自然の中で考えるマガジン 

岡山県鏡野町とみ山荘からのメッセージです。

今お電話いいですか、と言わない。

2016年08月29日 15時07分23秒 | Weblog
あなたに電話がかかってくる。相手は、今お電話よろしかったでしょうか?と変な日本語で言う。そしてあなたは、今ちょっと忙しいので、と答える。すると相手は、失礼しました、あらためます、と電話を切る。これおかしくないですか?忙しいなら出なければいいし、その後かけ直せばいいのに訳のわからない不毛な数秒間のやり取りをして、ちっと舌打ちをする。なんですかねこれは。電話に出る出ないは自分の選択で、着信音に反応して通話ボタンを押すのは刺激に反応しているだけ。

こんな事を考える私でもメールやチャットよりも電話で話す事の方が大切だと思う。電話アポが怖い人は、電話が面談の次に有効な手段であることを疑わず思いついたら通話ボタンを押して相手とつながってみよう。相手が出てくれたら電話してしまってスミマセンという雰囲気を吹き飛ばし、あなたと話がしたくてかけたんです、というエネルギーを送り届けよう。本当に電話に出られない状態なら私なら出ない。

24時間走っている奴は他にも大勢いる。

2016年08月29日 14時38分28秒 | Weblog
あの黄色のTシャツとテーマ音楽が嫌いだ。もちろん番組そのものもだ。小学生の頃、番組を見た中学生の姉が小銭をためたコーヒーの瓶を持って寄附に行きたい、連れて行ってくれと猛烈に両親に迫っていたのを思い出す。私はそれを自分にくれと言って激しく避難された。そういう苦い思い出が原因で嫌いになったのだ。ウソです。
夏の終わりのいつもの騒ぎを延々と見る者は我が家にはいない。笑点か?と83歳の父親が身を乗り出した。違うから、とテレビのスイッチを切ると悲しそうだった。
まったく地上波のテレビには愛想が尽きる。どうせ24時間を同じテーマで使うなら、黙々と働く人たちや宿題に追われる子供たちや自然や動物を解説無し、ゲスト無し、歌無しでずーっと見せて欲しい。それなら録画して何度でも見る。テレビ局やタレントの自浄の日にすればいい。

ゲリラ豪雨の中を行く。

2016年08月29日 14時00分59秒 | Weblog


先日打ち合わせが終わって喫茶店の外に出ようとしたらものすごい雨。車に乗り込んで走り出すもハンドルを取られてまっすぐ走れないほど水位が上がっている。雪の道なら走り慣れているのに冠水した道は初めての経験。怖い。ブレーキも効きが悪くなって、エンジンルームからキュルキュルと変な音が聞こえてくる。びしょ濡れの革靴の中で水がグチョグチョして気持ち悪い。対向車線で原付バイクが側溝にはまってひっくり返った。ワイパー最速でも視界が悪い。冷や汗が出てくる。最悪の場面が脳裏に浮かぶ。これ以上の運転は危険と判断してコンビニの駐車場に避難した。いつもの3倍の時間をかけて帰宅すると別世界のようないい天気だった。

あなたが金メダルを獲るのだ。

2016年08月20日 10時05分21秒 | Weblog
ついに最終コーナーを回って長い長いストレートがやってきた。まだその先にあるゴールは見えもしない。足はまだ動く。このレースには競争相手はいない。だから勝ち負けも存在しない。

今までいろんな障害があったし幸運もあった。なにせ50年以上も走ってきたのだから。晴れの日も、大雨の日も、台風の日も、大雪の日もあった
大きな落とし穴に落ち込んで怪我をしたり、泣いたり、笑ったり、スムーズな展開に自信にあふれたりした。

そして別のトラックを行く人たちに声をかけたり、励まされたりした。なんでゴールを目指すんだろうと考えたこともあった。

ある時ゴールテープを切った人たちを見た。おだやかな顔で語り合っている。何を言っているのかちょっと聞いてみた。
「これはレースじゃなかったんだ。自分や他の人がそれぞれのゴールを目指している。ゴールテープを切って後ろを振り返る時に見えたのは、スタートしてからのすべての風景が金色に輝いているんだ。」

どんな道のりでも走り抜いたら、あなたの首には金メダルが必ず掛けられる。大丈夫。諦めるな。誰もあなたを打ちのめさないから。

ベテランセールスマンよ、愛想笑いをやめてみよう。

2016年08月17日 14時38分44秒 | Weblog
社会人になりたての頃、お客さんとの商談が終わると成果や感想をノートにメモしていた。商談の最中に何を考えていたかがメインだった。私は上手くいった時にある共通の感覚に確信を持っていた。

