TaizanのWhite Mountain

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奥長倉避難小屋点検

2020-12-06 | 白山情報

5(土)は荒れた天候となり、しかり場から先は平均してひざ下のラッセルとなった。空は真っ暗、轟々と不気味に唸る空と吹雪が峰を越える時に加速する風は、時折台風並みであった。これからは本格的な積雪期を迎えるので雨戸や玄関ドアがきちんと閉じられているか気がかりで点検に出掛けた。前回の最終退出者のお蔭で小屋は全く問題無かった。しかも内部はこれまで見た中で最も良く整理整頓され、清掃も完璧だった。今年は他の避難小屋で満杯のゴミ袋が投げ捨てられていたりして心を痛めていたが、今日の奥長倉避難小屋の状況で全ては救われた。この厳しい時期に北部に足を踏み入れる岳人こそ真のアルピニストだろう。そうに違いない。北欧では小屋を出る前は丁寧に掃除をして行くのが当然である。空港や駅など公共の場所では次の人のため僅かな時間ならドアを開いて待ってくれる。2007年初めて北極圏の深夜の空港に降り立った時の驚きだった。こんな真摯な気質が山小屋での行動にも表れるのだろう。コロナ新時代、僅かな心遣いの連鎖で感染も防げるのではないだろうか?

しかり場を過ぎた辺りまでは、遠く三方岩左奥に薬師岳が見えていたが、この後天候は急変し空は不気味な唸り声を響かせ、瞬くうちに視界が無く吹雪に見舞われる。

下山中に奇跡的に一瞬晴れて四塚まで見渡す事が出来たが、この後もまた吹雪の空に逆戻り。終日雪は降り続いた。

ご褒美の一瞬。


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