御鏡壱眞右往左往

繰言独言、謂いたい放題・・・

さてもさても

2008-09-22 22:00:37 | 環境・農業
中国産の粉ミルクにメラミンが混入し、乳児に重篤な腎臓障害(腎不全)を起こし、死亡事例も出ている、とのニュースはつい先日新聞紙上で目にしていた。
この事件が悪質なのが、事故による混入ではなく、製造過程で意図的に(タンパク質含有量=窒素含有量を多く見せかけるため)混入されていたらしいことだ。
なんとも呆れ果てた話で、いかにも中国らしい、と感じたところだが
冷静に考えてみれば、事業者が自身の利益追求のために有害な異物を混入して知らん顔を決め込んでいた、という点では先の三笠フーズ辺りとその本質において変わるところは無いのかもしれない。

メラミン(1,3,5-トリアジンー2,4,6-トリアミン)は、いわゆるメラミン樹脂の主原料となる有機化合物である。
近年あちこちで見かけられるようになった「メラミンスポンジ」の他にも、
その難燃性・電気絶縁性・機械強度などを生かして身の回りの日用品に利用されている。
その急性毒性は十分に低く、いわゆる使い勝手のいい素材だった。
今回の件が引き金になって、これから先、妙なことにならなければいいのだが。

繰り返すが、今回の件は事故ではない。故意である。
我利に目を奪われた愚挙であり暴挙である。
ある意味、実際のハザード及びリスクとはこの際分けて考えることが必要だ。
例が適当でないのを承知で引くならば、
例えば線路上の置石の危険性は、ある程度の分別があれば理解できるはずだ。
このとき石そのものが危険というよりも石をレール上に置くという行為が危険なのだ。
従ってこの行為は厳重な罰則をもって処断される。
メラミンにしても事故米にしても、その存在が問題なのではなく、
使われれるべきではない用途で使用されたこと、その行為こそが最大の問題なのである。

今回、日本と中国で問題が表面化したわけだが、
過去には韓国などでも食品に生ごみが混入されていたことがあった。
そうすると、こういった、やったモン勝ちで自分の利益を優先する傾向というのは
アジア人種に共通するメンタリティなのだろうか。
そうは思いたくないものだが、ここに至ってもう一つの恥ずべき、あるいは唾棄すべき事例を思い出してしまう。
それは第一次大戦中、直接に戦争にかかわらなかったアジア極東の某国が
戦場に送った食糧の缶詰には、かなりの割合でオガクズなどで嵩を増したものが混じっていたとの話である。
まあそこまで行かずとも、観光地などの土産物の箱などに顕著に見られる底上げや十二単と呼ばれる過剰包装などは
既に日常的なものであり、ある種常識となっていることを考えれば、
なんとも遣り切れない思いを覚えるばかりである。

そして中国やその他の国々は、我々がかつて来た道をいま辿りつつあるという。
先を歩んでいるはずの我々が、彼らと同じ愚挙を冒すとすれば
進歩がなさ過ぎはしまいか。

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