「西へ行ってきます。」
赤い髪の青年が言った一言。その言葉の重さは本人がよく分かっていた。
あの日、西方ドリアッドを救うための先触れとしてソルレオン領をレルヴァへと駆け抜けた。
しかし、結果はソルレオンの滅亡とレルヴァの陥落、多くの冒険者の死を見つめてしまった。
彼の冒険者としての誇りと言うよりは、ソルレオンを、西方ドリアッドを救えなかった事への悔いと罪の意識が残っていた。
戦時下の同盟領を離れることに対しては、罪悪感が青年の心に残っていた。
しかし、無二のパートナーと同じ姿形をした人が、トロウルの蹂躙の憂き目に遭い、そして、ソルレオンという後ろ盾を失い、悪の旗の名の下に集いし異形の集団に襲われている剣無き人がいることを思うと、居ても立ってもいられずに志願していた。
その結果、入団許可がおり、西の地へ赴くこととなった。
「今までは、祈ることしかできませんでしたが、これからは、祈られる側ですか…。」
ちょっと苦笑いをしてつつも、翠の髪の青年を見つめていた。
彼は同盟に残り、地獄で戦うことを選んだ。平時であれば、西へ行くことを選んだはずなのだが…。
「マイトさん、気をつけて行ってきてください。そして、御武運を…。」
旅立つ前にパートナーに言われた言葉、その言葉には、なにがしかの不安を隠している様に思えていた。
「大丈夫です。私は必ず帰ってきます。
第一、あなたが私との約束を破った事がないのと同じように、私があなたとの約束を破ったことがあります?」
「そうですね…。僕としたことが…。
ただ、本当に気をつけてください。」
「ええ、分かってます。」
「やっぱり、心配なんですね。今までは、見送られる立場でしたし、見送る立場になるとは思っていなかったでしょうし。
気負いもせずに自らのペースで、自らが出来ることをやれば、自然と道は出来るはず。」と彼の心中を察しつつ、新たなる決意を秘めていた。
「では、行ってきます。」
そう言って、荷物を持ち、青年は集合場所へと赴いた。
「気をつけて…。」
そう言った翠の旅人は、両手をあわせて、ただ静かに目を閉じていた。
その姿は、祈りの姿によく似ていた。
ただ、彼は、達筆な字で書かれた一枚の書き置きと旅人の誕生花である白詰草を彼の机においていった。
「誕生日おめでとうございます。
これからの一年、あなたにとって、素敵で、素晴らしい年であらんことを…。
あなたの良き友
マイト・マイアース」
そう、自らが出立してから2日後は、彼が生まれた日。その日を彼の前で祝うことが出来ないことを少し悔やみながら、旅立っていった。
そして、多くの人に、気をつけてと言われつつ、旅立っていった。
二度と戻れぬ迷路を 地上絵は過ぎ行くのか
声の限り呼び止める 最後の遠吠えにも気付かぬまま
「マイト・マイアース、ただいま到着しました」
女性の霊査士を筆頭に希望のグリモアの元に集いしは47人の精鋭。
これから、西方の旧ソルレオン領を舞台に、悪の旗の元に集いし異形共との戦いが始まる…。
続くのか?
続けるのか?
果たして、どっちなのか?
それはそうなのですが、今回、マイトが旅立つ前の風景の点描です。
今回のマイトの視点で見てみました。
別の視点で書かれるとちょっとうれしかったりします。
また、機会があれば、書いてみようと思いますので、宜しくお願いします。
準備よーし!
