ワークス編集部日記

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弟も大きくなりました

2006-07-31 23:33:32 | Weblog
歳の離れた弟がいる。彼は、高校三年生。思春期真っ盛りで、母子家庭での高校生としての生活に、金銭的な不満や、母への心苦しさもあろう、現実逃避もあろう、まさに高校中退を決意している。
 友人が、派遣業者へ就職し、若い労働力や労組的関係の排除などの事情を背景に、比較的高収入を目の当たりにしたらしい。就職すると言う。
 結局は、彼の人生。好きにしたらいい。そう結論付けるしかなかった。
 親代わりの私にすれば、母ともども支援してきた立場から、高校は卒業して欲しい。人材派遣業への就職をするなら、使う立場にいてほしいなどとの欲望もあるが、彼はあまりに若く、聞き耳を持てない。
 彼の名は、私が名づけた。彼が未熟児として産まれて、総合的な病院で、飼育機器に入り、弱弱しい声で、生へのこだわりを見せた、あの頃が忘れられない。順風満帆な彼の人生を望む私の今の気持ちは、いや、あの頃の気持ちも含めて、親の気持ちほかならない。現に、私の実子が生まれたとき、ああ、あのときの(弟が生まれたとき)気持ちは、親そのものだと感じたのだから。
 「君、死にたもうことなかれ。」と与謝野晶子は日露戦争に出兵した実弟に詠った。おおげさであるが、私にとっても、彼にとっても、今後の人生を変えるこの節目に、思い出した句である。社の仕事も放り出し、貴方と話した二日間で思ったことは。
 君の人生に私は、最終的に責任を持てない。君自身がすべきことである。からして、君の決断が正しく、俺が誤りなのか?だんだん解らなくなってきた。でも、君は幸せだ。今、この時点で母は、君が人生のすべてなのだ。はたして、私は、母の教育を受け、母のある程度期待に応えて生きてきたつもりだが、その愛を受けてきただろうか、これほどまでに。だから、よくよく考えて欲しい。人を泣かせての決断は、誰も幸せにしないのですよ。母を悲しませることだけは、しないで欲しいのだ。
 さらに与謝野女史は、「君に人を殺せと教えたか?」と父母の教育を思い返すように諭す。貴方に今出来る最高の親孝行は、復学して、高校を全うすること。どうか、家族の心が君に届きますよう、兄は頭を垂れるばかりである。

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