YOSHIBO気まま風景スケッチ

秩父での開発技術 米国に渡る

            

                                  

      

         

秩父での技術開発が終わってから、この技術がアメリカに渡ることになった。

ニューヨークの隣のペンシルベニア州にあるエンジニアリング会社のF社と我が社がライセンス契約を結んだ。

 

これをベースにF社は南部アラバマにあるN社というセメント会社にセメントプラントを建設した。私ともう1名の社員が装置の運転指導のためアラバマの現地に出張することになった。今から45年も前のことである。当時、日本は電気製品等のレベルは欧米に劣っており、ニューヨークのショーウィンドウを見てもせいぜいソニーのラジカセ1台が陳列されている程度だった。そんな中今回、運転の技術指導ということでアメリカに出張するのは何か誇らしい気分だった。

 

ニュージャージーのF社に立ち寄った後ニューヨークから飛行機でアラバマに向かう。2時間半でバーミンハム空港着。そこから車で40分。PELL Cityに着く。宿は湖畔のほとりのHoliday Inn

いよいよ運転開始の時がきた。運転はN社の親会社であるフランスのV社が受け持った。運転で最も気を遣うのは今回開発した装置の起動時のバーナ着火である。運転員は全くの初体験だ。中央制御室と現場との連絡を密にしながら無事着火に成功。緊張の瞬間だった。

以後、運転員はプラントの起動・停止にも次第に慣れ、装置各部の温度、圧力管理も徐々にマスターしてきた。途中、運転トラブルに遭いながらも次第に安定状態をキープできるようになる。N社の社長も視察にきて満足の様子だった。かくして約1か月間の運転指導を終了。アラバマを離れ、ニュージャージーのF社の本社に業務終了の報告をして帰国の途についた。

 

現地滞在雑感。

・ホテルの部屋のBGMは北のニューヨークはクラシック調、南のアラバマはジャズ

 基調。北と南の文化の違い。

・南部なまりの英語は全く分かりにくい。

F社の営業部長が連れて行ってくれたバーミンハムのシーフードレストラン。

 全長30cmの巨大ロブスター。食べきれない。

・据え付け担当のマネージャー達は長期滞在のため、トレーラーハウスを使用。安上

 り対策。

・今回の出張では実に多くの人達との交流ができて楽しかった。特に現場関係の人達

 は人懐っこく、個性があって印象深い人が多い。

    

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「仕事関係」カテゴリーもっと見る