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シャオさんのつれづれ思う故に(BLOG版)

私、シャオが日々の移ろいの中で、感じたこと、思ったことを書きためていく所です。

TRPG版無限のファンタジア~倒せ、グドンを! 守れ、海を!! 3

2005年10月22日 23時50分00秒 | 日常のつれづれ
5.悪戦苦闘…そして、救援
 穏やかな海、水面は青く輝いて、空は水面同様に、澄み切っている。そして、空と海が遠くの地平線で一つにくっつきそうなくらいに青かった。波も穏やかで、
「団長、あの船じゃなくって、良かったですね。」
 アクエリアがこう言うと、イルグレも怪しい騒ぎを起こしているもう一艘の船を見つめつつ、「あの船、転覆しないかなぁ~。」と不安そうな表情と物珍しげな視線とを合わせてながら、見つめていた。
 一方のその噂の船では、舳先にキタハッチーがおり、何か「ア~チチ~、アチ~、燃えてるんだろうか?」と言う曲が聞こえそうなぐらいの勢いで怪しい動きをしていた。
「おらぁ、この船に乗るのは間違ってたがもなぁ~。」
 その後ろでぼやいているタロスがいたり、その側にはちょっと船に弱いパッフェルがいるわけで…。
 そんな彼らを遙か岩礁から様子を見ている一団がいるとは思わなかっただろう。そう、彼らが倒すべき相手であるシャチグドンたちが、彼らの様子を見て、襲撃の指示を出していたのを…。
 それから、数分後、パッフェルが異変に気づく。
「どうも、招かれざる客たちがいるみたいね。みんな、気をつけて。」
 シールドボウを構え、出現するだろうと思われる相手に警戒している彼女。
 反対の船はと言えば、そんなことなどつゆ知らず、わいのわいのと騒いでいた。
 そして、異変に気づいたパッフェルの予感は当たり、暁のデストロイ団は、シャチグドンの群れに襲われることになった。
「グドンが来ましたよ!」
「逆に刺身にしてやるぜ、フォー!!」
 パッフェルとキタハッチの声が洋上にこだまする。その声にようやく気づいた時には既に遅く、数体のグドンが船の上に現れていた。
 急いで戦闘態勢に整え、迎撃する体制をする暁のデストロイ団、しかし、タイミングが遅く、アクエリアがシャチグドンの餌食となっていた。
 船に乗ったシャチグドンたちを、タロスが叩き、パッフェルは闇色の矢を放つ。
「貫き通す矢」―牙狩人のアビリティーの一種である。狙いを違うことなく一体のシャチグドンに命中し、矢は、そのまま、布をも貫いていった。
 一方、別の船では、「せいっ!」と言う一言ともに切り裂かれたシャチグドンは海原へと沈んでいった。
 再び、シャチグドンがアクエリアに襲いかかり、鼻から放たれた衝撃波によって、海に落とされてしまった。
「気高き銀狼~、フォー!」と何か違った意味で熱いキタハッチの声とともに、現れた銀狼は、シャチグドンの一体を海へと沈めた。
 そのまま、ダメージを与えあう双方。その最中、奇跡が起こった。
「この豊漁の海を守る戦い、助太刀します!」と言うと、後方から暁のデストロイ団を追いかけるように現れた漁船に乗っているドリアッドの青年の左手に、矢が形成されていく。作り出された矢は、白く色づけられた弓にオーキッド色の巨大な盾が付けられた強弓「セイヴァー」から射出される、青年の視界に入ったシャチグドンに向けて…。
 白く光り輝く矢は、青き水面を通り、シャチグドンの一体に命中した。そのまま、沈みいくシャチグドン。それを確認した後、熱した銅、あるいは、鉄のような輝きを持つ赤い髪の青年が「私も同感です。イオさん、行きましょう!」と彼の髪と同じ色の弓の弦を引き絞り放たれた矢は、ドリアッドの青年同様、光の軌跡を描く「ホーミングアロー」。
 その矢はシャチグドンの眉間に命中し、そのまま、後ろへ倒れ込んだ。
「貴様らには、その矢で十分だろう…。」
 氷を宿したような目で、青年は、シャチグドンに一督をくれていた。
 突然の救援に驚く「暁のデストロイ団」。
 力強い応援を得たものの、「何故、牙狩人たちが、そこにいるのか?」と言う漠然とした疑問が、暁のデストロイ団の団員たちの脳裏に浮かんでいたが、二人の牙狩人の弓から放たれる矢がシャチグドンたちを襲いかかっていた。
 タロスの大地斬、水中からはアクエリアの攻撃、そして、パッフェルの貫き通す矢、キタハッチの気高き銀狼がシャチグドンを襲いかかっていた。
