長いタイトルですが、この通りです。
トップ画像には最近、自作イラストを試験的に入れていってます。
EUは気候変動と生物多様性と経済のグリーンディールの内枠の一つである生物多様性戦略2030で、30億本の木を植えようとしています。
これは気候変動に対する森林の炭素貯蔵量を上げることと、微気候に調整するためです。
いつかの記事にも書きましたが、森林は基本の吸収源です。
EUでは、30億本の木を植えるアプリがあって、自分の植えた木が地図上で現れるようになっています。
2030年までに、EUで30憶本を植える予定ですが、今まで1000万本ぐらい植えられたようです。
その地にふさわしい種類を植えられるよう、ガイドラインなども用意されておりました。
今から遡ること10年ぐらい前、この前駆として国連の10憶本の木を植えるイニシアティブがありました。
これは目標値を大きく超えて、合計70億本の木が植えらえたそうです。中国などが大量に植え、こうした到達点までいけたようです。
この後継が、一兆本の木を植えようというイニシアティブ(One Trillion Trees Initiative)
「1t.org」
で、ある程度の国ならどこでも、何億本の木を植えると宣言しており、今、国や企業、NGO、個人らも植えている真っ盛りなのです
アフリカではグリーンウォール(グリーンベルト、緑の壁)。
中国は700憶本の木を植えます。これもグリーンウォール、緑の長城と言われています。
世界各国、数百万本もあれば、一億本、10憶本、30億本、100憶本などと、いろいろ言い出しています。
あの遺伝子組み換え作物大豆とトウモロコシのアメリカも、国自体がやるというより、州政府、企業の参加がやっていて、今、誓約のHPを見たら、植える宣言は500憶本ぐらいになってました。
この誓約のアジア版を見ると、日本企業は、ネスレが2億本を誓約しています。デルモンテは250万本。
なぜ一兆本の木を植えるのかというと、これにより、過去人間が排出した10年分が吸収される試算があるから、です。
これで、今まで数億本まで植えられたようです。
これで、1,5度の壁を遅らせることが出来るかもしれないのでしょう。超えたら北極の氷が夏に全部溶ける、1,5度と2度では大きく差が出ると言われています。
これに対して、日本は1億本の木を植えるとのことです。今のところ何も情報もありません。
世界がこれほど木を植えている最中、日本はまだこれからです。
岸田政権は、木を皆伐して放置しているというニュースはありました。
ただ、自然再生や生物多様性のことを考えると、木を植えるってのは難しいものです。
EU
EUの植樹のガイドラインでは、原生林など希少なエリア、自然地帯は避ける、湿地を埋め立ててまで植えない、泉や沢などは保全、エリアの分析、土壌の考慮、在来種の適切な種を選ぶ、苗木は地域産、キノコあっての森まで、「適切な場所に適切な木を植える」ことを推奨し、緑の遺産として、考察すべきことが書かれております。
このEUだけのものではなく、これは専門書がいくらでも書けそうな話です。
たとえば、私の近所のセメント三面張り小川の河畔林を植樹しようとしますと、・・・
その川がどのような川岸であったか、どのような石が転がって、どのような河畔林であったかまで、考えないと、単に好きな木を買って来て植えるでは、外来種を一本植えただけになります。
そこにもしかしたら、砂利原、ワンドがあった、湿地があったかもしれなかったら、単に河畔林を作ったら、その砂利原、ワンドや湿地を潰したままとなります。
おそらく、林業の森を削って、広葉樹などの木を植える(生物多様性戦略2030より)、そういうまた木材用の木を植えるのだろうと思います。
おそらくこれが一番簡単な方法でしょう。しかしこれも、大量に植えたらまた、また心配な気がしています。
(アフリカも燃料用、中国も木材用らしく、これも何かしらナラ枯れ、マツ枯れ、花粉症の何かにならないか心配ではあります)
こういう、どう木を植えるかは、これは複雑な問題なので、こんなネット環境しかないネットユーザーでは難しい話ですので、これはまた徐々にやって行こうと思っています。今後の記事でもそれなりに出て来ますので、またまとめたり、書いていきたいと思います。
とりあえず、日本でも、東京都環境局の植栽時における在来種選定ガイドラインがあったので、こちらに。
東京都環境局公式サイト HPより
他は探してみましたが、埼玉県と沖縄県はありましたが他は、あまりありませんでした。
在来種を植えるとき、遺伝子攪乱や混乱も心配ですし、本来の自然や生態系が壊れたりするのも心配です。
あらかじめの計画やガイドラインがあって、その地点、地点、どうやっていくかの専門家の指示書があったほうが良いと思いますね。
遠賀川の生態系ネットワークの取り組みでは、明治期以前の自然を指標としており、どこにタブノキが生えていたか、どこにヨシが生えていたか、どこにサルやサンショウウオがいたかなど、一帯の昔の植生の地図を作っており、そこへ近づけていくという案が考えられています。
EUの30億本の木は、実際、どういう運営をしているのか、詳細までは分かりませんでしたが、適切な場に適切な木を植えることは目的ですから、おそらくよく考えてられて植えていると思います。
まずは、世界各国として1兆本の木を植えていくところだということ。(それにより、都市は緑化傾向ですが、小池さんは開発ばかり?)
日本はまだ、これから取り掛かるのですが、木を植えることは自然や生態系、生物多様性にも関わることなので、われわれにも注意して見ていかねばならないと思います。