ダブル介護の憂鬱

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孫効果?

2024-06-18 21:10:20 | 日記
昨日に続き、今日も老健☆☆へ。
かたくなに散髪を拒む母に、髪を切ってもらうため。
落ち武者のようなざんばら髪は、ちょっとすごみもあるゾ。
何とかせねば。
「ご家族のお力でぜひ。」
と施設の人は言うけれど、私の力は及びませぬ。
ということで、新しいカードとして次女を投入。
ふんわりした雰囲気の次女は母のお気に入りです。(孫と言っても、成人して社会人で、大きな孫なんですけどね。)
「Kちゃん(次女の名前)が来ると、お花が咲いたようにパッと明るくなるわね!」といつも言っている。
ちなみに私のことは
「あの人、怖いでしょ。」
と夫に言っているらしい。
そーかいそーかい。それも結構。どうせ、私はキツイですよー。
次女が一緒に来ることは秘密。

施設に到着し、二人でエレベーターに乗り、3階に到着すると・・・。
昨日と同様、エレベーター前の椅子にちょこんと正座した母がいる。
もしかして、ここ、母の定位置?

次女を見ても別に驚くふうでもなく。
「何しに来たの?」
「今日は、カットの立ち合い」
「いやよ」
「そろえてもらうだけでもいいじゃない。」
「いや」

ああ、これはやっぱり手ごわいな。ところが
すたすたと歩き出す母。
「あんた、どこ行くの?」
これは、同じく隣の椅子に座っていたおばあさん。(ただし正座ではない)
もしかして、母の隣の椅子、このおばあさんの定位置?
「あ、美容室ね」なぜか私が答える。
「こっちでやっていますから」というスタッフさんの後に続く母。
あれ? いいの?
さあさあどうぞと言われるがままに椅子に座らされ、なんかだまし討ちみたいで申し訳ないなと、ちょっとだけ思った。

母「もう、なんだっていいわよ!!」
どんな髪型にしますか?と聞かれても
「何だっていいわ!」と言うので
普通に短くしてもらいました。
「はい、終わりましたよ」
と声をかけられても明らか機嫌の悪い表情。
まずい・・・

部屋に帰る道すがら、若い男性の介護士さんに
「かわいくなったじゃない(#^^#)」と言われ、まんざらでもない様子。
あ、そうなのか?

自分の部屋の前で
次女に「私の部屋を見て行って」と手招き。
「へ~~~、素敵なお部屋だねえ!!!」
と次女に言われ、これまたまんざらでもない様子。
実際、この施設は、小さな山(丘陵)のふもとの森に囲まれ、ちょっといい感じのロケーションなのですよね。
「休暇村みたいだねえ」と次女。
母は、こういうこぎれいなところ好きだから、この施設は母に合っているのかも。なんだかんだ言って、なじんでいるように見えなくもないな。

かたくなだった母が髪を切る気になったのはなぜか?
ひとえに次女のお陰かなと思っています。
孫の前では、我儘なふるまいはできないんじゃない?

施設を後にしながら、いろいろ考えてしまいました。
施設で母は、厄介がられているのではないかなと思っていたんですけれど、なじんでいる面もあって、
「嫌だ嫌だ」と言いつつも、イケメンな介護士さんもいて、きれいなお部屋で。
物事は一面ではないのだなと思いました。


母上様、なぜ、髪を切らないのですか?

2024-06-17 20:54:58 | 日記
久しぶりに母に会いに老健☆☆へ。
これまでの面会は、すべて玄関先。
今回初めて、生活フロアに入りました。
へえー、こういうところだったのか!
明るく清潔、広々とした空間でありました。
エレベーター前の椅子にちょこんと正座している母。
「あ、お母さん。お久しぶり。なんで正座してるの?」
「しーー! あのね、濡れてるの。」
「それは着替えてこないと。」
「いいの」
「よくないって」
通りかかった介護士さんに「お着替えが必要みたいです」と伝えると
母「何でもありません」
介護士さんがちょっとうんざりした顔をしたのを、私は見てしまった。
ああ、いつもこんな感じなのかな?

