第7話
「プレゼントのストラップに 10分」の段
ハッピーネタです。
樹冠を歩くキャノピーウォークは、その建設時に
樹冠部分の小枝が切られ、通路が確保されていきました。
その小枝は乾燥の後、写真のようなストラップ利用へと変身していきます。
全長300mのキャノピーウォーク体験者には、このストラップが
プレゼントとして目の前に呈され、
「さあ、この中からお好きなのを一つ、選んで下さい。」となります。
「うえー、やったー」
「ありがとう」
「どれがお勧めですか」
などなど、リアクションはさまざまですが、おしなべて好評です。
まあ、中にはなんでもいいやと、1秒で選ばれる方もいますが、
通常、二~三分かけて真剣に選ばれています。
「屋久島、の字は焼き印で押してありますので、消えません」
「木の種類は杉で、地杉(じすぎ)と呼ばれるものです」
と、スタッフの説明。およそ半分位の方は
鼻先に運び、匂いを確かめます。
どれにしようかなあ、と選びはじめた男性一人。
こっちを手にしては、あっちにも目線飛ばし。
ようやく三つを手のひらに乗せ、ウーン とうなり声。
おやおや、ひとつずつ 年輪を数えはじめました。
(小枝にもちゃんと年輪があるのですよ、みなさん。)
結局、年輪数の多い一つが選び抜かれ、彼のポケットに。
体験料が支払われてから この間約10分。
まだ諸注意や説明も開始されていません。
通常、30~40分間くらいは楽しめるウォークなので、
彼の場合は、既にその三分の一は使われてしまったとも言えます。
じつは運営側として
涙が出るほどウレシイ展開です。
小枝もそのまま切り捨てられていれば、
日の目を見ることも無かったでしょうが、
ここまで時間をかけて選んでいただける 幸せ。
彼は その選んだ小枝の かつての生息環境へと
樹冠を歩き始めました。
この彼のような生き方を たぶん、
「見る目を持った生き方」とか「選球眼の備わった進み方」などと
言うのではないでしょうか。
思わず笑みのこぼれる こんなハッピーなひとときも
この夏は 連れてきてくれました。
では、次回「虻(あぶ)がフロントガラスに!」 です。
「プレゼントのストラップに 10分」の段
ハッピーネタです。
樹冠を歩くキャノピーウォークは、その建設時に
樹冠部分の小枝が切られ、通路が確保されていきました。
その小枝は乾燥の後、写真のようなストラップ利用へと変身していきます。
全長300mのキャノピーウォーク体験者には、このストラップが
プレゼントとして目の前に呈され、
「さあ、この中からお好きなのを一つ、選んで下さい。」となります。
「うえー、やったー」
「ありがとう」
「どれがお勧めですか」
などなど、リアクションはさまざまですが、おしなべて好評です。
まあ、中にはなんでもいいやと、1秒で選ばれる方もいますが、
通常、二~三分かけて真剣に選ばれています。
「屋久島、の字は焼き印で押してありますので、消えません」
「木の種類は杉で、地杉(じすぎ)と呼ばれるものです」
と、スタッフの説明。およそ半分位の方は
鼻先に運び、匂いを確かめます。
どれにしようかなあ、と選びはじめた男性一人。
こっちを手にしては、あっちにも目線飛ばし。
ようやく三つを手のひらに乗せ、ウーン とうなり声。
おやおや、ひとつずつ 年輪を数えはじめました。
(小枝にもちゃんと年輪があるのですよ、みなさん。)
結局、年輪数の多い一つが選び抜かれ、彼のポケットに。
体験料が支払われてから この間約10分。
まだ諸注意や説明も開始されていません。
通常、30~40分間くらいは楽しめるウォークなので、
彼の場合は、既にその三分の一は使われてしまったとも言えます。
じつは運営側として
涙が出るほどウレシイ展開です。
小枝もそのまま切り捨てられていれば、
日の目を見ることも無かったでしょうが、
ここまで時間をかけて選んでいただける 幸せ。
彼は その選んだ小枝の かつての生息環境へと
樹冠を歩き始めました。
この彼のような生き方を たぶん、
「見る目を持った生き方」とか「選球眼の備わった進み方」などと
言うのではないでしょうか。
思わず笑みのこぼれる こんなハッピーなひとときも
この夏は 連れてきてくれました。
では、次回「虻(あぶ)がフロントガラスに!」 です。