イエメンプロジェクト 念願のクリンカが・・！
１９８２年７月１２日（月）
感激の日。ついに念願のクリンカが出てきた！長年の苦労の汗の結晶・・。この日を待ちわびてこれまで苦労を重ねて来たのだ。キルン原料投入は予定より３時間遅れ。途中４回停止するも夜１１時過ぎには目標値に達す。CAMPに戻ったのは１２時過ぎ。緊張感から解き放される。今日は我のThe Longest Day であった。
７月１３日（火）
キルン運転２日目予想以上に安定。U氏来現。夕方のMeetingに参加。キルン火入れ式の時の写真を見た。我の姿が随分痩せて見えるのに驚く。特に体の調子は悪くないのだが、要注意。気分転換、そしてNervousにならぬこと。
７月１４日（水）
キルン運転３日目。８０％ Load 1400t/ｄ Ｋeep。昨夜原ミル起動時約３０分間の停電あり。これも経験の一つなり。東京宛現状レポート。キルン火入れ、工程Keep に関し祝電のTLX多し。N鉄鉱のYさん来現。大いなる助っ人なり。
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イエメンプロジェクト・キルン火入れ式
１９８２年７月９日（金）
キルン火入れ式を明日に控え全員休日出勤。とに角第一ターゲットのキルン火入れ式
が予定通り行えそうなことにほっとする。火入れ後は本格的な戦いが始まる。いかなる
モンスターが中に潜んでいることか。早くおびき出し処置をせねばならない。それには
Site のチームワークが必要。人は石垣、人は城・・・・。降雨あり。
７月１０日（土）
快晴の朝。午後、イエメンの首相、MOE大臣、K氏来現。プラント視察。物々しい警備
の中、テレビカメラマンも同行。午後４時３０分よりキルン火入れ式。鰐淵大使、
N商のN所長Sさんら出席のもと。神主はＯセメのＮさん。玉串奉納は我もやれり。
参列者の前の椅子に座り、目の前のP.H.気流炉を見、神主ののりとの言葉を聞くに
つけ、１０年前の苦しかったSF開発時代のことを思い出し、幾多の難関を乗り越えて
ここまで来た事 etc. etc・・・思い出し感慨ひとしおなり。
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⑧イエメンプロジェクト（６ー１）イエメン行きフライト 乗り継ぎトラブル
７月１１日（日）
キルン原料投入を明日に控え１０時よりキルン乾燥焚開始。いよいよ本番体制に入る。そして明日は
クリンカーが出る日だ。どんなクリンカーが出るか楽しみなり。やれるだけやってみよう。
イエメンプロジェクト８－1７に続く。
イエメンプロジェクト
１９８２年７月６日（火）
明け方３時ごろＯセメＭさんより呼び出し。ＦＦバーナーstop。重油Feed Line Trouble のため。作業衣に着替え、月空の冷えた中を現場に向かう気持ち、なんのたとえようもなし。但し、事故でないだけまし也。ＯセメのＦ氏も駆けつけ、３Ｈｒ後に復帰。
それにしても明け方トイレに起きてＦ炉のバーナーの火が見えず、ただそれだけで駆けつけてきてくれたFさんのMindに頭が下がる。昨夜の睡眠時間２Hrのみにて、今日のDaily Work能率上がらず。
今日アムランで警官４名、住民３名の死者を出す。暴動が起きた由。原因は一体何なるか？
７月7日（水）
日本出発以来１か月経過。Commissioningの６分の１を消化したことになる。実質の内容はこれからが本番。
今日のBig Event。M office にてサイン受領。わが社分は我がsign。これでTaking Overに関する諸条件の基本線がClear になった。PMの大きな仕事の一つであった。
PH乾燥焚続行。窓から見えるプラントの夜間照明がきれいだ。
Ｓａｎｎａからの車の中でOさんの言。「海外の僻地でこうして働いている者の支えは家庭だと思う」と。これが大きな真理だろう。
７月８日（木）
PH乾燥焚き無事終了。１２時ＦＦバーナー消火。第一難関突破す。
残り１日、キルン火入式迄・・・。明日は焼成関係のControl system を重点にReview する。
Plant Taking OverのAgreement もかたがつき、いよいよ運転業務の態勢づくりに入る。
イエメンプロジェクト８－16に続く。
東京の子供たち・近くの団地
１９８２年７月３日（土）
プラントの引き渡し条件、東京からの確認TLX受領。このPartial Taking Overに関しては我情熱を傾けてやって来たもののひとつにて、実質我が社の負担なしでいけると、このまま調印にこぎつければまずはPMとしてひとつの難関を乗り切ったと言えよう。明日最終セットを終え明後日の打ち合わせに臨む。
NコンサルのT氏 maintenanceに来てくれる由。SGD、S常務、F営業部長に感謝。明日早速謝電を打とう。明日はクラッシャーPerformance Test。
７月４日（金）
クラッシャー性能テスト、Clearす。２度目のTrial にて成功。嬉し。東京宛TLXせり。PH乾燥焚準備いよいよ明日に迫る。夜ConsultantのメンバーとO所長の室にて一杯。R氏はやはりヤンキーのせいか明るい性格。K氏は相変わらず品の良いおじさん。G氏は荒けずりのタイプ。C氏は未知数。いかにもフランスタイプの青年。４人ともさしたるくせはなく、これからの仕事はうまくやっていけそう。
A子達より第２便。嬉し。長野義母よりの手紙も同封されていた。Daiの文章は相変わらず面白い。根が楽天家なのであろうか。庭の芝がピンチの由。梅雨の害か・・・。
７月５日（月）
PH乾燥焚開始。最初の点火我やれり。夜やっと硬いフレーム出来、OKの見通し出る。１２時３０分帰Camp。１３時就床。
イエメンプロジェクト（８－15）に続く。イエメンプロジェクト（８－15）日本出発以来１か月経過 - YOSHIBO気まま風景スケッチ (goo.ne.jp)
東京宛TLX・銀座
１９８２・６月３０日（水）
Limestone Crusherの性能テスト、見事に失敗。開始１５分後にCrusherの入口部閉塞。ここ２万ton近く、ほとんどこの事故はなかったのに皮肉なものである。しかし気に掛けることはない。すんなり事が運ばぬのが世の習いなり。「お守りを持参しなかったのが悪かったかな・・今朝の髭剃り時カミソリを替えた時、切れ味が良すぎ、唇の下を切ってしまったがこんなことも影響あったのかな・・」などと要らぬことを考えてしまう。まあ次のtrialに期待しよう。
こんな事故の最中にＭｒ．Ｋ、Ｍｒ．M、Mｒ.ＲとPartial Taking over の打ち合わせ、若干先方の要求あるも我が社の４案件はほぼ通る。これでこの件の大きな山は越えた。
７月１日（木）
今日からいよいよ７月。勝負の月だ。予備品follow、客先怠慢にて会議を招集。明日はソフトボール大会ということでメンバー振り分け決まる。前哨戦（舌戦）が面白い。夕方ｃａｍｐの脇の広場で軽く練習。とに角皆が楽しめるようにしたい。ラマダンの月も徐々に大きくなってきた。
７月２日（金）
忙中閑あり・・・休日ソフトボール試合。３４人２組に分かれ、我がチームは１４対１１にて勝つ。我５回より投手、０点に抑える。普段作業衣のみで接しているため今日は気分転換ができ、意義ある日であった。現地の我々日本人同士の親睦の面においても。明日は再度Crusherの性能テスト。今度こそは成功を祈念したい。Ｏ嬢のお守りがついている・・・。
（イエメンプロジェクト８－14に続く）
