御鏡壱眞右往左往

繰言独言、謂いたい放題・・・

で、結局のところ何が言いたいの?

2008-06-30 23:44:28 | サイエンス?
さて、過去にも何度かご登場いただいている
信念の人、吉岡「水は変わる」英介氏が、またまたアレな発言をものしてくれている。

氏は自身の論を展開するページ上で、「科学に縁のない人々」と題して
自身が会長を勤める会社で販売している磁気活水器のユーザーの声を紹介している。
これは、現在進行中の裁判のなかで

「(磁気活水器の)効能の具体的内容を明らかにされたい」

との指摘に対して使用者の体験談を多数示し、
それらに対してさらに

「これが(磁気活水器の)効能か否かについて、具体的に明らかにしていない」

と再度突っ込まれたことに対しての反論のつもりだろうと思われる。

が、そのロジックが決定的に破綻している。
吉岡氏の論理では、

 1.「つまり我々のパンフレットには、効果効能など書いていないのである」
 2.(書いていないから)「実際のものよりも著しく優良であると示しているわけがない」
  →優良誤認を誘導する「不当な表示の禁止」には抵触しない
 3.パンフレットには「赤い文字で強調して」注意書きが付いており
   「普遍的に起こらないことは、個々の体験であって、製品の効能ではない」

としたうえで、こう述べている。

 「効能を知りたいとうので、その実例を証拠書類として(裁判に)提出した。
  それらはもちろん、『磁気活水というものにはどういう効能、効果があるか』ということである」


…ちょっと待てぃ!
提出した証拠書類とするものと、パンフレットに紹介された「個々の体験」は
ほとんど同工異曲、内容程度に差は無いのだが、
片や「普遍的に起こらない個々の体験」で他方は「効能の実例」なわけですか?

で?
「効能」はあるの?無いの?
パンフレットに載せた「体験談」は「効能」なの?それとも違うの?

「むしろ、いわゆる活水器の効能を誤信して取引した被害者が多数いることを窺わせる事実といえる」

という指摘を間接的に支持するに十分に思える。
論点をずらす為かもしれないが

「(合理的な根拠の提示を)を求める権限を持つのは公正取引委員会であり、それ以外ではない」

などと強弁しているが、もし仮に購入者からそれを求められても
同様に主張するおつもりだろうか、この御仁は。


さらにツッコミどころは多いが、とりあえずあとひとつ。

「一方に、成分が変わらないのに甘くなるはずがない、というケミストらがいるが、
 味覚は電気信号だから、水の電気的構造が変化することで、
 味蕾細胞の受信の仕方が変わって、甘いと感じることはありうるだろう」

おーい、味覚は「化学的な刺激」だよー。
感覚受容器から発生する信号は確かに電気的なものだけれど
味蕾細胞が電気的な刺激を受容しているわけじゃないんだよー。

 「こういうことに好奇心や感動を持たない者は、科学には縁がない」

好奇心は良いとしても、感動して御終い、じゃ意味が無いねー。
「感動」っていう感動的な言葉で思考停止するのは科学的な態度ではないよねー。
「科学に縁のない人々」って、誰のことだろうねー。

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