オメガねこ

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「岩」 と 「島」

2020年10月30日 | 国際情勢
 海洋法条約での「島」の定義と「岩」の取り扱いは、

 国連海洋法条約第121条
第1項:島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるものをいう。
第3項:人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできない岩は、排他的経済水域又は大陸棚を有しない。

と、されています。ここで注意が必要なのは、「岩」の定義が無い事です。第3項では「・・・生活を維持することのできない岩・・・」と書かれているので、「生活を維持できる岩」が有る事を暗示しています。その為に日本は「沖ノ鳥島(岩)」の周辺を補強し、自然に「島(岩)」が大きくなるようにサンゴの「自然増殖事業」を始め、少なくとも温暖化による海面上昇に抗っています。これは「居住出来ない岩」であっても
「領海と接続水域」は有しているからです。

 生物であるサンゴや鳥の糞が、どのくらいの年月で「岩」の一部になるのかは判りませんが、サンゴ礁や鳥の糞の化石(リン鉱石)で出来た島が実存するので、正しい判断だと思います。「沖ノ鳥岩」が日本の領土である事は世界が認めているので、「第3項」で言う排他的経済水域と大陸棚は有していなくても、領海と接続水域を有してているので、その領域内に人口設備を構築する事は適法と言えます。そこに、渡り鳥の休憩場を作り糞をして貰えば「糞も積もれば山となる」ことで、岩が自然に拡大します。

 南シナ海にも同じような「岩」が有り、そこでは領有権紛争が有るので一概には言えないのですが、「岩」の保護は合法です。しかし、岩の周辺を埋め立てて人工島を造成しても「領海」は拡大する事は無く排他的経済水域が新しく誕生する訳でもありません。

 南シナ海のリーフ(礁)に関して、2016年7月12日にハーグ仲裁裁判所が下した領海と排他的経済水域(EEZ)の判断では、

オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が南シナ海を巡る中国の主張や活動についてフィリピンが行った15の申し立てに関して下した判断の中では、南シナ海の南沙諸島に存在するリーフ(礁)を例に取り上げ、それらすべての高潮時地物(high-tide features)は、法的には排他的経済水域または大陸棚を発生させない「岩」であるとした。

と、されています。

 中共は、南シナ海の他国領サンゴ礁で大規模埋め立てによって軍事施設を造成していますが、その重量で地盤沈下を招いているそうです。つまり、元々のサンゴ礁で出来た「岩」は海面下に沈んだ可能性が有り、既に「岩」ではなく「海底」に成った可能性が有ると云う事です。そうすると、そのサンゴ礁は誰の領土でもなくなり「人工島」を撤去する義務が生じます。

 若しも、足掛かりである「岩」を失っても、「人工島」を撤去する義務が生じないと中共が主張するのなら、現に岩である「沖ノ鳥岩」は護岸工事部分も含めて正式に「沖ノ鳥島」であって、排他的経済水域と大陸棚を有する事を中共も認める事になりますが、例の如く中国公船は「沖ノ鳥島」周辺で海底調査を日本に無断で行っています。

 中国の言う「国際法」とは、中華思想の事です。天命が下った「天子」とは、地球上でただ一人の「中原」を支配する中華皇帝を指し、皇帝の意志は天の意志である事を意味します。現在の「中原」は北京周辺であると、皇帝は信じているようです。

 「沖ノ鳥島」が排他的な日本固有の島で有る為には、天命によって「中華皇帝」を北京から排除する必要があります。




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