え〜とですね、blog運営会社の都合かSEOが強いんでしょうね。かなり初歩的かつどーしょーもないことしか書いていない『ミニ四駆』記事に辿り着くひとが多いんですよね。
熱血派は動画ばかり見てると思うんですが、どうなんでしょう?
それなので、「何かたまには新ネタを突っ込まなきゃ」と思い、今回、こんなことをしてみました。
それは、今までまったく気にしたことがない、『電池による違い』です。
とは言っても、公式大会に出る以上、レギュレーションに沿った電池以外の使用は禁止されているので、選択肢は多くありません。都度都度、新品のアルカリ乾電池を用意するのは嫌なので、始めてから一貫して充電池で通して来ました。
ただ、お解りでしょうが、充電池には致命的な欠陥があります。それは、定格出力が乾電池に較べ、小さいこと。一般的に乾電池は 1.5V の出力を持っていますが、充電池のほとんどは 1.2V です。
あまりに厳密に作ってある機器だと、充電池の使用をNGとしているくらいです。0.3V の差が、都合悪いのでしょうね。
ただ、公式大会も回を増すごとにコースが複雑化していき、スピード = 強さ、が正解でないことは誰の目にも明らかなので、コスパの点からもまるで気にしていませんでした。
ところが、<決勝戦勝ち抜き>にコマを進めると、” アルカリ乾電池 “ をタミヤから支給されるんですよね。毎戦、ゴリゴリの熱量で挑んでいる訳ではなかったので、ついぞこの電池を受け取ることなく現在に至るのですが、考えると途中からエネルギー源の条件が変わるんですよね。
これは、熱血派には無視できないだろう、と。
まあ、とっくに皆さんは確認なり実践なりしてると思うのですが、じぶんは小難しいチャージャーとかも使わず適当派なので、ものは試しに、と実践してみました。
まず、準備したのは、手持ちの複数本ある充電池『ネオチャンプ』を選別し、一度、満充電にすることです。
▲初期の充電。リフレッシュ効果あるのかは不明。
ちまたではこのネオチャンプ、中身はエネループと噂されていますが、1回目の満充電には愛用してるPanasonic製の BQ-396 という機器を使います(とっくに廃番)。複数の充電方法が選べる、スグレモノです。
そして、充電が完了したネオチャンプを、手製モーターならし機にセットし、対モーター駆動で使い切ります。
▲自作エージング機を使って、1度電池を使い切る。
厳密にカラにするには別の方法があるんでしょうが、そもそも Ni-MH を空っぽにしてよいのか解らないので、そこまではやりません(世の中には過放電厳禁の電池もあります)。
【動画】 #ミニ四駆 モーター慣らし様子 #mini4wd
地味だけど、多分、大事。それと、途中からモーターの音が変わるのも、重要。
ならし機でモーターが動かなくなったら、そのネオチャンプを、今度はTAMIYA製の充電器で充電します。
▲エージング機で使い切ってからの本充電。
まあ、TAMIYAのロゴが付いているだけで自社製でないことは明らかなので、気休めですね。
それと、今回、最初期に導入してもうヘタってしまっているネオチャンプも、テストに組み込んでみることにしました。
▲試しにヘタっている初期導入の充電池にも同じことを。
こちらも、ならし機にセットして、モーターが停止するまで放置。ちなみに、この充電池は長年の酷使で、外側のフィルムもかなりベロベロのクッタクタです。
▲ヘタってるちゃんも充電。
ヘタってるちゃんも、同じTAMIYA製充電器で満充電に。
そして、今回、初めて導入する公式アルカリ乾電池は、こちら。
▲パワーチャンプRX。ふつーのアルカリ電池です。
『パワーチャンプRX』という名称で、なんかラベルとかも強そうです。これ書いている時点で、『パワーチャンプRS』なる物もあるらしいことを知りましたが、後の祭りなのでそちらは放置で。
テスト車両に用意したのは、こちら。
▲MSシャーシなのになんのギミックも搭載していないホットショット jr. 。
手持ちでもっとも高速仕様のホットショット Jr.(MSシャーシ)。要部品交換の箇所あるのですが、今回のテストには関わりないので、無視で。
テストは、スピードチェッカーで単純に速さを確認してみようと。
▲もうあまり使っているひとはいないのかな?
