毎月の家賃をクレジットカード支払いにできる「RentEase」っていったいどんなサービス?綿谷 禎子様記事抜粋25/03/23 7:00_
政府が進めるキャッシュレス決済。2023年のキャッシュレス決済比率が39.3%となり(経済産業省調べ)、現金のみでの支払い店舗が随分少なくなってきた。そんな中、キャッシュレス化が進まないのが家賃だ。
最近ではクレカ決済が可能な賃貸物件も増えてきたものの、利用するにはあらかじめそういった物件に入居する必要がある。また、賃貸会社が発行するクレカでしか支払えないなど、制限があるケースも多い。
そんな昔ながらのスタイルの不動産業界に対して、家賃をクレカ払いにできる国内初のアプリ「RentEase(レンティーズ)」が登場した。いったいどのようなサービスなのか。その内容とメリットについて、運営会社のPropTech Japanの取締役である伊藤幹人氏に聞いた。
「RentEase」ってどんなサービス?
「日本では家賃の支払いは振り込みか口座引き落としが主流です。一方、世界ではクレカ払いできるアプリなどが利用されてきています。私たちの企業理念は“すべての人々にスマートで快適な暮らしを届ける”です。家賃をクレカ払いにできたら、もっと便利な世の中になるのではないかと、このサービスをリリースしました」と伊藤氏。
RentEaseは登録料や月会費などは無料のアプリで、個人から法人まで幅広く対応。現在、契約中のマンションやオフィス、店舗、倉庫など、賃料が500万円までの物件に対して利用することができる。必要なのは賃料の5%(別途消費税)のサービス利用料で、クレカ決済時に家賃と合算して引き落とされる仕組みだ。
毎月の賃料支払い額に対して、最大1.2%のRentEaseポイントがたまり、1ポイント=1円として、今後、バーチャルプリペイドカード(2025年内搭載予定)の支払いに利用したり、家賃に充当(今後のアップデートで追加予定)できるようにもなる。また、家賃をクレカ決済すれば、その分のクレカのポイントもためることができる。

家賃の振り込み日は毎月25日を設定。それに対して毎月15日までに普段、使っているクレカを使って支払いを行うことで、今まで通り自分名義で25日に家賃が振り込まれる。対応するクレカは現在、Visa、Mastercardのみ。JCB、American Express、UNIONは2025年中旬に対応予定だ。
そのあとはクレカごとの引き落とし日に、家賃とサービス利用料が銀行口座から引き落としになる流れだ。最初に設定しておけば、支払いの操作を自動で行うこともできる。1回だけの利用や、不定期に利用することも可能だ。
利用する前には申込者や物件情報を入力して本人確認を行い、賃貸借契約書の内容に基づいてアプリ専用の賃貸借契約書を作成する。このアカウントの登録者の名前と決済するクレカの名義は同一人物である必要があるのだが、家賃の振込名義は自由に設定できるので、子どもや親族、友だちなどの家賃を直接支払うことが可能になる。
サービス開始日:2025年3月3日
登録料・月会費:無料
対象:個人・企業の月額賃料最大500万円まで
ポイント還元:最大1.2%(RentEaseポイント)
対応のクレカ:Visa、Mastercard(JCB、American Express、UNIONは2025年中旬に対応予定)
「RentEase」を利用するメリットは?
家賃がクレカ決済できて便利なことはわかったが、一方で家賃に対して5.5%のサービス利用料がかかる。正直、この金額がなかなか侮れないと感じる。
仮に1%還元のクレカで決済し、RentEaseポイントも得られたケースで実質負担額を試算したところ、家賃6万円で2517円の支出になり、家賃が20万円では7490円の支出になった。なお、1%還元といってもクレカによって100円で1ポイントもあれば、1000円で10ポイントのものもある。今回は純粋に1%として試算した。また、クレカのポイントもRentEaseポイントも1ポイント=1円相当として試算している。

