TaizanのWhite Mountain

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小桜平避難小屋物語

2021-08-29 | 白山情報

小桜平は北部白山の中でも独特の雰囲気を持つ地帯で、天空は広く開けて星空観察には最適、小屋の中から腰を起こせばご来光が拝める。何とも贅沢な避難小屋がたたずんでいる。

この避難小屋も建て替えられてから11年の歳月が経った。

私が北部白山に関わり始めた頃、この避難小屋は窓は壊れて崩れ落ちボロボロで泊まっていても薄気味悪い感じだった。それを平成19年(2007)に仮補修してもらい、秋には有志でペンキ塗りした。屋根に上ってトタンも赤く塗装し直した。

そして遂に平成22年には旧避難小屋の隣に新築されて現在に至っている。

工事期間中、大工さんにせっせと星山ホルモンを運び、いろいろ使い勝手が良いように細かい細工をしていただいた。その一つがちゃぶ台である。これが有るのと無いのでは食事の時の快適さが大違い。外には旧避難小屋の廃材を利用して立派なテーブルやベンチを作っていただいた。天空の広い小桜平で食事をするには最高の野外レストランである。その他、水が湧き出している源を探し、大工さんにツルハシを借りて岩を起こし掘り下げて、現在の水場となっている。秋の渇水期には涸れることも有るが基本的にはかすかに湧き出しており、冷たければ溜まり水では無い証拠。虫が浮かんでいても底の方から汲み上げれば大丈夫で有る。ひしゃくは小屋の内部に青いプラスチック製の物を備え付けてある。

小桜平は年々乾燥化が進行しているが平成19年当時、登山道が湿地の中を通っており、踏圧で排水路になり乾燥化に拍車を掛けていた。旧避難小屋の廃材をもらって下段まで担いで下ろして木道にしたり、木の板を当ててそれ以上排水が進まないよう土留めをしたので何とか今の姿が保たれている。

この天空の楽園を訪れる方々みんなでこの自然を受け継いで行ってもらいたい。

小桜平上の分岐点から下が楽々新道。七倉辻から始まる岩間道は今年開通101年目である。

 



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2 コメント

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大汝峰のマーキング (Unknown)
2021-09-10 17:39:20
乾様
一昨年は楽々新道を、本年は加賀禅定道を歩くことができました。素晴らしかったです。ありがとうございます。奥長倉避難小屋も綺麗に修理され、若い男性が今日はここに泊まると嬉しそうに言っていました。
先日大汝峰に登りました時、赤ペンキが大分薄くなり、コースを外れてしまう人が続出していました。
あちこちに踏み跡ができていて、自然保護上よろしくないと思われます。また、間違ったルートで下山し、危険な斜面に出るのもよくないです。
こういった光景を見るたび、薄れたペンキの上に上書きしたくなる衝動に駆られますが、これはダメです。
いろいろ愚考しましたが、今度室堂に寄りました際、乾様宛に赤スプレーをお言付けしまして、必要なマーキングを乾様か室堂スタッフにしていただくことは可能でしょうか。
よろしくお願いいたします
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Unknown (泰山)
2021-09-12 09:08:35
大汝のペイントは確かに薄く、ガスが立ち込めた時にもルートを外れないようにするには必要最小限のマーキングは必要だと思います。この他、弥陀ヶ原の木道段差に茶色のペイントをしています。これらは、これまで夏期に「サブレンジャー」(学生研修活動)により、実施して来ました。サブレンジャー活動は繁忙期の白山全体の美化清掃およびマナー向上を目的として、環境省、石川県、白山市(旧白峰村)、白山観光協会が活動費を出資してこれまで40年以上続けて来た大切な活動です。しかし、昨年と今年はコロナで実施されず、細部において白山山頂部の管理が手薄になって来たかと感じています。今後は、貴兄のような意識の高い方々がこのサブレンジャー活動に参加できる仕組みを作りたいと思います。白山サミットも再会させたいので、ぜひご一緒に公の場で意見をとりまとめて関係機関に提言して参りましょう!
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