
今週末、富士見パノラマはグリーンシーズン最後のイベント開催ですね。当初行く予定でしたが、一般走行者は4xコースを使えない、ということなので行くの止めました。昨年はレース前日は走れたんですけどね……。
で、今回のネタは、草津イベントの会場で試乗することのできた、GIANT(ジャイアント)の最新BIKE、TRANCE X2(2010年モデル)です。アルミのフレームに前後にエアータイプのサスペンションを組ませ、フロントサスペンションのアクスルは15mmという新しめの規格品で、通常の9mmタイプよりタフな特性を与えられています。
ズバリ、メーカーの狙い目は、日本のダートフィールドにも合う、コンパクト&軽快フルサスペンションMTBです。サスペンションをエアーとすることで地形やライダーに対するセッティングの幅を持たせ(加減で簡単調整)、かつ実質的質量を低減(金属ばねレス)。しかし、前後に油圧タイプのディスクブレーキを与え、件の15mmアクスルの効果もあり、走破力&タフな特性も期待できます。
と前置き長くなりましたが、実際の乗り味はいかに? 当日は、原則アスファルトの駐車場だけのライド、と言われましたがとんでもナイ。MTBなのだから土の上を走らずにどうする! と、コッソリすこしだけダート路面も踏んでみました。
驚くべき走りの軽さ
この日の走行は、濃い霧雨降りしきる中で、コンディションはウエッティ。ダートはまだマッドにはなっていなかったので、適度に絞まっているぐらいでした。アスファルトにダートにと数十分ライドしてみて、とにかく一番にかつ強く感じたことは「軽い!」。
ここでいう軽いとは、物理的質量のことではなく、「走りが軽い」ということです。あまりライディング経験のない方ですと、なんのこっちゃいな、と思われるかもしれないのですが、自転車には、進む方向とは逆の後ろに引っぱろう、という力が加わる物が少なくありません。普通に考えれば、タイアは抵抗があり、各パーツにもロスがあり、この手の要素がネガ方向にはたらく自転車は、前に進もうとすると相対的に後ろに引っぱられる、と感じることがあるのです。フレームが悪さをするケースも多いです。人力の乗り物ですから、この感覚はより明瞭になります。
これとは逆に、ペダルを踏んだら踏んだ分だけ、下手をすれば、×何倍な感覚で前に進んでくれる自転車、というものがあります(赤い機体は3倍進む、ということはありませんが……)。これは、主にはフレームワークの妙などで発揮されるもので、昔はNonサスペンション時代だったので純粋にフレーム(+ちょっとホイール/クランク)、今はサスペンションがあるので、この性能・機構も大きく影響してきます。TRANCE X2は、感じとしてこの「サスペンションの機構(リア側)」がたいへん素晴らしいようなのです。
ぺダリングのロス(リアサスペンションが前に進む動きを吸収してしまう)が少なく、さらにこのぺダリングによる僅かな沈み込みの反動が、うまく推進力に化けていく。このことにより、「乗り味が軽快」で「気持ちよくグイグイ前に進んでいく」特性に結びついている印象なのです。この軽快さは「通勤に使いたい!」と思わせるほどのものでした! ROAD-BIKEではなくMTBでこう思うのはかなり珍しいわけで、スゲーって感じです。もうですね、踏むのが楽しくてしょうがなくなってしまうのです。

GIANTは昔から『NRS』(No Resonance System)など、リアサスペンションの動きをロスではなく推進力に変える技術に積極的でしたが、このTRANCE X2に採用されている『マエストロ』はとんでもない領域で完成している技術だと思います。機会があればしっかり登り下りのあるフィールドで再確認したいです。対応してくれたスタッフは、「買ってくださーい!」とプッシュしてましたが、モトクロスバイクを廃車にして、正直かなり首が回らない状態なので、う~ん。
GIANTはC/Pの高いブランドなので、ブランドイメージさえ肌に合えば十分買いなBIKEだと思います。純粋に他のBIKEと乗り較べをしないでわかるのかよ? という疑問は杞憂です。物の善し悪しはそれ単体でもハッキリ分かりますし、自転車は特に長年の経験で、感じた印象はまず間違いない、と言い切れます。
組み合わされるパーツと値段のバランスも含めて、2010年、オススメの1台!
※以下、メーカー資料を流用
262,500円(税込) ←まあ、安いとは言えませんが…….
SIZE:370(XS), 390(S), 440(M)mm ←ぼくの身丈だとXSが理想です.
WEIGHT:12.2kg(370mm) ←ホラね、物理的質量が軽いわけではないのです.
フレーム:ALUXX SL-Grade Aluminum, 5.0" Maestro Suspension OLD135mm
フロントフォーク:FOX F120 RL 120mmトラベル 15mm Axle ←例の15mmアクスル品.バラで買うと高いよ!
リアサスユニット:FOX FLOAT RP2 L:7.25 T:1.75 ←1級品.