これに対して伊藤氏は、「サービス開始当初から万人受けするサービスではなく、非常にニッチなニーズに対応するサービスだと思っています」と言う。
「RentEaseではいつもの家賃額にサービス利用料がかかってくるので、その負担が惜しいという人もいれば、それを出してでもクレカで支払いたいという人もいます。今月、お金が足りない人にとっては、クレカ払いにすることで、その分を来月に繰り越すことができます。また海外の人が家賃を支払うためには日本の銀行口座を作ったり、日本円に両替する必要があります。我々のサービスはもちろん海外で発行されたクレカでも利用できます。クレカ決済後は自国の口座から引き落としされます」とその利便性について語った。
実際、先頃、実施していた事前登録キャンペーンでは、約2カ月半で約3000人が登録を行った。1月31日のプレスリリース発表後にはメディアや投資関連、利用したい人などからも問い合わせが増え、大きな反響を感じていると言う。登録者数の目標は1年後の2026年3月までに30万人。大きく掲げられた目標だが、「海外の状況を考えれば、あながち実現できない数字でもない」と言う。
クレカのステータスアップのために利用
家賃をクレカ払いにするメリットとして、クレカの年間利用額が増加することによって、ボーナスや特典が得られることが挙げられる。
仮に1%還元のクレカで決済し、RentEaseポイントも得られたケースで実質負担額を試算したところ、家賃6万円で2517円の支出になり、家賃が20万円では7490円の支出になった。なお、1%還元といってもクレカによって100円で1ポイントもあれば、1000円で10ポイントのものもある。今回は純粋に1%として試算した。また、クレカのポイントもRentEaseポイントも1ポイント=1円相当として試算している。

これに対して伊藤氏は、「サービス開始当初から万人受けするサービスではなく、非常にニッチなニーズに対応するサービスだと思っています」と言う。
「RentEaseではいつもの家賃額にサービス利用料がかかってくるので、その負担が惜しいという人もいれば、それを出してでもクレカで支払いたいという人もいます。今月、お金が足りない人にとっては、クレカ払いにすることで、その分を来月に繰り越すことができます。また海外の人が家賃を支払うためには日本の銀行口座を作ったり、日本円に両替する必要があります。我々のサービスはもちろん海外で発行されたクレカでも利用できます。クレカ決済後は自国の口座から引き落としされます」とその利便性について語った。
実際、先頃、実施していた事前登録キャンペーンでは、約2カ月半で約3000人が登録を行った。1月31日のプレスリリース発表後にはメディアや投資関連、利用したい人などからも問い合わせが増え、大きな反響を感じていると言う。登録者数の目標は1年後の2026年3月までに30万人。大きく掲げられた目標だが、「海外の状況を考えれば、あながち実現できない数字でもない」と言う。
クレカのステータスアップのために利用
家賃をクレカ払いにするメリットとして、クレカの年間利用額が増加することによって、ボーナスや特典が得られることが挙げられる。
例えば、「三井住友カード ゴールド(NL)」の場合、年間100万円の利用で通常5500円の年会費が翌年以降、永年無料になり、継続特典として毎年、年間100万円の利用で1万ポイントがプレゼントされる。このような年間利用額に応じた年会費無料やポイントが獲得できる特典があるクレカは他にも数多くある。
「dカード PLATINUM」の場合、年間利用額100万円ごとに1万円相当の特典が受けられ、最大4万円相当を得ることができる。
また、「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード」の場合、年間200万円以上のカード利用で、国内のプレミアムホテルに1泊2名で無料宿泊できる特典が受けられる。
クレカ払いのさまざまなメリット
そのほかクレカのポイントを航空系のマイルに交換すれば、旅行にも行きやすくなるだろう。これまで現金のみの取り扱いだった家賃がクレカで支払えるようになることで、さまざまなメリットが生まれる。
「家賃を支払うことでポイントが得られれば、そのポイントで食事ができたり、旅行に行けたりできます。ただ住むためだけに支払うのではなく、さまざまなメリットに展開できます。そういったところも含めて、より良い世の中になると、このサービスをスタートしました」と伊藤氏。
同社のマーケティングによると、年収300万~400万円程度の人、年収1500万円以上の経営者などが、RentEaseのサービスに非常に興味を持っているそうだ。
「おそらく前者の方々は、家賃を翌月払いにできるので、困った時に使えるということで登録いただいている方が多いという印象です。一方、後者の方々に関しては、法人カードで支払うことでポイントが付くので、それを全部マイルにすれば、旅行や出張が行きやすくなるといった見方をしてくださっているようです」とユーザーニーズを分析する。
私たちがお店でクレカ払いすると、お店側はカード会社に3%程度の決済手数料を支払うことになる。家賃の場合、管理会社や家主がその手数料を支払うことになるため、これまでなかなかクレカ払いが普及しなかった。RentEaseのサービスはそんな管理会社や家主と利用者である賃貸者の間に入って、賃貸者が決済手数料を負担することでクレカ払いを可能にした。
ただその場合、実際に銀行口座から引き落としになるまでの間、一時的にRentEaseが家賃を肩代わりすることになりそうだが、「我々はグループ会社に決済事業もあるので、立て替えすることなくまかなえるようになってます」と伊藤氏。この仕組みこそがRentEaseの強みだと言える。
このような国内初のサービスの登場で、家賃のクレカ払いが加速するかもしれない。今後の動きにも注目しておきたい。
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