屋久島の樹上環境テーマパーク!「キャノッピ」

樹上から別角度の自然体験を提供しています。

キャノッピ来園者に観る 昨今。 第7話

2015-09-11 09:47:05 | 自然
第7話
「プレゼントのストラップに 10分」の段

 ハッピーネタです。

樹冠を歩くキャノピーウォークは、その建設時に
樹冠部分の小枝が切られ、通路が確保されていきました。
その小枝は乾燥の後、写真のようなストラップ利用へと変身していきます。
 全長300mのキャノピーウォーク体験者には、このストラップが
プレゼントとして目の前に呈され、
「さあ、この中からお好きなのを一つ、選んで下さい。」となります。



 「うえー、やったー」
 「ありがとう」
 「どれがお勧めですか」

 などなど、リアクションはさまざまですが、おしなべて好評です。
まあ、中にはなんでもいいやと、1秒で選ばれる方もいますが、
通常、二~三分かけて真剣に選ばれています。

 「屋久島、の字は焼き印で押してありますので、消えません」
 「木の種類は杉で、地杉(じすぎ)と呼ばれるものです」
 と、スタッフの説明。およそ半分位の方は
鼻先に運び、匂いを確かめます。

 どれにしようかなあ、と選びはじめた男性一人。
こっちを手にしては、あっちにも目線飛ばし。
ようやく三つを手のひらに乗せ、ウーン とうなり声。
おやおや、ひとつずつ 年輪を数えはじめました。
(小枝にもちゃんと年輪があるのですよ、みなさん。)
結局、年輪数の多い一つが選び抜かれ、彼のポケットに。

 体験料が支払われてから この間約10分。
まだ諸注意や説明も開始されていません。
通常、30~40分間くらいは楽しめるウォークなので、
彼の場合は、既にその三分の一は使われてしまったとも言えます。

 じつは運営側として
涙が出るほどウレシイ展開です。
小枝もそのまま切り捨てられていれば、
日の目を見ることも無かったでしょうが、
ここまで時間をかけて選んでいただける 幸せ。

 彼は その選んだ小枝の かつての生息環境へと
樹冠を歩き始めました。
この彼のような生き方を たぶん、
「見る目を持った生き方」とか「選球眼の備わった進み方」などと
言うのではないでしょうか。

 思わず笑みのこぼれる こんなハッピーなひとときも
この夏は 連れてきてくれました。


では、次回「虻(あぶ)がフロントガラスに!」 です。


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