BBセット:included in CW
ギアクランク:SHIMANO SLX 22/32/44T 170mm(XS,S),175mm(M) ←SLXは新しいグレードで、すごくお薦め.
チェーン:SHIMANO HG73
F.ディレーラー:SHIMANO SLX 34.9 デュアルプル
R.ディレーラー:SHIMANO DEORE XT ←リアは使用頻度高いので、高級品を奢る.
シフター:SHIMANO DEORE XT 9S ←直接触る部分なので、このチョイスは賛成!
ブレーキセット:AVID ELIXIR 5 F:185mm R:160mmローター ←このブレーキ、おそろしく良く効きます.
ブレーキレバー:AVID ELIXIR 5
ギア:SRAM PG980 9S 11-34T
ヘッドセット:FSA シールドカートリッジ
ハンドルバー:GIANT CONNECT SL TR 31.8 670mm
ハンドルステム:GIANT CONNECT SL 31.8 70mm(XS,S),90mm(M)
サドル:FIZIK GOBI XM ←最近、MTBでも評判が右肩上がりのフィジーク.
シートピラー:GIANT CONNECT SL 30.9x375mm
シートクランプ:Aluminum 34.9 QR
ペダル:なし ←中級以上のスポーツサイクルは、レスは当たり前.好きなの付けてね♪
Fハブ:GIANT DH/DC77 32H 15mm Axle ←15mm専用品.
Rハブ:SHIMANO DEORE M525 32H
リム:MAVIC XM317 DISC 32H ←オイオイ、あのマヴィックさんだよ.
スポーク:DT COMPETITION 14-15G ←定評のDT製.
タイヤ:KENDA NEVEGAL 26x2.1 ←国内トップライダーも愛用するブランド.
チューブバルブ:仏式バルブ
付属品:Rユニット用ポンプ
1台で日本国内のトレイル殆どをカバーする5"(インチ)マエストロ。フルサスバイクの理想に近づくオールマイティな高性能が魅力。

マエストロシステムとサスペンションユニットの進化は、5インチバイクの守備範囲を拡大。かつての4インチクラスに匹敵するペダリングロスの無い軽快な走りと、6インチクラスに迫る剛性感を獲得したTRANCE Xシリーズは、21世紀のマウンテンバイクシーンを象徴する、5インチバイクの極致。
やかん
で、今回のネタは、草津イベントの会場で試乗することのできた、GIANT(ジャイアント)の最新BIKE、TRANCE X2(2010年モデル)です。アルミのフレームに前後にエアータイプのサスペンションを組ませ、フロントサスペンションのアクスルは15mmという新しめの規格品で、通常の9mmタイプよりタフな特性を与えられています。
ズバリ、メーカーの狙い目は、日本のダートフィールドにも合う、コンパクト&軽快フルサスペンションMTBです。サスペンションをエアーとすることで地形やライダーに対するセッティングの幅を持たせ(加減で簡単調整)、かつ実質的質量を低減(金属ばねレス)。しかし、前後に油圧タイプのディスクブレーキを与え、件の15mmアクスルの効果もあり、走破力&タフな特性も期待できます。
と前置き長くなりましたが、実際の乗り味はいかに? 当日は、原則アスファルトの駐車場だけのライド、と言われましたがとんでもナイ。MTBなのだから土の上を走らずにどうする! と、コッソリすこしだけダート路面も踏んでみました。
驚くべき走りの軽さ
この日の走行は、濃い霧雨降りしきる中で、コンディションはウエッティ。ダートはまだマッドにはなっていなかったので、適度に絞まっているぐらいでした。アスファルトにダートにと数十分ライドしてみて、とにかく一番にかつ強く感じたことは「軽い!」。
ここでいう軽いとは、物理的質量のことではなく、「走りが軽い」ということです。あまりライディング経験のない方ですと、なんのこっちゃいな、と思われるかもしれないのですが、自転車には、進む方向とは逆の後ろに引っぱろう、という力が加わる物が少なくありません。普通に考えれば、タイアは抵抗があり、各パーツにもロスがあり、この手の要素がネガ方向にはたらく自転車は、前に進もうとすると相対的に後ろに引っぱられる、と感じることがあるのです。フレームが悪さをするケースも多いです。人力の乗り物ですから、この感覚はより明瞭になります。
これとは逆に、ペダルを踏んだら踏んだ分だけ、下手をすれば、×何倍な感覚で前に進んでくれる自転車、というものがあります(赤い機体は3倍進む、ということはありませんが……)。これは、主にはフレームワークの妙などで発揮されるもので、昔はNonサスペンション時代だったので純粋にフレーム(+ちょっとホイール/クランク)、今はサスペンションがあるので、この性能・機構も大きく影響してきます。TRANCE X2は、感じとしてこの「サスペンションの機構(リア側)」がたいへん素晴らしいようなのです。
