御鏡壱眞右往左往

繰言独言、謂いたい放題・・・

消えていく言葉

2007-01-26 22:33:25 | 言葉・歳時記
母が台所で何か探している。
何を探しているのかと問うと、「アミジョウケ」だという。
しばらく考えて、ああ、「網笊桶」か、と納得した。
久しぶりに聞いた言葉で、咄嗟に意味がわからなかったのだが
分かってしまうと何のことはない、金網のザルのことだった。
きんぴらごぼうを作るのだという。

それにしても、懐かしい言葉を耳にした。
そう思って、なんとなくネットで「笊桶(しょうけ)」と検索をかけてみたところ
ヒット数0件…。
古い言葉だからなあ、と苦笑しつつ
職場にあった講談社版日本語大辞典なるもので引いてみたが
やはり載っていない。
広辞苑にも無かった。
既に完全に死語なのだろうか。
そう思いながら調べ続けていくと
ネット上の辞書で
「笊器(そうき)」という言葉に行き当たった。
もしかするとこれが訛った、所謂方言なのかも知れない。
いずれにしても、書籍のほうの辞書には載っていなかったのだが…

「しょうけ」は竹で編んだ笊(ざる)の一種で、
箕(み)、あるいはその目の粗いものを含めて総称する場合もある。
農具として、あるいは日用品として
どこの家にもあったものである筈なのだが
いつも間にか言葉だけが消えてしまったようだ。

言葉は生きものである。
生まれてくる言葉もあるのならば
死んでいくものもあるのが道理だろう…が
それでもその実例を目の当たりに突きつけられるのは
やはり少し寂しい。


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