「環境保護団体は黙ってろ、フォー!」
「よくも仲間を傷つけてくれたわね。喰らえ、我が宿敵!」
 二人の魂の叫び、もしくは、何ともいえない叫びが海辺に広がっていた。
 それを見ていた、後方の二人は…。
「マイトさん、タクワさんがどうして、僕たちに応援を頼んだか、僕、分かった気がします。」
「私も、タクワさんが、私たちを頼んだのか、分かりました。」
 溜息混じりに言った。しかし、戦闘と、そうでないときの切り替えは慣れているもので、すぐさまシャチグドンの群れに向けて、弓を引き絞り、矢を放っていた。
 胸の奥に激情を秘めて…。
「これでとどめだ!」
 イルグレの一撃が、シャチグドンの一体を切り裂いた。
 そして、キタハッチが空を飛び、イルグレの船へ向かう。
「団長、助けてきたぜ、フォー。」と言い、次に一言。「気高き銀狼、フォー!!」と腰を中心にして、紋章を描き、そこから、銀狼が現れる。銀狼は傷ついたシャチグドンにかみつき、そのまま、海の底へと沈んだ。
 戦闘後、船に上がったアクエリアが一言。
「私が働くなんて、やれやれだね。私、もう疲れた。一生分働いたわ。」
 こう言いつつも、重傷を負った仲間たちの傷を「癒しの水滴」で治していた。
「皆さん、お怪我は?」
 後方からやってくる船から、赤い狩衣を纏った青年が戦いを終えた暁のデストロイ団に声をかけてきた。
「皆さん、大丈夫ですか?」と彼らの怪我の具合を心配したドリアッドの青年も、彼らを心配そうに見つめつつ、声をかけてきた。
「あんたたち、何しにきたんだべ?」
 タロスが二人に声をかけてきた。
「実は、霊査士のタクワさんから、皆さんのサポートを依頼されたんです。申し遅れましたが、私はマイト。ヒトの牙狩人・マイト=マイアースと申します。」と赤い狩衣を着た青年が自己紹介をすると、隣にいたドリアッドの牙狩人の青年も、「僕も、マイトさん同様、タクワさんから、サポートの依頼を受けましたドリアッドの牙狩人・イオ=ロードナーと言います。皆さん、よろしくお願いします。」と自己紹介をする。
 実は、この二人、それぞれ「赤と白の狩人」、「永遠の旅人」と言う通り名を持つ著名な冒険者でもある。もちろん、ワールウインドのメンバーは著名な舞踊家、演奏家であるとともに、著名な冒険者でもあり、それぞれが、それぞれの特性を生かしたクラスに就いている。
「俺たち、タクワさんに信頼されてねぇべな。」とタロスは苦笑いしながら言うと、パッフェルはイオに淡い憧れを抱き始めつつ、「私たちも自己紹介をしませんと…。私はドリアッドの牙狩人、パッフェルと申します。」とパッフェルが自己紹介をする。それから、各自自己紹介をしつつ、応援に来た牙狩人たちを、温かく迎え入れた。
 一方で、イルグレは「タクワさんを小一時間問いつめたいんですけど…。」とマイトとイオに尋ねた。
「僕は、特に止めませんけど、霊査士の職業特性を憶えていてくださいね。」と笑みを浮かべながらイオが答えた。
 それから、しばらく休憩をとる一行。
 イルグレとアクエリアが乗っている船は、彼らは恋人たちの様相を呈していた。
 そんな彼らも休息後、再び岩礁へと向かい始めた。
 岩礁側では、某かの異変に気づいたのか、シャチグドンの頭領が、3匹のグドンに海で何が起きているのか見に行くよう命じた。その指示に従うシャチグドン。そのまま、暁のデストロイ団とイオとマイトがいる船へと向かった。
「皆さん、気をつけてください。どうやら、再び、招かれざる客人がお見えのようです。」
 マイトが何かの気配を察知したのか、こう告げると、一行は警戒態勢を取り始めた。
「イオさん、気をつけて…。」
 マイトがこう言うと、イオは「分かりました。マイトさんも、気をつけてください。」と返す。
 水平線に、小さい気泡がぷくぷくと現れる。それとともに現れたのは、シャチグドン。
 まずは、マイトとイオの矢がシャチグドンたちに放たれて、姿を現した瞬間に、そのまま水面へと戻されていった。もう一体のシャチグドンも暁のデストロイ団の集中砲火により、そのまま、海へと沈んでいくのであった。
「団長、もう、私疲れた。一生分働いたわ。」とアクエリアが言うと、「もうちょっとだから、我慢しようね…。」とイルグレがなだめている。しかも、水に入ったため、びしょびしょに濡れたままの服に毛布をかぶせ、膝枕をしている。
 それを見た漁師の心中には、黒い嫉妬の炎が燃えさかっていた。

