@シネマート六本木
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感想:★★★★
異論は承知で言い切ってしまおう。
「the EYE」で一躍名を上げたパン兄弟は天才だ。
天才が故に「the EYE 2」「同 3」みたいなトンデモなくヘンテコリンな映画も
作ってしまうんだけど、今回は凄いね。
これまた異論を承知で言ってしまうと、ホラーやエロ映画って、それぞれ怖い要素、
エッチな要素さえクリアしていれば、後は監督のやりたいことをやれる、
自由度の高いジャンルなんだよね。
だからその利点を活かして思う存分暴れてくれる作品を私は推したい。
例えば、過去の名作をリメイクしただけで、
なんら新しい機軸を提示できない「守り」のホラーは正直に言って
存在価値が薄いと思うんだよね。
その点でもこの作品は素晴らしく突き抜けていて優秀だと思うな。
さて、僕たちは生まれてから今までの人生の中で、色々なモノを捨ててきた。
実際に、飽きて要らなくなってしまったオモチャなどもそうだし、
どうにもうまく行かなくなってしまった恋人も、
将来、成りたかったモノの夢なども、捨ててきた事だろう。
パソコンの「ゴミ箱」にドラッグする様に捨ててきたそれらの物事は
どんどん蓄積されて行く。
ありとあらゆる局面で選択し、切り捨ててきた可能性の集積、それがゴミ箱だ。
ではそのゴミ箱を開いて、【全ての項目を元に戻す】を実行してみるとどうなるだろう?
そこに、「もう1人の自分」が立ち上がるかもしれない。
いつにも増してヘンな感想だけど、多分この映画の本質はここにあるんじゃなかろうか
と思うんだよね。
一応、ジャンル分けするなら「ホラー」としか言い様がないし、
実際、私がこの映画を形容するにしても、
「腐ったドリアンの汁で描いた隠々滅々としたネバー・エンディング・ストーリー」
とでも言いたいシロモノだ。
でも、もんのスゲエ美しいよ。
毀れたモノの美しさが判る人には是非お奨めしたい。
あの「腐れた街」の風景に圧倒された。
しかも深い所で人間を描いているしね。
素晴らしいっす。
ホラー映画をバカにしてしまう人にこそ観て欲しいな。
目からウロコが5~6枚もボロボロ落ちるから。
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