着替えが済んで、ようやく面会スタート。
ピピピ! これはタイマーの音。

「今日は何しに来たの?」
と言うので(さっきのことがあったせいか、ややツンケンしてる)
「会いに来たのよ」
母「要件は?」
私「あー・・・ あのー そうそうお父さんが元気にしてるかって心配してるよ。携帯が通じないし。」
母「お父さんはね、電話、だめなのよ。握りしめてるだけで出られないの。」
私「お父さんは、出られなくても、着信履歴を見て必ずかけ直してくれるよ。(これ本当) そもそもお母さんの電話にかからないんだってば。充電できてないの。」
母「そんなことないわよ。かけてごらんなさい。」

それなら話が早いね。私のスマホから母の携帯に電話して「この電話は、電源が切れているか、電波が届かない・・・」というメッセージを聞かせる。

母「私の携帯は、どこ?」
私「さあ・・・?」
母「家に置いてきたんじゃない?」
私「いや、持ってきたよ。お母さん、ここから私に電話してきたもの。」
母「あなた、持って帰ったでしょう?」
私「いやいや、持って帰ってないよ。」
母「ほら、紫の手提げ袋、渡したでしょ? あの中に入っていたのよ。」
私「いや、空っぽだったよ。」
「いや」とか「いやいや」とか連発してるな、私。

母「他に要件は?」ツンケン口調加速化
私「髪の毛を切ってほしいんだよね。」
母「それは嫌。」
私「明日も来るから。」
母「なんで?」
私「お母さんが髪の毛をカットしてもらうのを見届けるために。」
母「そうやって、裏で勝手に手配して! 歯医者さんも」

わわ、ここで歯医者さんの件が出た!

母「入歯は、ここでは作らないわよ。R歯科で作ることになってるから」
老健には、歯医者さんが来てくれています。
大動脈瘤の手術を受けるにあたり、虫歯の治療が必須だったので、先月急遽、応急処置を済ませたのは以前のブログに書いた通り。R歯科は、母の長年のかかりつけなんですよね。それでも自宅にいる時、入歯を作りに行こうとしなかったのですが、手術のためということでやっと・・・(結局、手術はしないことになったけどね。虫歯が治せたのはよかったよ。)

私「いやいや、約束はしてないから。」
母「いーえ、私、約束しました。」
私「いやいや」
受付で会計済ませたとき、「次回の予約は」と聞かれて断ったもんね。
私「R歯科にはね、ここに入所していると罹れないの。」
母「そんなことないわよ。車ですーっと行ってね、エレベーターで上まで上がれるのよ。」
私「まあ、エレベーターはあるけれども、今はここから外出できないんだってば」
母「そんなことないわよ。車でスーッと行ってね。エレベーターで上まで上がれるの」
あれ、なんか、おんなじこと言ってるよ! コントか?
私「だれの車で行くの?」
母「ここ(☆☆)の車に決まってるじゃない」
いやいや、車を出したのは私の夫です。しかも、歯医者に行くために前日と当日、自宅(実家)に泊まってますから。大変だったなあ(しみじみ)

私「ふーん・・・そうなんだ。まあ、入歯は急いで作らなくていいよ。お口のお掃除だけは、してもらっておいてください。でもって、髪の毛は切ってくださいね。」
母「なんで?」
私「からまったりしたら危ないでしょ?」
母「危なくなんかないわよ。それに、あの髪を切る人、いやな人なのよ。」

出た、母の「嫌な人」発言。
2月にいたショートステイ先でも出張美容師さんをキャンセルしてた。「嫌な人だったから」という理由で。

私「切ってほしいと頼まれてるし」
母「誰に?」
私「ここの人に」
母「ここの誰?」(なんでこんなにけんか腰なのか??)
私「スタッフさんたちよ。」

退室する時に母の担当の相談員さんに
「明日、出張美容室に立ち合いますけど、自信ないです。今も、きっぱり断られました」
と言ったら
「そこを何とか頑張ってください」
と言われました。
何とかって、何を何すればいいのか??

