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山本慎太郎の頭の中

歌ったり絵描いたりしてます。行き当たりばったりでよろしく。

読了本その125

2013-09-02 06:15:54 | 読了本
エックハルト説教集

良い本。とても癒された。ヒントを沢山得た。
13世紀中頃から14世紀初頭に実在したドイツ神秘主義の源泉と言われている人物の説教22篇と論述1篇ほかを収録したもの。
晩年にキリスト教の信仰に反しているとして異端審問にかけられた。
苦しみや悲しみの中にあっても、それを超え出た在り方のあることが「離脱」の概念を介して説かれている。
共感を覚えたなあ。すごく面白かった。禅の世界に近いものを感じた(禅はかじった程度ですが)。中世のドイツにこんな人物がいたことが、興味深いです。

読了本その124

2013-08-23 13:13:15 | 読了本
ちくま日本文学017

「森鴎外」

文章が美しい。文語体や口語体を含めて、日本語本来の美しさが感じられる。そこに、外来語や造語がチグハグな感じで混じっているのが面白い。
久しぶりに読んだ、「護持院原の敵討」「山椒大夫」「最後の一句」「高瀬舟」は、やはり名作だ。今回初めて読んだ、「かのように」「安井夫人」も良かったなあ。

読了本その123

2013-08-19 22:52:48 | 読了本
「方法序説」

デカルト

「私は考える、ゆえに私はある」で有名な哲学者の思想的自叙伝。
正直、物足りない内容だったなあ。でも、この書の出版された社会的背景(17世紀のヨーロッパ)を解説で読んだら、この書を世に問う事は、あの当時、すごく勇気のいる事だったのが、わかる。あの時代のヨーロッパ社会は今じゃ考えられないくらい、キリスト教会の圧倒的な支配下にあった。思想弾圧や異端糾問は日常茶飯事だったようだ。そんな状況下で、すべての人間が正しく判断し、真偽を弁別する能力を生まれながらに備えている、と宣言した事の意味は大きい。現代では当たり前過ぎてピンと来ないんだけど、あの時代では有り得ない事だったようだ。