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■マッキン復活の狼煙(マッキントッシュ・XRT18)

2011-12-02 14:24:33 | 音楽(CD・LPとか)
 先週の事ですが、めでたく愛機・マッキントッシュスピーカー、XRT18が震災の痛手を癒して還って来ました。

 長かったです。この日を迎えるのに。手元にある控えを確認して見たところ、我が元を去ったのはなんと4月4日。それから約8か月。待ちに待たされました。
 今回は、キャビネットの歪みや破損、エンクロージュアの破損といった木工の修復を日本国内で行い、コーン紙が一部破れてしまった右チャンネルのミッドレンジをアメリカ本国でリコーン作業。
 面倒なのが、片側だけをリコーンしてしまうと左右で特性が変わってしまう為(値の張るスピーカーシステムというのは、左右チャンネルで特性を揃えて実装されています)、破損しなかった左チャンネルのミッドレンジもリコーン作業が必要な事。リコーンの作業内容は各社それぞれと思うのですが、マッキントッシュでは手元に残っている(現在、スピーカーの製造は止めている為)部材を使い、文字通り組み直す作業をします。

 それで、今回これほどの時間がかかったのは、このアメリカとのやりとりに因るものでした。一度目は、作業を始めたところ、片側のマグネットがセンターからズレていて直せない、と左右バラバラで返って来てしまい、それでは困るとマッキントッシュ・ジャパンが本国に突っ返し(木工作業をもう始めていた事もあり)。
 二度目は、なんとか修正をしてリコーンされたものの、左右でセンターキャップ形状が異なっていて(何故そんな事に?)、この部分はミッドレンジが担当する「中域」とトゥイーターが担当する「高域」の音分布をきれいに繋ぐ役割があるので、当然、左右で異なってしまうと困るし、仮に左右で同じ形状が付いていても、正規の物が付いていないと全体の音色が変わってしまいます。
 ということで、三度目のアメリカ行きとなり、ようやっと正しい状態で日本に還って来ました。まあ、実はこの経緯の間に一回、ユニットが行方不明になりかけたんだそうですが……。流石アメリカン。でも、よくもまあそんなに大雑把な人たちが、こんなトンデモ・スペシャルなスピーカーを作ったものです。

 そういう顛末で、もうとっくに完了していたエンクロージュアにめでたくユニットを装着。ようやく完成形に至りました。
 ただ、これを書いている時点で、XRT18は非常に変わったユニット取り付け方法を採っている事を思い出し、ちょっと不安になりました。が、きっとマッキントッシュ・ジャパンで繊細なその取り付け方法に則ってやってくれていると、一方的に信じておきます。ほら、日本人は世界中で一番神経質で細やかな心を持っているはずですので。


今回のリコーン作業は、このミッドレンジのコーン紙とエッジを張り替える作業で行われた。合わせて、どちらのチャンネルかは聞きそびれたがユニット背面にあるマグネットがセンター軸からズレており、その修正作業も行われている。当然、左右で特性のペアリング済み。

 帰還したXRT18はリコーン作業はもちろん、木工修理も完璧な仕上がりでした。しかも、木工作業に関しては“震災対応”ということで無償。前代理店であったエレクトリから業務を引き継ぎ、一応、日本法人格としての企業活動とはいえ、大きな視点からの手厚いアフターフォローにはやはり頭が下がります。数十年前のスピーカーシステムが時代を超えてもしっかりとリペア出来る、というのはそういう土壌がハイエンドオーディオ業界に元々あるから、とだけで片付けるには余りあるフォロー体制です。
 逆に一度こういったしっかりとしたサービスを享受すると、そのブランドに対する信頼度は格段に増します。次にまたここの製品を購入したとして、永く愛でられるであろう、と思い至ります。
 今回の件は、単純に壊れた製品が直った、という事だけでなく「真に製品をユーザーに提供するとは」という、ものづくりとそれを提供するブランドの姿勢の大事さを垣間見た一件と感じます。
 もちろん、その後の音出しでは、ミッドレンジだけコーン紙とエッジが新品とはいえ、相変わらずのこのスピーカーシステムでしか聴けぬ豊穣の音色を奏でてくれました。
 今回、本当に正しい姿に直ってくれうれしかったですし、マッキントッシュ・ジャパンには感謝してもし足りない思いでいっぱいです。

 ちなみに、マグネットの位置ってズレる事があるんですね。状況としては、例えばエンクロージュアが倒れるなどユニットに強い衝撃が加わった際に起きなくないとも言えないそうですが、頑強なカーオーディオのユニットに馴染んでしまっていた身としては、やはり驚きでした。あっちは、車載状態の振動に耐えうるタフな作りをしていますからね。


復活後も、このスピーカーシステムでしか聴けない、音場豊かで晴れ広がり染み渡る世界を魅せてくれた。

やかん

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2 コメント

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はじめまして (コリン)
2011-12-03 20:44:00
 大分のコリンと申します。XRT18Sを長年愛用しています。

 地震の被災お見舞い申し上げます。

 このたびは18の復活おめでとうございます。私も以前ミッドレンジをボイスタッチさせてしまい交換(エレクトリ)、ウーハーのリコーン(本国へ)と同じような経験がありコメントさせていただきました。

 私もこのXRTにぞっこんです。最近はジャーマンフィジクス・トロバドゥール40NとJBL2215Bウーハーを組み合わせたシステムと切磋琢磨してレコード演奏家を目指していこうと思っています。

 同じXRT18を愛する仲間として頑張りましょう。
返信する
はじめまして (コリン)
2011-12-03 20:46:52
 大分のコリンと申します。XRT18Sを長年愛用しています。

 地震の被災お見舞い申し上げます。

 このたびは18の復活おめでとうございます。私も以前ミッドレンジをボイスタッチさせてしまい交換(エレクトリ)、ウーハーのリコーン(本国へ)と同じような経験がありコメントさせていただきました。

 私もこのXRTにぞっこんです。最近はジャーマンフィジクス・トロバドゥール40NとJBL2215Bウーハーを組み合わせたシステムと切磋琢磨してレコード演奏家を目指していこうと思っています。

 同じXRT18を愛する仲間として頑張りましょう。
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