補足説明しておくと
母、2年以上、髪を切っていません。詳しくはこれも以前のブログ記事「認知症のラプンツェル」に書いています。
背中までのざんばら髪で、見た目が不潔そうだし、実際、髪を洗ったり乾かしたりの介助がとても大変なので、切ってほしいと言われています。
出張美容室、かたくなに断られているので立ち会ってほしいと。
今日は出張美容室の前日で、その足慣らし的な意味もあって、面会の場を持ったのですが・・・。

帰り際、母の携帯が部屋にあったことがわかりました。
「充電が切れてますね」というスタッフさんに
「充電して」
と、いとも素っ気なく丸投げしていた母でした。
あああ・・・。それよくないよ。

在宅で一緒にいる時よりも
ファインティングモードになっているように見えた母でした。
隙を見せちゃいけないとか、自分のことは自分でやれるのにほっといて、とか
そんな感じ。
一見シャキーンとしてるのだけど、あの感じでは「面倒な人」ってことで敬遠されたりして。

母上様、なぜ、髪を切らないのですか?


父の日

2024-06-16 22:34:15 | 日記
今日は父の日なので、午前中に電話をしました。

父は、電話を取るのは難しいけれど、不在着信を見て、しばらくするとかけ直してくれます。

午後、電話がありました。
「父の日だから電話したよ。何もできなくてごめんね。」
せめて面会に行けたらと思うのだけど、面会は平日だけだし。

「そうだな。父の日だな」
今日の父は元気そうでした。

リハビリをがんばっている
食事は残さず食べると決めている
ポータブルトイレの練習をしている

前向きな報告が多くて嬉しかったです。

老健Bの話をしました。
「お母さんと同じ老健☆☆は、空いてなくて難しいの。病院の裏の老健なら何とかなりそう。」
「老健Bだな」
お、お父さん、冴えてる!
「そうそう、老健B。どうかなあ?」
「いいよ。嬉しい報告だなあ。」

父は、自分のこの先がどうなるか不確定なのがとても不安なんだなと思います。
☆☆には、それほどのこだわりはないのかも。

私「今度、面会に行くから、その時ちゃんと説明するね。」
父「いつ来るんだ?」
私「水曜日」
父「そうか、覚えておこう」
私「明日、お母さんに面会に行きけど、何か伝えることある?」
父「元気でやっているか、聞いてくれ」

母は、携帯の電源を切っているみたいで(充電できないんのかな?)、電話が通じないんですよね。
認知症、進んじゃったかな?
ここのところ、何となく、母と距離を置いてしまっていて。
4月、5月と怒涛のようなスケジュールを母とこなした反動。
明日はちゃんと会ってこなければ。
父の気持ちも伝えなくては。

来年の父の日も、今日のように、父と会話できる日でありますように。



老健探し 雑多な感想

2024-06-15 21:23:30 | 日記
本日は老健Bへ。父の退院後の場所探しとして。

老健Bは、父が入院している病院に併設で、渡り廊下で繋がっています。
母が入所している老健☆☆は、多床室の空きがなく、空くのは半年以上先の見込み、あるいはもっと先、ずっと空かないかもしれない とか。

老健Bの相談員のKさんと面談。

病院の相談員Tさんの話だと、
当初、老健Bは全く空きは期待できないとのことだったが
昨日の電話だと、個室なら確約はできないが何とかなるかも、とのこと。
そして今日
個室はむしろ空きなしで
多床室で用意できるかもしれないとのこと。
しかも、かなり積極的に都合をつけてもらえそう。
ありがたや。

こういうのは、実際に会ってみないと、わからないものなのだろうか?
(ということは、老健☆☆も、私が直接相談すると、もう少し希望のある回答が返ってくるのだろうか?)

老健BのTさんの話
父の場合
病状的に受け入れにほとんど問題はないが(例えば、中心静脈栄養など医療的処置が日常的に必要な人は難しい。)、リクシアナという薬が処方されているのがやや気になるとこと。
リクシアナは血液をサラサラにする薬で、かなり高価なものだそう。
老健では入所者の医療費は老健側の負担になるから、高価な薬の処方は避けたいところ。
というわけで、他の老健では敬遠されるかもしれないが、病院併設の施設であるし、病院と連携して、解決策を探っていきたい(例えば、ジェネリックにするとか)とのこと。
そうなのか。リクシアナ。
脳梗塞だったからね。再発防止には血液サラサラの薬は大事だよね。

