「陰謀」 と 「陰謀論」

　【いつか陰謀論にハマりかけた自分に警鐘を鳴らすための予備知識】を書いた陰謀論者がいるようで、「陰謀論」に嵌まると次のようなメリットが有るそうです。

その1【自分は選ばれし特別な存在だと感じてウットリすることができる】
その2【政治や社会や自分が置かれている状況への不満を埋め合わせられる】
その3【SNSで同じ側の人たちから大量の「いいね」や賛同がもらえる】
その4【よくわからない問題に対しても常に明快な回答を与えてもらえる】
その5【「マスコミが報じない真実」を自分は知っていると優越感を抱ける】
その6【「真実」を広めることで“正義の戦士”になれた実感を得られる】
その7【刺激的な情報に触れて毎日を興奮した気持ちで送ることができる】

　但し、この陰謀論者がその「メリット」を享受してウットリしているかどうかは判りません。

　正しい解釈での「陰謀論」は、通説（上記）とは違い、表面的な「陰謀（仮説的陰謀）」そのものを示すのでは無く、「陰謀Ａ」の反証の為に「陰謀￢Ａ」を主張することで、「陰謀論」が生まれる事を意味します。元々の「陰謀」が其処に有るのではなく、「陰謀論」は「陰謀」を隠す為の謀略と言えます。つまり、「陰謀論」があるところに、それとは別の「陰謀」が隠されている可能性を暗示します。

　例えば「日米安保」は何時でも解消（1年の猶予期間後）でき、明文化もされているので、表面上は日米両国が合意の上に締結した単なる条約でしかありません。そこで、日米安保に対する「陰謀論」ですが、

陰謀Ａ　；米国の陰謀により、日本を属国化する為に日米安保がある。
陰謀￢Ａ；日本の陰謀により、日本の軍事費削減の為に日米安保がある。

で、「Ａ」は少し前まではサヨクが好んで利用した説ですが、米国を利する陰謀と言えます。「￢Ａ」は日本の経済発展を推進するために米国の軍事力を利用し、日本を利する陰謀と言えなくも有りません

　トランプ大統領が「日本は自国を守る為に、自力で軍事力を整備すべきであり、安保のただ乗りは許されない」と言った事から「Ａ」と「￢Ａ」は同時に否定され、「陰謀論」は消滅しましたが「日米安保」は残っています。

　つまりこの事象は、「日米安保の陰謀」を「陰謀論」で見えなくしていた事を示しています。

　「日米安保の陰謀」をここで書くと「陰謀」では無くなるので書きませんが、米国民主党が主導した「日本国憲法と日米安保とは一対」であり、切り離せない事だけは確かのようです。

　また、日本国憲法や日米安保を改正（或いは廃棄）するには、米国が共和党政権である事が必須です。