色々、改造しちゃった車両だと使い難いんですがね。
▲最近の改造車にはまるで適合していないので、使い難いことこの上ない。
公式大会に置いてあるのも、変な対策してありますし。
念の為、日本製のアルカリ乾電池を入れました。
▲大陸製電池はとにかく信用ならない。被害実績ありだし。
本体自体がチャイナ製なので、アレですが……。
さあ、いよいよです。
ところで、冒頭、時計が一緒に写っているのは、電池というものは温度に大きく左右されるからです。特殊な電池でない限り、端的に冷感状態だと一気に能力が落ち、最後には発電すらしなくなります。
じぶんの主戦場が品川(東京)で、あそこは常に屋外開催なので冬季は温度をまるで無視、という訳にはいきません。かと言って、温め過ぎもよくないとは思いますが、キンキンに冷えてるよりかはマシです。
そういう意味も兼ねて、「今回のテストはこういう温度でやったよ」が解るよう、脇に置いて実施しました。
■公式充電池ネオチャンプ■
▲充電池『ネオチャンプ』積載。
いつもの、充電池『ネオチャンプ』からSTARTです。ちなみに、製造年は2017年5月なので、バリバリ新しい訳ではありませんが、今回は間を取りました。
▲充電池、ネオチャンプで計測中。解り難いけど回ってる。
ホラね、色々改造しちゃうとこんなオカシな状態でしか計測できなくなります。ディスプレイ、まったく見えん……。
お楽しみの、結果です。
▲記録は、31km/h。
記録は、31 km / h 。気温は、16.1 ℃ とのこと。
では、いよいよ本題です。
と言いたいところなのですが、なるべく条件を揃えたかったので、各間を3分間として、諸所の休憩に当てました。
▲タイマーで3分間のブレイクを。
■公式アルカリ乾電池パワーチャンプRX■
▲人生初の、アルカリ電池『パワーチャンプ』積載。
ミニ四駆人生、初めの公式アルカリ乾電池の投入です。モノは、パワーチャンプRX。さっきも書きましたが、このラベルは映えるね。
▲ここでも3分間のブレイクを挟む。
3分経過したので、テストを再開します。
▲アルカリ電池、パワーチャンプで計測中。
またもオカシな載せ方。よう、落ちんよな。
▲アルカリ電池、パワーチャンプ計測終了。
さあ、アラームが鳴って、待望の公式アルカリ乾電池の結果が出ます。こう見ると、ディスプレイが隠れてるのは、演出としてはアリだった。
▲記録は、33km/h。
じゃ〜ん、記録は 33 km / h 。なんと、充電池ネオチャンプより、速い!! 気温は、同じ16.1 ℃ 。0.3V の差が、ここで出たか??
ちなみに、ヘタレちゃん充電池ネオチャンプくんも計測してみました。
▲同じく3分のブレイク。条件はなるたけイコールに。
こちらも、3分間の休憩は挟みました。
■公式充電池ネオチャンプへたれ Ver. ■
▲念の為の、ヘタれ充電池ネオチャンプを積載。
さっきのネオチャンプではないですからね。意外だったのが、こちらの製造年も同じく、2017年5月だったこと。
▲3分休憩。
3分経過。さて?
結果は、こちらの動画でどうぞ。
【動画】 #ミニ四駆 の電池テスト時の様子 #mini4wd
とここまでテストをしてみて、最後、もうひとつ重要な要素を確認しておきます。
それは、それぞれの質量です。持った感じも違いましたし、差異があれば、昨今のコースレイアウトでは影響大きいですから。
▲充電池ネオチャンプ 17.9㌘/1本。
まず、充電池のネオチャンプ。1本あたり、17.9 g という結果になりました。ずっとこれしか使って来なかったので、じぶんにとってはこれが基準値ですね。
さて、アルカリ乾電池、パワーチャンプRXは?
▲アルカリ乾電池パワーチャンプ 23.4㌘/1本。
なんと、まるで違う値となりました。1本あたり、23.4 g 。大きな違いです。
蛇足で、こちらを。
▲さて、出処はどこでしょうか?
100均の点灯器具の中によく入っている、とても低容量の充電池です。でも、種類は同じ、Ni-MH 。200 mAh、というのが電池容量ですね。出力は、同じく 1.2V です。
参考:Ni-MH充電池 容量200mAh / 1.2V 11.1㌘/1本。
この充電池は、もう持って明らかに軽いのですが、結果もその通りに。1本あたり、11.1 g です。
電池というものは、特殊でない限り、容量が大きくなるに連れ、質量が増します。モバイルバッテリーやスマホでもそれは日々、実感できるかと。そして、それを超えると物理的に大きくなります。
実は乾電池にも微妙な差異があり、昔の物は僅かに小さいです。そして、「大容量」を謳っている乾電池の中には、やはり僅かに大きな(長い)物が存在します。これは出自不明の海外製に多いですが、かつて国産でも「僅かに大きいです、注意ください」と書かれた乾電池も売っていました。容量を増やすには、あるラインからはもう大きくするしかないんです。
まあ、このあたりは公式大会を意識する以上は、常に規程内の電池を使ってテストを繰り返す筈なので、問題にはならないかと思います。練習と本番で違う電池使ったら、意味ないですからね。
それよりも、今回、注目しなければいけないのが、速度とパワーと重さに関係性があったことです。
▲ニッケル水素電池に対し、アルカリ乾電池は容量表示なし。おそらく、まるで概念が違うのかと。
今回、用意したパワーチャンプRXと、既存のネオチャンプとで 1 本あたり 5.5 g 差ということは、2 本搭載して走らすので、トータル 11 g 差が発生することになります。