Kさんの説明はわかりやすく、誠意も感じられました。
話してよかったなと思います。

ケアマネさん、相談員さん、地域包括支援センターの方
まあまあな数の方々にこれまでお会いしてきましたが、
なかなか、ここまでの印象を持てる方にはお会いできません。
「ここまでの印象」ってどういうことか、うまく説明できないのですが。
言われていることは、皆さんそんなに変わらないのですが
相手への伝え方・・・ですかね。
「カクカクシカジカ・・・このような規則になっていますのでご理解ください。」
とそれ以上のことはないクールさで伝えられることが多いです。
ほんの少しの違いなのですが、少しだけ優しさとか誠意のようなものがあると、なんか救われるんですよね。
これは介護でなく、他の仕事でも一緒かも。
私も気をつけよう。

早速、申し込んでしまおうかと思ったのですが、
「そこまで急がなくても大丈夫。一旦持ち帰って、ご本人とご相談なさってください。」
とのこと。それもそうかと思い直しました。
なにせ、病院の相談員のTさんは、すぐにでも申し込まないと、順番に並べないと言っていたし
2年前の母の時も、とうとう退院の日までに順番が回って来なくて(コロナが流行っていたという事情もあったのですが)自宅で介護することにしたという経緯があるので、私は焦っていたのです。
自宅に一旦連れ帰ったら、二度と順番は回ってきませんでした。
「ご家族で介護できていますよね?」ってことで優先順位が低かったのかもしれません。何より母が「行きたくありません」の一点張りで
「ご本人のご意向でないことを無理に進められません。」とケアマネさんに言われてしまいました。
でも、父はそれで介護に疲れてしまったんですけどね。
脳梗塞になったのは、無関係ではないと思います。
本当に困らないと、状況は動かないのね!

済んだことをああこう言っても仕方がないですが、つい、愚痴が出てしまいます。

来週、父と面会の予定があるので、老健Bについて話をしてみようと思います。
父が望んでいる☆☆でないのが、気がかりですが。

☆☆と言えば
老健BのKさんに
母が☆☆に入所していることを伝えますと
「ご夫婦で別々のところでいいのですか?」と聞かれました。
☆☆には空きが当分ないし
病院併設ということで、こちらの老健Bはぜひ検討したいと思っていると返事をすると
「それならば、いずれ時期を見てお母様がこちらに移って来られることを検討することもできます。」
と言われました。
これまた、母の返事次第ですが、ありがたい提案だと思いました。
☆☆は、先日、相談員のTさんが父の入所について打診しても、淡々とクールな返事だったようなので。
☆☆は、母の通院に際し最大限の譲歩で対応してくださり、とても感謝していますが、情が感じられるかというと、そうでもないかな。
情を求めるところではないか・・・

「やっぱり夫婦は一緒にした方がいいのかなあ・・・?」

本日同席してくれた夫の感想です。
どうなんでしょうね?

私自身は、自分達夫婦について「別にいいかな」「独立型で行こう!」
と思っていますが
まだまだ若いし(一応)、元気だから(たぶん)、かな。


父の矜持

2024-06-14 20:58:08 | 日記
脳梗塞の後遺症のリハビリで入院中の父。150日の期限を前に、次の場所を探し中。具体的には老健。

父の希望は、母が入所している老健☆☆。
病院の相談員のTさんも、母のことを常に気にかけている父の様子を目の当たりにしてきて、父のモチベーションを考えると☆☆はよい選択肢なのではとおっしゃる。
ということで☆☆に相談を持ち掛けてくださったのだが、多床室の空きはなし。待機していたとしても、6ヶ月以上先になる。個室ならば対応できるが、1ヶ月の利用料は27万円。
えっっ 27万円??
2~3か月で済むならともかく、半年以上それを支払うとなると、ちょっとそれはないかなあ・・・
無理だわ。

