1951年に署名し1952年に発効したサンフランシスコ講和条約(以降:サ条約)で、日本の解釈では、国後、択捉も含まれる千島列島を放棄しました。但し、サ条約締結国に対しての「権利、権原及び請求権を放棄」であって、サ条約に調印していないロシア(当時のソ連)は対象外です。
1955年からの日ソ交渉で、日本は「2島返還」で妥結しようと考えていましたが、サ条約締結国であるアメリカから「国後・択捉は千島列島に含まれていない。」との判断が下され「4島返還」に変更しました。
この経過から、「日本は条約を無視して主張を変えた」と非難する人がいますが、条約に調印した国から「日本の解釈は間違っている」と言われた場合、日本はこれを無視する事は出来ません。サ条約調印国に対して放棄した樺太を含む北方領土を、ソ連が占拠したと、アメリカは主張しています。
それでも、樺太と千島列島は1945年に米英ソ3国首脳が秘密裏に結んだヤルタ協定では、ソ連に対して「樺太は返還、千島列島は引き渡す。」と書かれている事から、秘密協定とは言っても、ソ連にとっては正当な行為と言えます。しかし、アメリカは正式に批准していないので、単なる大統領の個人的なメモに過ぎないと主張していて、いわばトランプ大統領のツイッターの様なモノです。
但し、この両方の条約と協定に関わったアメリカが「千島列島には国後・択捉は含まない。」と判断しているので、日本はこれに従わざるを得ません。
日本が被占領中に、独自に判断した「千島列島には国後・択捉も含まれる。」が、占領国の意に反して有効だとすると、どんな条約も独自の判断で無効宣言する事が可能になり、現在に於ける韓国の「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約(日韓基本条約)」の条約やぶりも正当化されます。
この条約やぶりは有り得ないと言うのが世界の常識で、日本は「4島返還」をロシアに要求する義務が有ると言えます。
小平次です
とてもすっきりしました
ありがとうございました