小森陽子のブログ

ジャズピアニスト小森陽子の徒然日記

調律でこんなに違うんだ~

2010-12-14 01:36:28 | Weblog
 先日の日記に書いた調律の大城さんの工房におじゃましてきました。

 前の日に電話したら
「うちさー、ピアノ屋だからいろんなピアノがあるのね。
いつも自分が調律するピアノは弾きやすいと思うんだけど。。。音の切れもいいと思うのね。
 
 明日工房に来るときに、アップライトだけど、一台わざと弾きにくく調整しておくから弾いてみてね。勉強になると思うよ」って。
  



 んんん???

 わざと弾きにくくしておくって?




 
 翌日6時半に起きて、糸島の大城さんの工房までドライブ。

 7年ぶりくらいの大城さんの工房は、あたたかーい雰囲気が漂っていてとてもいい感じ。
大城さんのこだわりとピアノへの愛がつまってます。


 例のピアノたち。
 同じヤマハのU1が2台並んでいて、一台はいつもの大城さんの調律。もう一台は「ありがちなピアノ」



 まず大城さんから鍵盤のどこの位置で音が切れるのか、ペダルはどこまで戻すと音が切れるのかを教えていただく。


 ほほほー。違うもんです。



 同じフレーズを弾いても、

 「大城さんのいつものピアノ」は軽く弾くだけで、フレーズがまとまる。
小さな音もきれいに出るからダイナミクスがはっきりつけられる。丸い音。


 「ありがちなピアノ」は細かい指の動きに鍵盤が付いてこないので、速いフレーズが弾きにくい。
 
一見大きな音が出るし調律はしてあるので、ピアノの鳴りはいいかなと思うけど、キンキンしている。あるある、こういうピアノ!悪くはないんだけど)


 他のピアノもゆーっくりたっぷり弾かせていただきました。
 
 どれもメーカーのピアノの音、というよりはっきり特色のある大城さんの音なんです。



 ピアノの状態をここまで変えられるってすごいですよね、調律って!!!
 というか大城さんすごい!!!
 
 




 
 うちの親戚の家がこちらの工房のすぐ近くで、行く前にちょろっとことづけものに寄ったら。。。

 調律師さんとこに行くというと、

 「そしたら大城ピアノさんに調教ば習いに行くとね?」と叔父。

 「ピアノの調教もできたら仕事が増えて良かろうね」と叔母。

 
  ピアノの調教!っていうと、ピアノが誰も弾いてないのに勝手に演奏を始めたり、お手とかできたり、気づいてない間にジャンプできるようになったりしてそうですよね。
 
 なんか朝起きるとピアノが一回り大きくなってたりしてね(笑)