赤い髪の青年が言った一言。その言葉の重さは本人がよく分かっていた。
あの日、西方ドリアッドを救うための先触れとしてソルレオン領をレルヴァへと駆け抜けた。
しかし、結果はソルレオンの滅亡とレルヴァの陥落、多くの冒険者の死を見つめてしまった。
彼の冒険者としての誇りと言うよりは、ソルレオンを、西方ドリアッドを救えなかった事への悔いと罪の意識が残っていた。
戦時下の同盟領を離れることに対しては、罪悪感が青年の心に残っていた。
しかし、無二のパートナーと同じ姿形をした人が、トロウルの蹂躙の憂き目に遭い、そして、ソルレオンという後ろ盾を失い、悪の旗の名の下に集いし異形の集団に襲われている剣無き人がいることを思うと、居ても立ってもいられずに志願していた。
その結果、入団許可がおり、西の地へ赴くこととなった。
「今までは、祈ることしかできませんでしたが、これからは、祈られる側ですか…。」
ちょっと苦笑いをしてつつも、翠の髪の青年を見つめていた。
彼は同盟に残り、地獄で戦うことを選んだ。平時であれば、西へ行くことを選んだはずなのだが…。
「マイトさん、気をつけて行ってきてください。そして、御武運を…。」
旅立つ前にパートナーに言われた言葉、その言葉には、なにがしかの不安を隠している様に思えていた。
「大丈夫です。私は必ず帰ってきます。
第一、あなたが私との約束を破った事がないのと同じように、私があなたとの約束を破ったことがあります?」
「そうですね…。僕としたことが…。
ただ、本当に気をつけてください。」
「ええ、分かってます。」
「やっぱり、心配なんですね。今までは、見送られる立場でしたし、見送る立場になるとは思っていなかったでしょうし。
気負いもせずに自らのペースで、自らが出来ることをやれば、自然と道は出来るはず。」と彼の心中を察しつつ、新たなる決意を秘めていた。
「では、行ってきます。」
そう言って、荷物を持ち、青年は集合場所へと赴いた。
「気をつけて…。」
そう言った翠の旅人は、両手をあわせて、ただ静かに目を閉じていた。
その姿は、祈りの姿によく似ていた。
ただ、彼は、達筆な字で書かれた一枚の書き置きと旅人の誕生花である白詰草を彼の机においていった。
「誕生日おめでとうございます。
これからの一年、あなたにとって、素敵で、素晴らしい年であらんことを…。
あなたの良き友
マイト・マイアース」
そう、自らが出立してから2日後は、彼が生まれた日。その日を彼の前で祝うことが出来ないことを少し悔やみながら、旅立っていった。
そして、多くの人に、気をつけてと言われつつ、旅立っていった。
二度と戻れぬ迷路を 地上絵は過ぎ行くのか
声の限り呼び止める 最後の遠吠えにも気付かぬまま
小暮伝右衛門:地上絵~野生の王国のテーマ~より
「マイト・マイアース、ただいま到着しました」
女性の霊査士を筆頭に希望のグリモアの元に集いしは47人の精鋭。
これから、西方の旧ソルレオン領を舞台に、悪の旗の元に集いし異形共との戦いが始まる…。
続くのか?
続けるのか?
果たして、どっちなのか?
それはそうなのですが、今回、マイトが旅立つ前の風景の点描です。
今回のマイトの視点で見てみました。
別の視点で書かれるとちょっとうれしかったりします。
また、機会があれば、書いてみようと思いますので、宜しくお願いします。
準備よーし!
いつもの様に、こちらからもトラックバックを貼らせてもらいました。
いやー、やっぱりバレバレでしたか。
実際の所はどうなのかなと気になっていて…(勿論PC的に、ですよ
勝手にあんな事書いておいてなんですが、問題無かった様で良かったです。
と、警衛隊の方で忙しいと思うので、長々とは書かずにこの辺りで。
大変でしょうけど、頑張って下さい。
白詰草の花言葉の一つ。
固く結んだその二文字が、違えられない事を祈っています。
警衛隊は、本当に忙しくなってきました。
150字の小論文(と書いてプレイング)を済ませたばかりです。
あとは、感情活性化を…。
今宵もなかなか眠れなさそうです…。
PCとしては、何となく言動とかでつかめたりするのかも知れませんね。「あ、心配してるんだなぁ。」とか…。
白詰草のもう一つの花言葉、相分かりました。
違えないように、精一杯出来ることだけはしようと思います。
それから、別の花言葉ですがイオさんって、前者でありつつも、こっそり後者だったりと言ってみるテスト。(何)
マイトがレルヴァやエンプレスマインド戦で暴れたり、今回の特務にはいってるって、多分、その影響をもろに受けてるんだと思います。
それから、待つ方は徐々に徐々にストレスが来るんですよね…。(私だけか?)
また、こっそりとSS描かせてもらいますので、宜しくです。