市内には5つの老健がある。
老健Kは、そもそも個室しかない(多床室がない)ので、候補から外す。
老健Gは、「現在空きはないし空く予定もないし、受け入れるつもりもない」と取りつく島なしの超塩対応だったそう。
この老健Gは、以前母のために探していた時も「なんで〇〇町(実家の住所がある町)の人がうちに来るのか。そっちで探せ。」みたいなことを言われたので、そういうスタンスの施設なんだなと理解した。こういうところに入っても幸せになれない。候補から外す。
老健Sは、多床室をたぶん準備できるとのこと。ただし実家から遠く、交通の便も悪い。「どこにも決まらなかったときのために、一応、保険で、押さえておきますか?」とTさん。
そして老健B。ここは現在父が入院している病院の併設。先日のTさんの話だと空きなしとのことだったが・・・
「空きはないけれども、待っていれば個室から空くかもしれないそうです。まず個室で入所して、多床室が空くのを待つという手もあります。」
ここの個室は☆☆の27万円よりは安いらしい。
「うちの併設なので、優先的に考えてくれるとも言っていました。病状的には、受け入れ可能とのことです。」
2年前、母の入所で打診したときは、中心静脈栄養だったから、難色を示されたっけ。今回は大丈夫らしい。
「どうしますか?」

Tさんが示してくれたプランは
プラン1:老健Sの多床室に入所し、老健Bの多床室が空くのを待つ。
プラン2:老健Bの個室に入所し、多床室が空いたら移り、さらに老健☆☆の多床室が空くのを待つ(ただし、☆☆の多床室が空くのは半年以上先)
プラン3:老健B一択(老健Bの個室に入所しいずれ多床室へ)
プラン4:老健☆☆一択(お金に糸目はつけない)

現実的に考えて、プラン1かなあ・・・?
ということで進めることにしました。

一旦電話を切ったのですが、
これでよかったのか?と迷いが。

父が☆☆以外の老健に入所してしまうと、母に会えなくなってしまう・・・!

老健は外出できないから。コロナ禍以来、そうなっている。コロナめ!
いや、本当は元に戻してもいいのに、コロナを盾にそれをしていないのでは?
常日頃感じているのだけど、介護業界で利用者の人権ってどうなっているの? 
老健、おかしいよ!!!

あ、話が逸れた。
元に戻します。

あんなに母のことで頭がいっぱいなのに、☆☆のプランを外していいのかなあ・・・
例えば、
☆☆の個室に入所して老健Bの多床室が空くのを待つというのはどうかしらん。
27万は痛いが、2~3ヶ月なら。

もう一度Tさんに電話してその旨話してみた。
「それもありかもしれないですね。
☆☆の相談員さんに、ご家族からお話されてみてはどうですか?
私たち相談員同士だと、どうしても空いている空いていないの客観的なやり取りになってしまうので。ここはご家族の思いを直接お伝えになってみては?」
「相談員さんはどなたですか?」
「Oさんです」
あ、母の担当の人と一緒。ちょっとクールな人。家族が話したところで、どうなんだろう??
でもまあ、「そうしてみます」と返事をしました。

「ところで」
とTさん。
「娘さんは、お父様はお母様のことで頭がいっぱいのようだとおっしゃいますが、お母様を頼りにされているという感じとはまた違うようです。」
「といいますと?」
「頼りにされているというより、むしろ保護者のような、お母様を守ってあげなければならないという責任感をお持ちのようです。」

相談員さんのTさんの話によると父は
150日の入院期限が迫ってきたことによりかなり気落ちしていて
相談員さんが「国の制度なんです」と説明すると
「国にうらぎられた」と一時怒りも見せ、それから
「自分は何十年も一生懸命働いて税金や社会保険料を納めて、世の中を支えてきた。
今度は自分が支えられる番になった。
自分は支えられるばかりで、できることが何もなくなってしまった。
こんなことなら死んでもいい。」
と言ったそうです。
Tさんは、「死んでもいい」という言葉は受け入れがたかったので
「国から見れば〇〇さん(父の名前)はとても大勢の中の一人ですが、奥さまや娘さんにとっては大切なお一人なのですから、そのようには思わないでください。」
と言ったそうです。
父はそれを聞いて、しばらくして
「さっきはあのようなことを言ってすまなかった。」と言ったそうです。そのあと号泣(なんか、見えるようです・・・)

「お父様は、お母様や娘さんに頼られる存在でいたいと思っていらっしゃるようにお見受けします。」

ああ、そうか。
私にとって父は、元気なころの父のように親らしくいてくれることをどこかで願っているように
父もまた、夫として、父親として、自分らしくありたいのかもしれない。

介護が必要になった人を、守るべき存在として考えてしまいがちだけれども
ただただ守られることが、その人の望んでいることではないかもしれない。
父の矜持は、父らしく自分らしくいることである。

今日は、ひとつ学んだ。