空のゆがみがあるとはいえ、さすがに特急を使えば少しその影響を免れることを知りました。
大原から東京までほぼ一時間でいけました。良い時代になったモノよ。ふぅ・・・。
まあ、帰りはちょうど一宮終着しか無くてアレでしたが。

この時期に出版社に出向いたのは以前からちょっと気になっていた原付のお仕事についてのご相談事で。
まあ、何事もひとりで悩むよりは言ってみるモンね~ということで、相談したのが正解という展開といってもいいのでしょうか。
自分的に、相談に望んだタイミングもベストだったかなあ~と思えてはいます。
何だか会って話したみたら向こうも私から話してくれてヨカッタっぽかったように感じました。
そう、よくよく考えてみたら私ももうかなりのベテランになってきているので、向こうから切り出しにくいこともあるんでしょうね。
そう言う意味でも今回のことは非常に勉強になりました。
昨日の飯田橋行きの成果としては、来年の上半期分はほぼ決定したと言っても良い感じでしょうか。
予定がサクサクと埋まっていくことは非常に嬉しいことです。
今はまだ不確定要素も含まれるのでハッキリとは言えませんが、いずれお知らせできると思います。
P誌やG舎との関係性は現時点で非常に良好です。
それに比べB誌との信頼関係が微妙なのが今後の活動にどのように関わってくるか、ですが。
取りあえず、現時点ではB誌との取引は凍結、と言うことでしょうか。
これによって、また例の作品の続きは・・とかご心配をかけるムキもあるかと思いますが、どうかご心配なさいませんように。
私の長年の経験から言って、ほぼ一定周期で人事異動などによりデスクは刷新するモノなので。
最近は無駄に働きかけるよりは環境の変化を静観する方が得策だと思っております。

何はともあれ、連載終了から先日の90ページを乗り越えたあとに私自身の気がかりは、ひとつまたひとつ、と取り除かれていっている感じです。
今はもう既に新作に取りかかっております。
気持ちを新たに頑張りますので今後ともどうぞよろしくお願いします。

ヨボヨボ・・・

2007-09-05 23:14:04 | 仕事
お久しぶりです。暑いですねぇ~。
何とか今回も無事にUP。

またも修羅場明けに20時間も寝てしまいましたよ。
いっぺんにではないのですけども。
まず、12時間くらい寝て、もそもそ起き出してネコをいじってネットつないで・・・。
ちょこっとトーストとわかめスープなど食したのち、また眠くなって横になったらそこから8時間くらい。
一日24時間のウチ4時間くらいしか起きていないって・・・既に人間としてドーよッという感じです。

今回の修羅場はちょっとしたアクシデントがあり、カルク焦りましたわ。
かなり大ラスに近い時に、激烈な腹痛に襲われてどうにもこうにもならず、しばし横になりました。
まあ、月よりの使者が来てしまったんですけども。
修羅場に来る事は今までも無かったわけではないのですが、もともとあまり生理痛は酷くはない方なのでやり過ごせておりました。
で、コーヒーは刺激物なので生理中はあまり摂取しない方が良いのですが、今回は何しろ90ページもあったので、
どうしても眠気覚ましにガバガバ飲んでしまって居たんですね。
なおかつ最近は極力NODOZを飲まないようにしていたので、その代わりにプロポリスをちょっと多めに飲んだりしていたんですよ。
どうもね。このコーヒーとプロポリスが充血中の腹の中で自己主張バトルを繰り広げたのかなんなのか、それを飲んで暫くしてから下腹部に激痛が!
エアコンで腰が冷えていたのも良くなかったのだと思うんで、とりあえず腰にホカロン貼って暫く横になりました。
修羅場で胃が痛いのはいつものことなのでソレは自分にとってたいしたことではないのですが、下腹部の激痛って結構大変なんだなあと、
生理痛の酷い漫画家さんのところにアシに行った事も有りましたけども、やっぱりあんまりに辛いときには少し横になりに行ってらっしゃって。
いやぁ~、毎月あんなに大変なのかと思うと本当にお気の毒ですね。

今回は前半が結構作画的に大変で、それに比べると後半はいくぶん楽だったんですヨ。
それでもやっぱり90ページというのはかなりの重みだったようで、終わってみたら自覚していた以上にヘトヘトでした。
今もだいぶ腰痛がしていて、立ち座りの際にはお年寄りのように時間がかかります。
そろそろこのペースはきついのかも知れません。

明日からまたイナカの方に参ります。ちょっと早めだけど三回忌ということで。
今回は向こうで次の話のネームもやってみようと思っております。
今回はちょこっと長めに帰郷しているのですが、途中一度イナカの方から飯田橋まで出て編集さんと話し合いをする予定。
とりあえず、行ってきまぁ~~~す!