※なお、パワーチャンプRXの容量も気になったが、測定しまうと条件がイーブンにならないのでNG。(通電させちゃうので)
タミヤから支給されるアルカリ乾電池を、見たことも触ったこともないのでアレですが、同じと仮定して、ネオチャンプから + 11 g でレースに挑んだら、結果は明らかですよね。
出力は上がっている、重さは増している。単純に考えても、
- 飛距離
- 着地の反動
- 立ち上がり
- センターに配置されてるとはいえ、振られのオツリ
- コーナー
と、まるでいつもと違う挙動をする、ということです。
▲普通の乾電池は、なるたけ入れっぱなしにしないこと。
今回用意したパワーチャンプRXの製造年は、2023年9月。赤線の注意書きは、過放電状態が続くと、液漏れの危険性があるからと思われます。
偶然にも色々とオモシロイ結果になりました。リサイクルとコスパの観点からはどうしても充電池に目が行きますが、やはりイザの安心感はノーマルの乾電池なのですかね。ハナシ脱線しますが、自宅の防災器具には、すべて国産のアルカリ乾電池入れてありますし。エネループだったとしても、もしもの時に使えない、すぐに消耗してしまう、では困るので念の為です。
あと、乾電池を充電できる変わった機械も売ってるのですが、扱いがかなりやっかいみたいなので、どうなのかな、と。「ネオチャンプとパワーチャンプでかなり差がある」、という事実は知っておいても損はないかな、と思いました。
ちなみに、こちらはフィルムカメラ時代に寒冷地でカメラを駆動させるために、電池をポケットなどにホッカイロと一緒に入れ温め、カメラ本体にはケーブル先に繋がっているダミーを入れて作動させる物です。
▲見たことないでしょう〜。
▲黒いカバーに乾電池を入れて懐に入れ、左上のダミー電池をカメラ本体に入れる。
▲これは、カメラ本体自体が大きな電力を必要としないので、ポケットなりにしまっておく電池ケースも小さい。左側はダミー電池。跳ね上げるミラー自体は凄く大きんですけどね。
知らないひとが圧倒的かと。
ただし、この辺りはミニ四駆ともちょっと関係してきますが、カメラ本体の各所に油脂が使われている都合、あまりの寒さにその油脂が固くなってしまい、電池は生きているのにミラーが上がったままになるや、フィルム巻き上げが鈍い、絞り羽根が止まる、などのトラブルもありました。
それなので、使う直前まで、カメラ本体も上着の中、なんていう使い方もしました。関係するのが、この『油脂』で、不思議なことにミニ四駆界隈は「脱脂」が主流ですが、じぶんは反対派です。潤滑油など、ふんだんに使っています。
そのため、写真 1 枚目のようなことが起きます。
▲本番テストの時刻表示は、《15:52.06》。気温16.0℃は、寒いとも言えないが、暖かいとも言えない。
これ、ヘタレ電池で今回のテストが正常に行えるか、事前テストをした直後のCUTです。時刻見ると解りますよね。気温も、16 ℃ 。
何が言いたいか、というと潤滑油類を多く使っているじぶんのマシンは、初期状態だと 26 km / h の数値だった、ということです。ここで油分が馴染んだり柔らかくなったことで、次の本番以降では 31 という数値に変わっています。脱脂してるひとは無関係ですが、多少なりグリスなどを入れているひとは、事前に少しマシンを動かしておいたほうが良い、ということです。
特に冬季は。先の動画でモーターの変化もありました。正確には、モーターには油分はなく、暖気も必要ない構造ですが、それでも会場に於いても「ならし」はしておいたほうがよさそう、ということです。
また、なんかネタ浮かんだら記事作ろうかと思います。今さらだったかな? ごめんちゃい。
※追加情報/
ある筋によりますと、モーターと電池の相性、というものもあるそうです。曰く、カーボンブラシを使っているモーターは、大電流を必要とする(『電圧』ではないですよ)。それにより、走らせ続ける(モーターが回転し続ける)につれ『電圧』が落ちていくアルカリ乾電池よりも、「電圧をそこそこにキープ」し、しかし大電流を供給し続けられるニッケル水素電池のほうが、「大きなコースを走らせるレース」では、『向く』と言うのです。
確かに、充電池は初めから電圧は低いですよね。ただし、一定の電流を放出し続けられる、というのです。カーボンブラシというのは、そもそもはブラシそれ自体の耐久性を企図して採用されています。一般的なこのサイズのモーターに使われるのは、古典的な金属板ブラシで、電気効率に優れています。それと電池自体の相性がある、と。
なので、その説によれば複数回走らせることもある練習会などでは充電池使用が多いが、じぶんも触れている「決勝ではアルカリ乾電池が運営から支給される」ことにより、一発勝負の大レースではそれを見越してのアルカリ乾電池仕様(セッティング)率が高い、と。
そうでしょうね。使っているモーターにもよると思いますが(そもそも決勝の折、セッティングなどを変えてよいのか知らない)、予選はニッケル水素電池で勝ち抜いたが、決勝でアルカリ乾電池に変えた途端、バランスが破綻して実力が発揮できない、という可能性はゼロではないのです。
う〜ん、難しいですね。モーターはタイヤとの相性もあるそうで、その辺りは、先延ばしになったままの《グランプリ2024 スプリング東京大会2》の『考察編』で触れようと考えています。
やかん