リフレ政策の基本概念: 「不況下での遊休資本を活用するため、金融政策や財政政策を通じて有効需要を創出することで景気の回復をはかり、デフレから脱却し目標インフレ率(2%程度)を達成する。」
具体的には、インフレターゲットの設定と無期限の長期国債買いオペレーションです。
遊休資本には公共財や民間設備の他に、失業者も含むので、2%のインフレ目標以外は達成している様に見えます。戦後最低の失業率と最長の景気拡大期間などです。
しかし、最近20年間の「政府支出の増加率」や「経済成長率」を見ると日本は先進国中では最低です。もしかすると「世界最低」かも知れません。
「リフレ政策」の欠陥は「基礎的財政収支均衡政策(PB)の容認」にあります。財政均衡とは、極端な例では税収の範囲内で政府支出をすると云う事ですが、不足分を(償却可能・用途限定)国債で賄う事も含まれます。
政府は「PB」と「リフレ政策」を同時に行っているので、財政拡大の為には「税収増」が必須になります。これを理由に「消費税増税」の正当性を主張していますが、自明的な誤りです。
現在の「失業率の低下」は低賃金労働者の増加を意味し、「消費税増税」は可処分所得の減額を意味します。これは、社会保障費の増加を予言し、この為だけに政府支出の増加を強制するので、経済成長を抑え「税収減」を招きます。最近20年間の「ゼロ成長付近」での長期成長は、これが原因です。
MMTの基本概念: 「自立している各国政府は、任意の自国通貨建て国債等の発行により財政支出量を調整することで、望ましいインフレレベルを目指す経済政策を、税収に制約される事なく行える。」
「リフレ政策」の欠陥である「税収制約説」を否定したのが「MMT」なので、「MMT」と「リフレ派」の概念はこれを除けば基本的に同じと言えます。
税金は「経済のスタビライザー」として働き、保健は「社会の安定化」に役立ちます。
消費税に反応し、景気や物価を制御できる事は「実験済み」なので、インフレ目標(2%)を達成したら適宜消費税増税をする事で、インフレ率の調整が可能と言えます。
社会保障に「消費税」を充てる事は、利益相反になる事もあって世界にも例は無く、保険システムを基本にし不足分を税金で補てんするのが本筋です。
「リフレ派」は、「税収」は経済成長する事で増やすことが出来ると常識的な事を言ってるだけで、これを為すには「金融緩和」と「財政支出」が必要としています。しかし、デフレ下では「金融緩和」が無効である事は明らかで、「財政政策」も「税収制約」で打つことが出来ません。
「MMT」では、「税収」は経済成長率の「従属変数」と考え、低成長期には減税になり、高度成長期には増税になる事を「望ましいインフレレベルを目指す経済政策を、税収に制約される事なく行える。」と表現していて、「税金」は主体的な政策ではなく、単なる「環境変数」に過ぎなく、「スタビライザー」や「所得の再分配」等の客観的で従属的な役割が有ると主張しています。

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