ぺダリングのロス(リアサスペンションが前に進む動きを吸収してしまう)が少なく、さらにこのぺダリングによる僅かな沈み込みの反動が、うまく推進力に化けていく。このことにより、「乗り味が軽快」で「気持ちよくグイグイ前に進んでいく」特性に結びついている印象なのです。この軽快さは「通勤に使いたい!」と思わせるほどのものでした! ROAD-BIKEではなくMTBでこう思うのはかなり珍しいわけで、スゲーって感じです。もうですね、踏むのが楽しくてしょうがなくなってしまうのです。

GIANTは昔から『NRS』(No Resonance System)など、リアサスペンションの動きをロスではなく推進力に変える技術に積極的でしたが、このTRANCE X2に採用されている『マエストロ』はとんでもない領域で完成している技術だと思います。機会があればしっかり登り下りのあるフィールドで再確認したいです。対応してくれたスタッフは、「買ってくださーい!」とプッシュしてましたが、モトクロスバイクを廃車にして、正直かなり首が回らない状態なので、う~ん。
GIANTはC/Pの高いブランドなので、ブランドイメージさえ肌に合えば十分買いなBIKEだと思います。純粋に他のBIKEと乗り較べをしないでわかるのかよ? という疑問は杞憂です。物の善し悪しはそれ単体でもハッキリ分かりますし、自転車は特に長年の経験で、感じた印象はまず間違いない、と言い切れます。
組み合わされるパーツと値段のバランスも含めて、2010年、オススメの1台!
※以下、メーカー資料を流用
262,500円(税込) ←まあ、安いとは言えませんが…….
SIZE:370(XS), 390(S), 440(M)mm ←ぼくの身丈だとXSが理想です.
WEIGHT:12.2kg(370mm) ←ホラね、物理的質量が軽いわけではないのです.
フレーム:ALUXX SL-Grade Aluminum, 5.0" Maestro Suspension OLD135mm
フロントフォーク:FOX F120 RL 120mmトラベル 15mm Axle ←例の15mmアクスル品.バラで買うと高いよ!
リアサスユニット:FOX FLOAT RP2 L:7.25 T:1.75 ←1級品.
BBセット:included in CW
ギアクランク:SHIMANO SLX 22/32/44T 170mm(XS,S),175mm(M) ←SLXは新しいグレードで、すごくお薦め.
チェーン:SHIMANO HG73
F.ディレーラー:SHIMANO SLX 34.9 デュアルプル
R.ディレーラー:SHIMANO DEORE XT ←リアは使用頻度高いので、高級品を奢る.
シフター:SHIMANO DEORE XT 9S ←直接触る部分なので、このチョイスは賛成!
ブレーキセット:AVID ELIXIR 5 F:185mm R:160mmローター ←このブレーキ、おそろしく良く効きます.
ブレーキレバー:AVID ELIXIR 5
ギア:SRAM PG980 9S 11-34T
ヘッドセット:FSA シールドカートリッジ
ハンドルバー:GIANT CONNECT SL TR 31.8 670mm
ハンドルステム:GIANT CONNECT SL 31.8 70mm(XS,S),90mm(M)
サドル:FIZIK GOBI XM ←最近、MTBでも評判が右肩上がりのフィジーク.
シートピラー:GIANT CONNECT SL 30.9x375mm
シートクランプ:Aluminum 34.9 QR
ペダル:なし ←中級以上のスポーツサイクルは、レスは当たり前.好きなの付けてね♪
Fハブ:GIANT DH/DC77 32H 15mm Axle ←15mm専用品.
Rハブ:SHIMANO DEORE M525 32H
リム:MAVIC XM317 DISC 32H ←オイオイ、あのマヴィックさんだよ.
スポーク:DT COMPETITION 14-15G ←定評のDT製.
タイヤ:KENDA NEVEGAL 26x2.1 ←国内トップライダーも愛用するブランド.
チューブバルブ:仏式バルブ
付属品:Rユニット用ポンプ
1台で日本国内のトレイル殆どをカバーする5"(インチ)マエストロ。フルサスバイクの理想に近づくオールマイティな高性能が魅力。

マエストロシステムとサスペンションユニットの進化は、5インチバイクの守備範囲を拡大。かつての4インチクラスに匹敵するペダリングロスの無い軽快な走りと、6インチクラスに迫る剛性感を獲得したTRANCE Xシリーズは、21世紀のマウンテンバイクシーンを象徴する、5インチバイクの極致。
やかん
その通り、とにかくたいへんな乗り心地の良さで、ぼくは乗ってる最中にニマニマしていました。GIANTはむかしからC/P(コストパフォーマンス)に優れたメーカーなので、今お乗りの愛車もどうか末永くお使い下さい。
MTBのことはある程度わかるので、また機会あればご覧ください。
絵文字については、どうかお気になさらずに