6.決戦、そして…。
 岩礁へ向かう7人の冒険者、船を岩礁の側に付け、最後の決戦へと向かう。
「あそこにいるシャチは、全部刺身だ。食っちまうぞ!!」
 団長のイルグレのとんでもない言葉に、団員たちは結束力を高めたが、二人ほど、きょとんとしていた。誰かと言われれば、タクワから要請で応援で来ていたマイトとイオであった。
「マイトさん…。僕、タクワさんが僕たちを応援に呼んだ理由が分かる気がします…。」
「私も同感です…。グドンを食べること自体、何か間違ってると思います。ははは…。」
 マイトは、もはや笑うことしかできなかった。
 一方でパッフェルは、その趣味を生かせることに目をランランと輝かせていた。
 そして、岩礁へと上陸した7人を待ち受けていたのは、シャチグドンの群れと、その頭領と思しきグドンであった。
「僕らがやるしかないんですよね、マイトさん。」
「私たちが決着を付けるしかないでしょう…、参りましょう。決闘の地へ…。」
 マイトとイオは互いに視線で合図を送る。そして、その顔には何か決意を秘めた物があった。

「これ以上、お前たちの好き勝手にはさせない!」
 イオの一言ともに射出されるは蒼き稲妻を纏った矢―ライトニングアロー―がシャチグドンの一頭の心臓を貫いていた。
 頭領がイオに向けて銛を放つ。しかし、素早いステップで相手の攻撃をかわし、シャチグドンたちの注意がイオに向けられている間に、マイトが紅の矢―ナパームアロー―を放つ。
 後陣に配していたシャチグドンの群れの後ろに矢が突き刺さる。そして、閃光、爆発。瞬く間に、3体のシャチグドンが爆炎に巻き込まれた。
「敵は7人いるんだ。どこにいるかよく見てから、戦うことだな…。」
 マイトが氷を宿した瞳をきっと、シャチグドンたちにくれていた。
 その勢いに乗る紅のデストロイ団、パッフェルが放つ影縫いの矢は、頭領の動きを止めた。
 しかし、悪夢が彼らを襲う。
 一体のシャチグドンがタロスに襲いかかった。しかし、次の瞬間、アクエリアが身代わりとなった。彼女の体から流れるは紅の雫。
「だれも、傷つかせない。それが、医術士だから…。」
 そういい、グリモアの加護を失ったアクエリアの背中には、漆黒の翼が生えた。
 その光景を目の当たりにしたイオは、「許さない…。許せない…。守れなかった僕も許せないけど、それよりも豊漁の海を荒らし、村人を苦しめているお前たちを僕は許さない!」と呟くように言う。そして、再び彼の手に作られるは、蒼き稲妻の矢、ライトニングアロー。
「マイトさん…。行きます!」
「イオさん、サポートします…。」
 二人の視線が一瞬交差する。そして、マイトの手には、先ほどと同様に、紅い矢が作られていた。
「この海を荒らしたこと、仲間を傷つけたこと、そして、我とイオを怒らせたこと、全て冥途で後悔するんだな…。さらばだ………。」
 イオが頭領に向け、ライトニングアローを放つ。その矢は、頭領が纏っていた簡単な革の鎧をも貫き、胸の急所へと突き刺さり、マイトが放った紅い矢は、また、爆炎とともにシャチグドンを業火に包ませていた。
 マイトとイオの静かな怒りがシャチグドンを圧し始め、そして、たたみかけるように放たれるパッフェルの貫き通す矢や、タロスの大地斬が、キタハッチの気高き銀狼が放たれる。一方的に押し始めた。
「これで終わらせてあげる!」と言うパッフェルの一言ともに、放たれた貫き通す矢は、シャチグドンの眉間に当たり、そして…。
「そして、アクエリアの分だ。くたばっちまえ!!」と言うイルグレの怒り一刀が最後のシャチグドンの体を切り裂いた。

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