予感

　大樹の街フレイハルト、マイトがこの地の近くにある旅団に来てから、1ヶ月が経った。しかし、本来戻ってくるべき人物は彼の側におらず、行方不明となっている。
「全く、どこ歩いているでしょうか…。」
　マイトは静かに街を散策する。
　彼が旅立って以来、同盟は混沌の中にあり、その未来を見いだすことが出来ない状況であった。

　風がマイトの頬をそっとなでた。
「もう春も終わりなのに…。」
　先日、とある旅団で彼が共に行動した少女のお別れ式に参加した。
　しずしずと彼女の冥福と彼の無事を祈り、舞を舞う。嘗て、その少女の誕生日に舞った舞を…。観客はおらず、ただ、自然との対話のみであった。

「大好き」

　太陽の沈まぬ国から届いた小さな一言、これを彼に告げるべきだとは思っている。しかし、肝心の彼がまだ戻ってこない。
　参加できなかった悔しさを隠し、ひょうひょうと依頼を受けていった。
　いつしか、マイトは、同盟諸国でも指折りの実力を持つ牙狩人となっていた。
「召還獣がなくたって、モンスターやグドン、他の列強種族に対抗できるはずです。
　ならば、私はそれを証明して見せましょう。」
　昨今の「召還獣＝一流の冒険者の証」という風潮に、あまりいい気がしない。
　しっかりとした策を練れば、確実に召還獣なしでも戦えることを自らの体で示していく。そんな道を彼は選んでいた。

　再び、風が彼の頬をなでた。
「ん…、何なのでしょうか。風がやけに生暖かい…。嫌な予感がします…。」
　マイトは、手にしていたお守りをそっと見つめた。
　お守りからは、微かに声が聞こえた。

　大丈夫です。僕は必ず、ここに帰ってきます。
　それが、僕と…あなたの約束だから………。

　ノスフェラトゥとの再戦前、嵐の前の静けさだった…。

　続くのか、それとも、続けるのか？
　と言う話は抜きにして、待つ側の視点で描いてみました。
　待つ方が待たす方より大変なんですよ～。
　特務部隊、最後の依頼が出たようです。
　プレイング次第では「全滅」という不協和音が奏でられそうです。難易度は「至難」でしょうか？
　さてさて、明日はいよいよ、むげふぁん東京コンベンションです。
　声日記にも書きましたが、運が良ければ、何方かをとっつかまえて収録したいと思います。
　ネタの準備良し、後は卓が立つかどうかですね…。