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頭をちょっと使ってみましょう

頭の体操 時間の間隔

2006-06-19 13:06:58 | 頭の体操
単純に考えると10秒で10回なので、5回なら5秒。
間違いではありませんが、これは答えの中の1部の値です。つまり、答えは或る範囲を示す値になります。

そもそも、問題自体があいまいな部分が有ります。この様な場合、答えが出ないのではなく、答えのある範囲を示すことを行います。

xを使った方程式を立てる方法もありますが、あえて使用しないで考えます。



四角が鐘の鳴っている時間のイメージ

図1:一般的な感覚での捕らえ方

質問中に鳴り終わるまでと言う表現があります。鳴り終わってから、次の鳴り始まるまでが0秒とは書いてはありません。引っ掛け!と思う人が居るかもしれませんが、これが算数と数学との違いです。算数は在るもの在るがまま捕らえればOKです。数学は可能性の想像と、プロセスを確認するためのものです。これを理解していない先生に当たると数学はツマラナイものになってしまいます。

さて、1鳴りの時間は不明です。しかし、鳴り終わる前に鳴り始めることはない時計だとすると。

図2:本来の質問の意味


CaseA:

休みなく鳴った場合、1鳴りは1秒です。
よって、この場合5回鳴り終えるためには5秒掛かります。

CaseB:

鳴る時間が限りなく0秒だった場合(0秒では音は聞こえませんから)、
9回目が鳴り始める時間+1鳴りの時間 = 10秒 となります。

1鳴りの時間が限りなく0と言うことは、鳴りと鳴りの間隔は限りなく
10÷9(秒)に近い時間となります。

図2の四角の長さが限りなく0の場合、四角と四角の間の空白(鳴っていない時間)は10秒間に9回で、各四角の長さが限りなく0なので
(10秒-限りなく0秒×10)÷9 これが鳴りと鳴りの間隔となります。

この場合の、5回目が鳴り終える時間は
5回目が鳴り始める時間=(10秒-限りなく0秒×10)÷9×4
5回目の1鳴りの時間=限りなく0秒

これを足すと
5回目の鳴り終える時間 = 40÷9-限りなく0
5回目の鳴り終える時間 < 40/9


CaseAと CaseBは、鐘が最も長い場合と最も短い場合です。この幅のどの長さかを特定する条件は入っていません。よって答えは範囲で表すしかありません。



答え!

5秒 ≦ 5回目の鐘が鳴り終える時間 < 40/9秒

と言うことになります。

人間は文章(言葉)で考えます。これでは思考するのに時間が掛かりますし、第三者がそれを評価し難いので、数式やグラフでイメージとして考え伝えることが生まれてきました。
この問題は2つの連立方程式で解くことができます。しかし、連立法手式を解くことに意味があるのではなく、ある問題がどのような連立方程式になるか想像できることが数学としては大切なことです。

鐘が複数付いている場合も考えることができますが、問題としては美しくなくなります。



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