goo blog サービス終了のお知らせ 

aquamarine lab

アートネタなど日々のあれこれ

贅沢な希望

2008-03-30 11:10:05 | 言葉
毎月、月末近くになると、その月に溜め込んだ新聞を片付けたり、切り抜きの整理をしたりします。
今日も朝からその作業をしていたのですが、やはりこの記事のことを書き残しておきたくなったので・・・
ノンフィクション作家、柳原和子さんの訃報記事です。(3/21 朝日夕)
柳原和子さんは、自ら卵管がんを患い、がん患者自身の視点から発言し、また作品を発表されてきた方です。
柳原さんの「がん患者学」何度か書店で手に取ってはいるのですが、内容が非常に重いものであるだけに、実際に買う勇気はまだ出ていないのですが・・・
3月2日に亡くなられたということですが、2月初めの最後の文章としてこのような言葉が記事で紹介されていました。
「あぁ。木に出会いたい。海に出会いたい。光を浴びたい。自然を取り戻したい。贅沢な希望」
今頃、透明な風になって、「贅沢な希望」を叶えておられるのでしょうか・・・


伝えたいこと

2008-03-05 20:07:45 | 言葉
今日にになってきのうの夕刊を読んでいたら、音楽評論家の吉田秀和氏のこんな言葉が載っていました。
「音楽も同じで自分が感動を覚えた何かがどこかにある。それをはっきりさせるのが言葉」(2008/3/4朝日夕)
こんなささやかなブログでさえ、音楽を言葉で伝えることの難しさというのはひしひしと感じます。音楽だけでなく、美術や映像といったことでも同じかもしれませんが。とにかく「何か」をつかまえようとすればするほど、「何か」はするすると逃げていってしまう・・・流れていく水をつかまえようとするようなものです。
それなら、なぜその「何か」を言葉にしようとするのか・・・その「何か」を自分に刻みこむため、そして誰かに伝えるためなんでしょうか・・・
私は音楽を聴くときは、ほとんどひとりです。コンサートも大ていひとりでいきます。以前はひとりで聴いてひとり完結してそれでOK、と思ってましたが、だんだん年を取ってくるにつれ(笑)、見ず知らずの人に「ねえ、この音楽を聴いてどう思いました?』なんて聴いてみたくなるようになりました。ありがたいことにネットがそれを可能にしてくれました。コンサートのあと、他の人の感想を読むのは楽しいです。たとえそれが「眠かった」なんていうのであっても(笑)。

この音楽を創った人、演奏した人は何を伝えたかったのか(伝えたいことなんてないよ?というのもそれを伝えたいのだと思ってます)。聴いた人はそれを聴いて何を感じたのか。
音楽と言葉、伝えたいこと・・・そんなことに思いを馳せたのでした。