それは売りたいとか、よく思われたいとか、売れなかったらどうしようというような後ろ向きで自己中心的な思いが全くなくて、集中と没頭で頭の中が真っ白になっていたというものだった。

あるお客さんにいわれた。「あなたは上辺だけのお世辞を言ったり作り笑いをしなかった。でも、しっかり話を聞いてくれたし笑う時は心から笑っているようだった。」と。私は新車が売れようが売れなかろうが関係なかった。目の前のお客さんに最善を尽くすことだけ考えていた。だから結果的にはよく売れた。

2000ccクラスのセダンが一ヶ月で14台売れたことがあった。納車や車庫証明の準備で大忙しの中で次々とお客さんがショールームにやってきて、そしてほとんどの方が見込み客を紹介してくださった。

この状態と正反対の時期もあった。お客さんの満足よりも自分の収入や名声が大切になっていたのだ。相手のご機嫌を取り、視線はキョロキョロと落ち着かず、面倒なお手伝いを嫌い、お客さんを値踏みした。
「立派なことを言うけど売りたいだけでしょ。」
「紹介をすると言った途端に急に声のトーンが上がって満面の笑みになったね。なんか感じ悪いから紹介するのはやっぱりやめるよ。」
きびしいお叱りの言葉もしっかりノートに書いた。ありがたかった。

どの分野でも新人が成果をベテランよりもあげる時がある。お客さんはどっちの状態のセールスマンから買いたいかは明らかだ。新人は知識も経験も十分でないかもしれないが、心が真っさらであることがベテランよりもお客さんの心を打つ。

経験を積んだセールスマンの再生の手がかりはそこにある。まずは、お客さんの前でへらへら笑うのをきっぱりやめてみる。そうすれば、一年生の時の潔さと勢いが徐々に戻って来るに違いない。

私はやる気に頼らない。

2016年08月10日 15時40分32秒 | Weblog
何かを目指して、「よっしゃー、やるぞ」とか、腰に左手を当て右手を突き上げながら「P.M.A」と10回叫んで自分を鼓舞すると、その効果が薄れてくるとその反動は大きい。無気力や落ち込みや愚痴に不平不満で心がいっぱいになる。
私のモットーは、心は熱く自由で、モチベーションは低く見せる、だ。
やる気に頼らず、ひたすら行動しプラスの反省しかしない。笑顔と安心が手に入ってくる。

オリンピックで活躍している日本人選手や3000本安打のイチロー選手を応援しながらも、自分のていたらくや何にも成し遂げていない自分の不甲斐なさに目が行き、あーあとため息をついたら、チャンスだ。
いったん自分のやる気をゼロにしよう。そしてそんな自分だからこそ愛する人や慕ってくれる人がいるのだと感じよう。自分の役目は世界に知られていなくても、自分がそこにあることで金メダルであり、無くてはならないものなのだ。毎日自分を表彰台に登らせることで、自分を縛りつけるやる気は必要なくなる。

今、輝くこと。

2016年08月04日 15時07分38秒 | Weblog
あるところに一人のセールスマンがおりました。彼はクルマを売ったりホケンを売ったり、それはそれは大活躍でした。
ある日、彼と大変親しかったお客さんや同僚や先輩や上司が彼の枕元に立ちました。その人たちはみんな亡くなっています。いっしょに泣いたり笑ったりして青春をともに過ごした人たちです。
そして彼らはこう言いました。

「ぼくらはみんな人生の早いうちにゴールインしたんだ。今はとても幸せに暮らしているよ。今日はひとつだけおまえに言いたくてこうやってみんなでやって来たんだ。ぼくらが変な音を立てたり、コーヒーカップを動かしたたり、壁の絵を落としたりしてイタズラしても不思議そうにするだけで気づいてくれなかったからね。まあそれはともかく、おまえは最近元気が無いのでおまじないの言葉を教えてあげたくてね。
昔の栄光のトロフィーやメダルを押入れに放り込んでこう言うんだ。
[今を生きるんだ]
昨日も明日も心配せず繰り返し言うんだ。真っ黒に日焼けして遊ぶ夏休みの小学生のように、今を生きるんだ。」

セールスマンが目を覚ますと、彼の部屋の柱時計と自動巻きの腕時計が午前2時半で止まっており、特に腕時計はすっかり動かなくなり壊れていました。セールスマンは明るくなってきた外に出て少し泣きました。そして誓いました。

この次々とやってくる1秒ごとの今を後悔無く生き切ることを。